グループ各社を、経営から、現場から、オートメーションで変える ― PERSOL Group Awards2023受賞の裏に(16)林 鞠花 ―

パーソルグループでは年に1回、グループ内表彰「PERSOL Group Awards」を実施しています。「PERSOL Group Awards」とは、グループビジョン「はたらいて、笑おう。」を象徴するパーソル社員とその仕事の成果に贈られる、グループで最も栄誉ある賞のこと。各SBU、およびユニットに貢献し、提供価値を創出した社員を表彰しています。

本連載では、2023年度の「PERSOL Group Awards」を受賞した社員のキャリアストーリーと、受賞の舞台裏をご紹介します。
第16回目は、パーソルワークスイッチコンサルティング株式会社の林 鞠花です。

林が手掛けたのは、パーソルグループ内の各社を対象としたデジタル化やオートメーション化を支援するプロジェクト。コロナ禍での困難を乗り越え、変化を生み出しました。

目次

まずは自らはたらくことを楽しむ。
パーソルグループのビジョンと姿勢に惹かれた

林は、2019年に新卒でパーソルプロセス&テクノロジー株式会社へ入社。決め手は、グループビジョン「はたらいて、笑おう。」に共感したからだと言います。

「朝電車で周りを見ると仕事に向かう人たちの表情が全然楽しそうじゃない、みたいな話はよく聞きますよね。1日のうち3分の1ははたらいている時間だし、はたらくことでしか得られない喜びもあるはずなのに、と疑問に思っていました。そんな中はじめた就職活動で出会ったパーソルグループは、『はたらいて、笑おう。』とグループビジョンを掲げていて、まずは自分たちがはたらくことを楽しもうとしている姿勢に興味を持ちました」

就職活動時から、企業に属してはたらくことを楽しみにしていたと言う林。その理由について、「家族や親戚には自営業が多く、会社員としてのはたらき方を知らなかったから」と自分の気持ちを分析します。

「良くも悪くも『会社員ってどんな感じだろう』と、ワクワクしていました。あこがれもあったのかもしれないですね。楽しそうだなと。だからこそ周りの就職活動生や先輩の話から、世の中に『はたらくのは楽しくない』と捉えている人がいると知ったときには意外でした」

プロジェクト始動と同時に、緊急事態宣言。コロナ禍の新規プロジェクト、どうなる!?

グループビジョンに惹かれた林。パーソルグループの中でも、パーソルプロセス&テクノロジーのワークスイッチ事業部ではたらくことを志望しました。

「私は2019年入社なのですが、ワークスイッチ事業部は2014年に立ち上がった、比較的新しい組織なんです。パーソルプロセス&テクノロジーとしては大きな企業で、しかし事業部としてはベンチャーのような風土があると期待し入社を決めました。大企業の安心感とベンチャーのチャレンジ精神のいいとこ取りができたらいいな、と。この事業部では、BPR(※1)を支援する「業務コンサルティング」とRPA(※2)やAI等の技術を活用した「テクノロジーコンサルティング」を行っています。「業界や業種は問わず、パーソルグループのグループ内にも、それ以外の企業さまへも、はたらき方を転換する支援をしています」

(※1)BPR:Business Process Re-engineering。目的達成のために、顧客志向をベースに、現在の職務内容やプロセス、組織構造などを見直して再構築すること。
(※2)RPA:Robotic Process Automation。人が行っている作業を自動化できるロボティクス技術のこと。

今回アワード受賞の対象となったのは、グループ会社を対象としたデジタル化・RPA化に関するコンサルティングを行ったプロジェクト。生産性向上やRPA人材育成などを掲げて2019年に準備組織が立ち上がり、2020年4月に本格スタートしました。林は本格スタートのタイミングで、PMO(※3)としてプロジェクトに参画しています。

