社長と一緒に、過去~未来の“はたらく”を考えてみた 【後編:未来2020年~2030年】

パーソルグループが、グループビジョン「はたらいて、笑おう。」を発表してから、2020年10月で1年が経ちます。新型コロナウイルス(以下、コロナ)の影響を受けて人々のはたらき方が大きく変化しているいま、私たちはどうあるべきか。過去から学び、未来の“はたらく”を考えるため、パーソルホールディングス代表取締役社長 CEOの水田 正道と、パーソルグループの社員が一緒に考えてみました。1970年から未来の2030年までを、計3回に分けてお届けします。

前々号(10月1日公開):社長と一緒に、過去~未来の“はたらく”を考えてみた 【前編:過去1970年~2000年】
前号(10月2日公開):社長と一緒に、過去~未来の“はたらく”を考えてみた 【中編:過去2000年~2020年】


“はたらく”は自己実現の手段へ
多様性のある未来の実現は、「信頼」と「共感」がキーワードに


目次

2020年代~2030年代:どんな未来になる?

―“はたらく”にまつわる世の中の出来事―
2000年、新型コロナウイルスの感染拡大を契機に、リモートワークの増加など新しいはたらき方が加速。

―パーソルの出来事―
2020年、「2030年に向けた価値創造ストーリー(中長期戦略方針)」を発表。グループビジョン「はたらいて、笑おう。」実現のため、企業活動と社会貢献のサイクルを価値創造ストーリーとして設計し、持続可能な社会に貢献していくことを宣言した。

――直近はコロナの影響で、リモートワークが進むなど、激変の最中にあります。人生100年時代のはたらき方は、今後どう変化していくでしょうか?

安部:産業革命が起きると思います。日本の人口がどんどん減り、生産性を上げなければならなくなるでしょう。そこで活躍するのが人工知能やロボット。世の中が便利になる一方で、なくなる仕事もでてきて、職種転換を迫られる人が大量に出てくるのではないでしょうか。私たちエンジニアは人工知能やロボットを扱う仕事で社会の生産性向上に貢献しながら、富が集中しないように新しいビジネスモデルを生み出すような技術の開発も役割だと思います。

――ドラスティックに時代が変わるんじゃないかということですね。山口さんはいかがですか?

山口:会社と個人の関係が変わりそうです。Z世代といわれる大学生は「社会貢献したい」「やりたいことをやりたい」という思いが強く、「会社のために自分は何ができるか」より「会社で自分が何を得られるのか」を考えています。会社より個人が優位に立ち、自己実現の手段としての「はたらく」がメジャーになりつつあります。アメリカで大手企業よりNPOが人気になったように、日本でも「やりたいことをどう実現するか」が重視されるのではないでしょうか。

――自己実現の手段としてはたらくということですね。塚本さんのイメージはどうですか?

塚本:「はたらく」にゆるくて強い繫がりを求めるようになり、はたらき方の差が広がると思います。いろいろなコミュニティに属したり、リモートワークをしたりするのがゆるくて強い繋がり。はたらき方の差は人や能力の優劣の話ではなく、自分の意志で選べる人と選べない人がはっきり分かれてくるのではということです。

園田:意志は大事ですね。個人が自律し、自分のキャリアを考えて学び続けることが不可欠になると思います。選択肢が増えていくので、求められることをやるのではなく「自分がどんなキャリアを築きたいか」を考えてはたらかないと、望むキャリアを実現できなくなります。会社や組織から求められるものも時代によって変化するので、学び続けて成長する柔軟性と向上心が大事になるのではないでしょうか。

――そんな変化を迎える中、どんな「はたらく未来」をつくりたいですか?

塚本:性別とか年齢のバイアスなく、その人の個性を生かしてはたらける未来です。私は「女性」ではなく「塚本ひかり」という一個人ですから、女性を主語にして話されると快くはないです。無意識の差別偏見はたくさんあります。人を属性で見るのではなく、その人自身の個性を見る会社が増えてほしいですね。

――見えない差別、バイアスもまだ課題ですよね。園田さんはいかがですか?

園田:多様な人がそれぞれの「はたらく」を実現できる未来にしたいですね。多様性にも目に見えるもの、見えないものありますが、いずれであっても「〇〇だからできない」というようにはしたくありません。結婚しても、出産しても、年齢を重ねても、病気になっても、どんな状況でも性別関係なく自分が望む「はたらく」を実現できる世の中にしたいですし、望む選択肢をつくれる人になりたいです。

山口:私も同じ方向を目指していて、「はたらいて、笑おう。」を実感できる人を6%から100%にしたいです。6%というのは、米国のリサーチ企業ギャラップ社の調査(2017年発表)結果で、「熱意あふれる社員」の割合ですが、日本は世界平均と比べても低かったんです。

私としては、私としては、“選択肢”がたくさんある中で“自己決定”できる、この両方があることによって「はたらいて、笑おう。」を実感できる人が増えるんじゃないかなと考えています。「はたらく」はひらがなにしているのがミソで、「労働して笑おう」ではないんです。たくさんの選択肢から、自分が楽みながら人に提供できるものをみつけられると「はたらいて、笑おう。」に近づくんじゃないでしょうか。そんな人が増えるように今後もフォローしていきたいです。

――「はたらくってなんだろう?」という問いは常にありますよね。安部さんはどんな「はたらく未来」が理想ですか?

安部:エンジニアとしては“はたらかないで笑おう”を目指すのが使命だと思っています。私を含め、人は怠け者で、怠けるための労力を厭いません(笑)。昔は家電製品なんてなかったですが、たとえば冷蔵庫一つとっても、あれば生活が楽になりますよね。人工知能やロボットは、もはや魔法のランプといえるくらい可能性を秘めています。人間は指示するだけでいいから、余った時間をもっと創造的な時間や好きなことをする時間として割くことができる。そんな未来を叶えたいです。

――人がもっと創造的な活動に時間を割ければ、より豊かで多様性のある未来が開けそうですね。水田さんは2030年に向けて、どんな未来を描いていますか?

水田:2030年の世界は、人生100年時代、世界的に寿命が延びる中で、あらゆる産業におけるテクノロジーの進歩によって個人のはたらき方が変わっていきます。パーソルは、個人のはたらきがいや、多様なはたらき方への対応、学び直しなど、一生涯にわたって“はたらく”一人ひとりに寄り添い、”はたらく”を通じて充実した人生を送ることができる社会にしていきたいと思いますし、それを実現するためにはテクノロジーも活用していく必要があります。

また、今後、多様性がますます進む中で大事になってくるのは、「共感」と「信頼」だと考えています。どんなに正しい理屈をぶつけても、そこに「共感」がなければ「はたらいて、笑おう。」は実現できませんし、リモートワークや副業など、多様性のあるはたらき方は「信頼」ありきです。

「共感」と「信頼」をキーワードに「はたらいて、笑おう。」を実現していきましょう。

当日話した内容をグラフィックレコーディングで記録【後編:未来2020年~2030年】(グラフィックレコーディング・上園 海)

(文・秋 カヲリ)

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