制度はあるだけでは機能しない。使われる制度になるまで、お客さまに寄り添おう ― PERSOL Group Awards 2023受賞の裏に(20)伴 雄峰 ―

パーソルグループでは年に1回、グループ内表彰「PERSOL Group Awards」を実施しています。「PERSOL Group Awards」とは、グループビジョン「はたらいて、笑おう。」を象徴するパーソル社員とその仕事の成果に贈られる、グループで最も栄誉ある賞のこと。各SBU、およびユニットに貢献し、提供価値を創出した社員を表彰しています。

本連載では、2023年度の「PERSOL Group Awards」を受賞した社員のキャリアストーリーと、受賞の舞台裏をご紹介します。
第20回目は、株式会社パーソル総合研究所の伴 雄峰です。

伴が手掛けたのは、大手ホームセンター企業の組織改革プロジェクト。新たに掲げられた人事コンセプトに従い、人事周りの制度や仕組みを一新。制度設計にとどまらず、それらを浸透・運用させるところまでお客さまに伴走しました。

目次

社内から、社外から、人と組織のあらゆる課題を見てきた

伴は、2017年にパーソル総合研究所に入社しました。新卒で百貨店の販売の仕事に就き、その後、企業の人事や組織コンサルティングの仕事を経験します。

「販売の仕事をしながら、『もっと専門性の高い仕事がしたい』と社会保険労務士の勉強を始めました。当時は若さゆえの勢いもありつつ、人にまつわる仕事ならばどの時代のどの企業でも必要になるだろうという確信もあって。社労士の資格を取り、企業の人事担当として転職をしました。人事をやっていると、さまざまな人の課題感や困り事について聞くことがあります。当時の私は労務担当でしたが、話を聞くうち、人事の一部だけではなく、企業の組織全体を変える仕事をしたいと考えるようになったんです。そこで転職を決意し、組織コンサルティングの仕事に就きました」

コンサルタントとして組織を変えることの面白さとやりがいを、伴は感じたと言います。

「さまざまな企業の、あらゆる仕事を経験させてもらいました。人事制度づくりや経営者育成など、多くのことを企業と一緒に行うことができたと思います。そしてあらためて、人と組織については課題ばかりなのだな、とも。1社に限らずさまざまな企業の課題を解決する仕事として、組織コンサルタントの仕事にはとても面白みを感じていました。そのため、当時は特別仕事に不満があったわけではありません。パーソル総合研究所と出会ったのはたまたま。企業と向き合うスタンスに共感し、入社したいと考えるようになりました」

長期で、グループで、支援する。パーソルグループだからできる寄り添い方がある

伴の挙げる、パーソル総合研究所の企業と向き合うスタンス。それは、徹底して企業に寄り添うというものでした。一口に「寄り添う」と言っても、普通のコンサルティング企業ではなかなかできないことなのです。

「寄り添い型のコンサルティングって、難しいんです。なぜなら、本当に課題解決まで寄り添おうと思うと時間がかかり、小さな仕事もすべて携わる必要が出てくるからです。そうすると、そこまで人員や工数をかけられずに諦める企業が普通。対してパーソル総合研究所は短期的な成果にとらわれず、じっくり寄り添うことで長期的、そして大きな成果を挙げることを考えていました。そして人材紹介をはじめ、ほかのパーソルグループの事業と連携しながらご支援することもできます。パーソル総合研究所だからこそできる、企業への寄り添い方があると期待していました」

今回の受賞にもつながる大手ホームセンター企業とのお取引は、伴がパーソル総合研究所へ入社した直後から始まります。最初は大型プロジェクトではなく、アドバイザーのような形で携わるようになりました。

「最初は本当にちょっとしたこと、日々の困り事について知見を提供するような形でした。私一人で担当していたのですが、徐々に相談の規模が大きくなり、『伴さんにお願いできる?』から『パーソルさんにお願いできる?』と聞かれるようになり、パーソル総合研究所側でもプロジェクトチームを組むように。人数も増え、企業同士の信頼関係も築けたと感じたタイミングで、大手ホームセンター企業が大規模な組織変革を実施する旨を聞きました。今回の受賞につながるプロジェクトの始動です」

制度を全社の自分ごとにするまで、さまざまな角度から浸透させる

プロジェクトにおいて、伴らは主に、制度の設計・運用を担いました。人事制度や評価報酬制度、育成など。既存のものを、新たな人事コンセプトに合わせる形でつくりかえています。

「制度や仕組みづくりは、ある程度まではどの企業でも共通して使えるような雛形があります。でもそれをそのまま組織へ導入しても、必ずしもうまくはいかない。その企業らしいものにカスタマイズしたり、その組織の中で新制度が浸透するように施策を考えたりしなければなりません。たとえば大手ホームセンター企業の場合だと、大きく分ければ本社ではたらく方と、全国にある店舗ではたらく方に分けて考えました。新しい組織になりましたよ、新しい人事制度ができましたよ、と言ったところで、そのままでは店舗の方からすると『本社の人向けの施策でしょ』『私たちには関係ないことでしょ』といった、ともするとネガティブな感情を生んでしまうことが懸念されたからです」

制度や仕組みをつくっただけでは、利用されなかったり、むしろ本部と店舗の分断をつくってしまったりすることになる。伴たちが力を入れたのは、制度を組織内に広く浸透させ、使ってもらえるものにすること。そのためには、少しずつ浸透させることが重要でした。

「最初は社内のヒアリングなどを基に、社内制度の利用へ積極的になってくれそうな人をピックアップして、こちらから声をかけました。その人に、制度活用の成功事例になってもらうのです。そうすれば周りの人も、『自分もやってみたい』と興味を持ち、制度や仕組みが自分事になります。大手ホームセンター企業の方は、店舗一つひとつを回りながら新組織や新制度について丁寧に説明することも忘れませんでした。いろんなやり方で、いろんな角度から、時間をかけて組織を変えようとした。それが実を結んだプロジェクトだったと感じます」

振り返ったときに想う、「はたらいて、笑おう。」

伴はプロジェクト成功の秘訣について、「お客さまと私たち、互いに依存しすぎなかったこと」だと言います。

「どちらかが『やってくれるだろう』と他人任せの態度だったら、上手くいかなかったと思います。『ここは自分たちが得意な領域だ』とそれぞれがリーダーシップを発揮した。これが今回のプロジェクトの秘訣であり、今後も重要な考え方なんじゃないかな」

最後に、伴にとっての「はたらいて、笑おう。」について聞くと、「そうありたいといつも思うが、難しいことでもある」と語ります。

「常に思っていることというよりは、結果として振り返ったときに『はたらいて、笑おう。』を体現したなと思えたらいいのではないでしょうか。自分にとって少しだけ難しい、くらいのストレッチをきかせられる状態。そしてそのちょっと難しいことに、みんなで取り組み、一つひとつクリアにしていける環境であることで、最初はできそうもないと思っていたことが、いつのまにかできていたりします。難しいけれど、それを達成したときに振り返って、やってよかったなぁと感じられる想い。それが私にとっての、『はたらいて、笑おう。』ですね」

パーソルグループは、「“はたらくWell-being”創造カンパニー」として、2030年には「人の可能性を広げることで、100万人のより良い“はたらく機会”を創出する」ことを目指しています。
さまざまな事業・サービスを通じて、はたらく人々の多様なニーズに応え、可能性を広げることで、世界中の誰もが「はたらいて、笑おう。」を実感できる社会を創造します。

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