サーファーの聖地・宮崎県日向市で実証実験!「お仕事紹介付きワーケーション」で地方創生

パーソルグループの3社(パーソルワークスデザイン株式会社、パーソルテクノロジースタッフ株式会社、パーソルイノベーション株式会社)は、ワーケーションや移住による人口増加、企業誘致の可能性を模索してさまざまな取り組みを行う宮崎県日向市主催の「ワーケーションオフィス調査事業」に参画し、実証実験を9月からスタートさせました。

パーソルグループでは「はたらく場所」に加えて「多様な仕事」を提供することで本調査の事業化の可能性を検証し、翌年度以降「お仕事紹介付きワーケーション事業『Surf Office』」の検討を進めていく予定です。

第1回目の実証実験は、11月2日から20日。参加者は1週間、もしくは2週間の「ワーケーション体験」を、宮崎県が誇る人気のサーフスポット日向市金ヶ浜に建つ商業施設「STAIRS OF THE SEA」にて行いました。
本記事では、体験の様子のほか、プロジェクト担当者のインタビューもお届けします。

◆今回のワ―ケーション体験について
宮崎県日向市での「暮らす&はたらく」移住体験を実施。今回は、IT系職種の方を中心とし、フリーランスの⽅や経営者の方も参加しました。希望者には、はたらく場所だけでなく、仕事も提供。また、移動・宿泊施設などにかかる費用に対し、最大10万円までを補助しました。
目次

体験の様子


抜群のロケーションの中でリモートワーク。
オフタイムには、地域の魅力を堪能!


リモートワークを行ったのは、「STAIRS OF THE SEA」の2階に設置されたオフィス。参加者はオーシャンブルーの太平洋が一望できる最高のロケーションの中で仕事をしました。また、初日の夜には地元住民や移住者、サーフィン関係者などとの交流会が開催されたほか、最終日にはバーベキューや新鮮な魚介類、地鶏の炭火焼きなどを楽しむ機会も設けられました。

「STAIRS OF THE SEA」2階のオフィス。窓は大きく、海が一望できる。テラス席でもワークが可能

室内で、テラスでと、参加者は思い思いの場所でリモートワークに集中!

オフタイムは、サーフィンを楽しんだり、観光にでかけたりと日向市の魅力を堪能

パーソルグループの3社の担当者3人に聞きました!
~プロジェクトをスタートさせたきっかけから展望まで~

左から、パーソルイノベーション(現在、ポスタス出向中)の長野 和洋、パーソルワークスデザイン 代表取締役社長の平林 由義、パーソルテクノロジースタッフの仲地 加奈


「時間と場所を自由に選択できるはたらき方をつくりたい」からはじまった。
政府のワーケーション推進が追い風に


――日向市の「ワーケーションオフィス調査事業」へ、なぜ参画することになったのですか?

平林(パーソルワークスデザイン):2年前、長野さんに「時間と場所を自由に選択できるはたらき方をつくりたい。まず、趣味×はたらくで、サーファーをターゲットにしてはじめたい」という事業構想を聞いたのがきっかけです。価値のある取り組みだと思い、動き出しました。
まず、私が日向市の方々と人脈を築いていたこともあり、知人を通して市に相談しました。日向市は、日本有数のサーフスポットがありますから。

すぐには実現が難しかったのですが、以前からワーケーションの導入を検討していた日向市が、新型コロナウイルス(以下、コロナ)感染拡大を背景に政府がワーケーションを推進したことを受け、コロナ対応型の実証実験の実施を決めたことで、パーソルはそこに公募入札。受託することができました。

――長野さんはなぜ、時間と場所を自由に選択できるはたらき方をつくりたいと?

長野(パーソルイノベーション):私は鹿児島県生まれ、宮崎県育ちなのですが、地元がシャッター街に変わっていくのをずっと残念に思っていました。また、大学生のときに上京して都会で生活するうちに、ゆくゆくは田舎に帰りたいけど、仕事がなくて帰れない人がたくさんいることを知ったんです。生きる場所を制限してしまうのが仕事である、という問題を解決したい。そして、「時間と場所を自由に選択できるはたらき方の実現」というビジョンを持つようになりました。

――それで「お仕事付き」なのですね。対象をサーファーにしたのはどうしてですか?

長野:最初に「ワーケーションや移住にチャレンジするのは、場所が限定される趣味や遊びをしている人たちでは?」という仮説を立てました。その人たちがまず実際に体験して幸福度が上がれば、その魅力がほかの人にも伝播していくのではと思ったからです。そして、僕もサーファーなのですが、サーファーには間違いなくその志向性があると思って。まず海、そして、波が立つ場所が限定されるスポーツですから。

――この構想を聞いたとき、仲地さんはどう思われましたか?

