「この技術は誰の役に立つ?」日本一の求人レコメンドを目指す日々 ― PERSOL Group Awards 2022受賞の裏に(7)白井祐典 ―

パーソルグループでは年に1回、グループ内表彰「PERSOL Group Awards」を実施しています。「PERSOL Group Awards」とは、グループビジョン「はたらいて、笑おう。」を象徴するパーソル社員とその仕事の成果に贈られる、グループでもっとも栄誉ある賞のこと。各SBU、およびユニットに貢献し、提供価値を創出した社員を表彰しています。

本連載では、2022年度の「PERSOL Group Awards」を受賞した社員のキャリアストーリーと、受賞の舞台裏をご紹介します。
第7回目は、パーソルキャリア株式会社の白井 祐典です。

大学卒業後、システム開発会社をはじめ3社で技術者・チームリーダー・マネジャーとして勤務し、フリーランスを経てパーソルキャリアに入社した白井。社会人になってからの10年という月日は今の白井をつくる礎となったものでした。その経験と知識、技術があったからこそパーソルグループへ入社したその年にアワード受賞という快挙を達成することができたのです。

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新しい技術は世の中で活用されてこそ価値がある

大学時代に情報システムを用いてアンケートを分析する研究に取り組み、その面白さに魅了されたことで白井は自分の進むべき道を見つけたと言います。しかし、本当の意味で自分がやりたい仕事に就くまでには、10年間にわたる紆余曲折がありました。

2021年6月にパーソルキャリアへ入社するまでの白井のキャリアは多彩なものです。大学卒業後にシステム開発会社に就職。その後、大手人材会社、ベンチャー企業、フリーランスを経験。データ解析を自分の研究テーマに据える中、パーソルグループの理念に共感し、入社を決意したそう。

「実はフリーランスとしてはたらいている間に、1年半ほどパーソルキャリアで業務委託として勤務していました。パーソルのグループビジョンである『はたらいて、笑おう。』は、心にグッとくる、まさに私が求めるものでもありましたし、パーソルではたらいている人は皆さんいい人。とにかく社内環境の良さに魅力を感じました。また、ちょうどそのころ、結婚をしたこともあり、フリーランスではなく会社員としてはたらきたい想いも強くなっていました。そこで僕の方から『社員としてはたらかせてください』とお伝えしたんです」

白井がはたらく環境にこだわったのは、2社目と3社目の会社での経験が大きく影響していると言います。2社目の大手人材会社ではプロジェクトリーダーとしてディープラーニングを活用した画像解析に携わり、新規技術を事業活用する大変さを周囲と協力することで乗り越えて半年間でプロダクトをリリース。しかし、想定していた成果が生まれない取り組みだったこともあり、関係者全員を満足させることができず、自分の無力さを痛感したと言います。

「悔しかったのと同時に、大変な想いをしての新しい技術の開発も、それが世の中に活用されてこそ価値がある。企業の中で開発するからには会社に利益をもたらさなければだめなんだと思い知らされました。自分たちだけが満足するのではなく、会社も社会も満足してもらって初めて賞賛されるのだと身に染みて感じました。そこからは技術を面白さで見るのではなく、何に使えるのか、誰の役に立つのかを強く意識するようになりました」

2社目で触れた画像解析技術の観点で外の世界に目を向けると、画像解析は多様な可能性を秘めていると感じた白井は、一つの業界に閉じずに幅広い業界への活用を求めてベンチャー企業に新たな活路を求めました。ところが転職した先でも社内環境に思い悩む結果となってしまったのです。

「マネジャーとして従事する中で、会社の人数が30人程度から100人ぐらいまで増えていきました。ベンチャーでは、急成長していく中で大きく方向転換をすることが多々あり、その中で会社の方向性と自分の思いが乖離してしまうことも増えていきました。また、私は画像解析を用いて世の中に価値を提供したいと思っていましたが、実際にプロダクトとして外で利用されることがない状況も続き、どこでなら人の役に立つ仕事ができるのかが分からなくなってしまったんです。これらを通して、自分の中で、社会に価値を提供できることと、それをどう実現するかを考える戦略をともにする周囲との関係性や環境はすごく大事なんだなと思いました。そのため、フリーランスとして何社かではたらきつつ、自分の目標を実現できる場所、はたらきがいのある会社を探していました。そうやってたどり着いたのがパーソルだったんです」

入社後すぐにモチベーションの根幹が変化した

白井はフリーランスとして『doda』の業務に携わる中で、求人レコメンドにかなり前からある技術が利用されていることを知り、より良い技術のリサーチを開始しました。

「ただ、フリーランスのころは『doda』で使えるスキルだけではなくて、今後の自分の仕事のために役立つスキルを磨きたいという思考になりがちでした。あくまで自分の未来のために、という発想です。ところが不思議なもので、社員になってすぐに意識が変わったんです。『doda』のためにとか、その先にいるお客さまのために何が必要なのだろうかとパーソルキャリアの社員となったことで会社の一員としての自覚が生まれ、モチベーションの根幹がすっかり変わりました」

入社後は、業界・国内外問わず最先端のレコメンド利用技術の調査と並行して、レコメンドに詳しい社外の人物と議論を重ねることで、レコメンドの流行りを把握する日々が続きました。また、最新の技術が必ずしもベストなのではなく、その技術と『doda』との相性が重要となるため検証を繰り返したそうです。その結果、自然言語処理モデル『BERT』の採用を決め、成果を上げることに成功したのです。

『doda』の求人レコメンドを日本一に

紆余曲折と言葉にしてしまえば簡単ですが、白井の社会人としての多彩なキャリアはアワード受賞が物語っているようにパーソルキャリアにおいて即戦力以上のものでした。

「3つの会社を経験し、フリーランスとしても活動してきましたが、そのすべてが自分の糧になっていますし、これまでの10年間がなければ今の私はない。間違いなくすべてがつながって今があると感じています。ただ、過去の自分と違うところは、パーソルグループの目標やミッションに対して、どのような貢献ができるかを考えながら仕事を進めていることですね」

最後に白井が考える、はたらく意義と今後の目標を聞きました。

「やっぱり、自分がつくったものが世の中に出て、誰かの役に立つということ。それが私にとってはたらく意義だと思っています。使われないものをつくっても意味がないですし、使われて初めて私はハッピーな気分を味わうことができるんです。そして、それが会社への貢献につながらなければ、それもまた意味がないと考えています。今は、日本の転職業界において『doda』の求人レコメンドが日本一だと思ってもらえるものに進化させることが、目標であり自分の使命だと考えています」

迷いがなく、明確な目標を言葉にする白井からは、自信と想いの強さが伝わってきます。そう遠くない将来、白井の言う「『doda』の求人レコメンドが日本一」が現実となる日が来ることを予感させてくれるものでした。

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