(※3)PMO:Project Management Office。プロジェクトを横断的に管理するポジション。

「ただ2020年4月は、新型コロナウイルスが流行し緊急事態宣言が発令されました。対象としていたグループ会社は、現場での対応に精一杯。デジタル化やRPA化は、多くの現場から『重要なのは分かるが今は対応できない』と言われてしまったんです。緊急の対応が必要なときに、新しい施策はやはり取り組みにくいのでしょう。『落ち着いたら』とストップするのがほとんどでした」

53万時間の削減。少しずつの変化が大きな成果へつながった

そこで林は、当初と異なるアプローチを用意しました。対象グループ会社の再選定、経営層と現場双方からのアプローチ、トータルサポートができる機関としてサポートセンターの新設など。中でも、経営層と現場の双方にアプローチすることが重要だったと林は強調します。

「短期的な視点で言うと、デジタル化は現場の運用方法が変わるので、慣れるまで生産性は落ちる。コロナ禍での対応に追われている中ならば、いっそうそのやりづらさが不安になりますよね。現場の皆さんが動き出せなかったのも分かります。だからこそ現場だけでなく、各社の経営層へアプローチしました。経営層から『その企業の未来に、なぜデジタル化・オートメーション化が必要なのか』と大きな目的を、説得力を持って現場へ語っていただく。全社で取り組む空気を醸成しました」

林をはじめとするプロジェクトメンバーは、経営層へ、現場へ、丁寧にメリットを伝えたりRPA導入をするための支援を行ったりしました。彼女自身は、少しずつ変化を感じていたと語ります。

「コロナの影響を受け、プロジェクトとしてスタートラインにすらまだ立てていないような焦りがありました。元々目標を高めに設定していたので、達成できるかどうか、ずっと不安でしたね。でも約3年という長い時間をかけるうち、徐々にプロジェクトがうまくいき始めた。現場、経営層問わず支持してくれる人が増えた感覚です。またRPAのトレーニングを受けた現場の方へ、直接伺ったときには手応えを感じました。一人ひとりが、成長があった、変化があったとポジティブに語ってくれて、これは大きな力になると期待できたからです」

3年間のプロジェクトを経て、定量的な成果は多数見られました。時間にすれば、グループ全体で53万時間の業務時間の削減と10億円規模のコストカット。現場でRPAを活用できる人材も、373名育成することができました。

はたらくとは、頑張った先に喜びがあるもの

ワークスイッチ事業部は、2023年新たに、パーソルワークスイッチコンサルティング株式会社として分社化。プロジェクトを終えた林は現在、社外の人事部向けに人事企画や業務改善支援を行っています。

「RPAの導入はあくまで手段であって目的ではありません。その上で、RPAが改善できることはたくさんあると思うので、RPAの有用性を知ってもらい、活用することが大事だと考えています。まずは現場がどのような課題を抱えているか、現状を知り、解決するのが大事ですね。今回のプロジェクトではPMOという立場だったので、どちらかというと全体を俯瞰・管理する役割でした。今後はより実務や状況を知り、現場に入り込んだ支援もできるようになりたいです」

林にとっての「はたらいて、笑おう。」とは、「仕事は楽しむためのもの。でも、楽しいだけでなく、頑張った先の喜びが重要なもの」なのだと言います。

「たとえば仕事のミッションがあって、その達成のための努力や過程がある。そして達成できたことや、仮に達成できなくともここまではできた、という結果があったり、周りからの評価があったりするのが大切だと思います。それらがあるからこそ、私は喜びを感じられる。楽しいだけなら趣味や私生活の充実からも得られますが、仕事やはたらくことには、それとは異なる喜びがありますよね。それが『はたらいて、笑おう。』ってことなのではないでしょうか」

パーソルグループは、「“はたらくWell-being”創造カンパニー」として、2030年には「人の可能性を広げることで、100万人のより良い“はたらく機会”を創出する」ことを目指しています。
さまざまな事業・サービスを通じて、はたらく人々の多様なニーズに応え、可能性を広げることで、世界中の誰もが「はたらいて、笑おう。」を実感できる社会を創造します。

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