仲地(パーソルテクノロジースタッフ):実は私も宮崎県出身で、ずっと宮崎に帰りたいけど、仕事がないから帰れない、別にいまの仕事を辞めたいわけではないし……と、モヤモヤしていたので、まさに私自身もターゲットだと思いましたね。ぜひ好きな場所ではたらけることを実現する、お仕事紹介の仕組みをつくりたいと考えました。

――今回、3社協業ということですが、それぞれの役割を教えていただけますか?

長野:パーソルワークスデザインは公募入札から受託、企画の構成などを、パーソルテクノロジースタッフはエンジニア派遣を行う会社として、企業さまと派遣スタッフの方マッチング、マネジメントなどを担ってもらいました。私が所属するパーソルイノベーションは、新規事業としてのビジネスモデルの設計などを担当しています。


「人」も、地域の魅力の一つ。
地方創生に欠かせないキーワード


――実証実験での発見を教えてください。

仲地:応募者は105人もいて、思っている以上にワーケーションへの感心が高いことが分かりました。サーファーをターゲットにしたのですが、「ただ海が好き」という方もいて、いろいろな趣味志向にワーケーションのニーズがあるということもわかりました。また、お仕事をいただく企業さまが懸念される緊急時やセキュリティー対応についても説明と対応策を提示することで、場所が離れていても業務の調整・解決ができるという確信が持てました。

それに、参加者の方が日向市に愛着を持った、より好きになった、というのを側で見て感じることができたのはとても良かったと思います。リピーターになっていただける方も出てきそうで、これは、交流人口や関係人口の増加を目指す日向市にとっても有益な結果だと思います。

――まさに地方創生ですね。参加者が日向市に魅了された理由は、ほかに何かポイントが?

長野:日向市の方々の「人の魅力」というのが大きいと思います。今回、飲み会や観光場所のセレクトなど日向市さんがリードしてくれて、初日の夜に行われた交流会には市役所の職員の方や移住者の方が参加してくださったんです。現地の人の温かさに触れ、繋がりを持てたこと、地元の話をざっくばらんに聞けたことは、参加者にとってとてもうれしく、有益なことだったと思います。
実際、参加者のほとんどの方から「旅行とは違った」「日向市の人の魅力まで感じられた良い体験だった」という感想が寄せられ、「お金を払ってでも使いたい、そのぐらいの価値がある」という声もいただきました。

――ほか、印象的な参加者の声はありましたか?

仲地:今回、パーソルテクノロジースタッフから派遣先の企業さまで就業している社員にも実験に参加していただいたのですが、そういった方から「パーソルテクノロジースタッフの社員であることの意識も高まった。このような取り組みをしているパーソルを誇りに思う」という声をいただいたのは印象的でしたね。

平林:就業先ではたらいていると、雇用元の会社への所属意識を持つのは、少しハードルが高いですよね。あくまで派遣事業での例ではありますが、企業がこのような取り組みをすることが、社員、そして自社にとっても有益であることを示唆するコメントだと思います。

長野:あとは、生産性が上がったという声も多かったですね。はたらく時間は短くなり、仕事への集中力は高まったようです。それに、参加者同士で共通点を見出し、参加者同士での仕事の協業が生まれる場面もありました。

――地方創生になり、自社への所属意識が高まり、生産性も上がった。そんなワ―ケーション体験を終えたいまの気持ちと、今後の展望、そしてメッセージをお願いします。

長野:いま、社会に新しい価値を生む第一歩を踏み出せたということで、非常にうれしく、興奮しています。これからは、今回の実証実験の効果と課題をしっかりと検証し、今後の事業化に繋げていくことが重要です。また気を引き締め、日向市さまと、パーソルグループ各社とで連携して取り組んでいこうと思っています。
そして、日本中にキャンピングオフィスとかゴルフオフィスなど、はたらきながら余暇を楽しむことができる場所をつくり、「時間と場所を自由に選択できるはたらき方」を実現し、はたらく人を幸せに、笑顔にしたいと思います。

仲地:時間と場所を自由に選択できるというのが社会に広がれば、幸福度は高まり、人生の充実度も上がると思っています。そのきっかけになれればうれしいです。

平林:これまでの時間と場所に関する価値観を考え直す、良いきっかけにもなると思います。ぜひ、みなさんもワ―ケーションを体験してみてください!

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