“太陽の塔”を彩り豊かに演出!「海洋堂ホビーランド」で3Dホログラムシステムを出展

AVC(映像・音響・情報通信)分野の設計開発などを手掛けるパーソルAVCテクノロジー株式会社は、6月26日にグランドオープンした「海洋堂ホビーランド」にて、ミュージアム展示用3Dホログラム(※1)システムを用いた展示を行っています。海洋堂が制作した「太陽の塔」のフィギュアを、パーソルAVCテクノロジーが制作した3Dホログラムを使い、彩り豊かに演出しています。
(※1)3Dホログラムとは、ディスプレイの映像をアクリル板に反射させることで視覚的錯覚を起こし、あたかも実物が目の前にあるかのような立体映像を映し出す技術のことです。

「海洋堂ホビーランド」とは

大阪府門真市にオープンした世界的フィギュアメーカーである株式会社海洋堂の新しい施設。海洋堂の新旧貴重な立体作品コレクションが展示されているほか、ワークショップや限定グッズが購入できる直営ショップもある。

■展示の様子
3Dホログラム装置による映像と音楽を使い、立体的で美しく、ストーリー性のある展示となっています。

演出のテーマは「四季」と「生命の樹」

1970年に開催された大阪万博のシンボルとして建造された太陽の塔は、今も万博記念公園に暑い日も寒い日も屋外に立ち続けています。そんな太陽の塔の1年の表情を表現するため、「四季」をテーマにした演出を行っています。

展示では、太陽の塔のフィギュアにスポットライトが当たると、ヴィヴァルディの「四季 『春』『夏』『秋』『冬』」の楽曲に合わせ、塔の周りに光の演出が始まります。まずは、太陽の塔の前後左右に桜の花びらが舞い始め、その後、夏の風物詩である花火が打ち上がり、紅葉、はらはらと降る雪……。このように、3Dホログラムだからこその、立体感と動きのある演出が可能となっています。

その後、BGMはドヴォルザークの「新世界」へ変わり、太陽の塔の前面が割れて「生命の樹」が出現。
生命の樹は、アメーバなどの微生物から恐竜、人類へと、生命の進化の過程を表現したものです。
それからすぐに曲はバッハの「G線上のアリア」に変わり、生命の樹の周りを何色もの光が舞い始めます。そして、フィナーレでは太陽の塔の「黄金の顔の瞳」が点灯し、幻想的な演出は終了。約6分間のループ演出となっています。

また、展示は正面からだけではなく、右と左の両サイドからも見ることが可能で、見る位置で演出の雰囲気が変わります。3Dホログラムによる映像と音が織り成すエンターテイメントに、来場者からは「どうなっているの?」「演出が凝っているね」という声が挙がっていました。

開発背景:“遊び”と“こだわり”から生まれた展示システム

海洋堂とパーソルAVCテクノロジー(※2)は、かつて同じ大阪府門真市に本社を構え、ともにモノづくりに取り組む企業であることから親交がありました。海洋堂のホビーランド設立のお話を受けてテクノロジーを用いた展示をご提案し、本展示に至っています。
(※2)現在は高槻市に移転。

プロジェクトは、「フィギュアにデジタル的な要素を組み込む」という方針と、「動きがある演出ができたら面白い」というイメージから始動しました。
試作機でのデモのイメージから、対象のフィギュアとして太陽の塔を海洋堂からご提案いただきました。
太陽の塔のフィギュアはボディの質感・稲妻を表した前面のコロナ・黒い太陽を忠実に再現した海洋堂のこだわりの製品で、展示に使用しているものは海洋堂の「顔」である”宮脇センム”自らが、雨で汚れた本物の太陽の塔に近づける塗装をされた1点もののフィギュアとなっています。
「このフィギュアに映像を合成して3Dのように動きのあるような演出はできる?」という海洋堂のご要望に、パーソルAVCテクノロジーの映像技術でお応えした展示となります。
3Dホログラムのアイデアは、開発担当者の日常の“遊び”から生まれたもの。スマートフォンの画面に表示される映像を、自作の簡易3Dホログラム装置で立体化して楽しんでいたことが、本展示への活用に繋がっています。

また、演出だけではなく、周囲を囲むボックスの強度も、展示において重要なポイントでした。
この展示は、3Dホログラムを実現させるため、太陽の塔のフィギュアをピラミッド型のアクリル板で囲い、その上にTVモニターを乗せるという構造になっています。
太陽の塔のフィギュアの全高は約50㎝。それらを囲うアクリル板を支える4本の支柱の上には55インチものモニターが乗るため、それに見合った大きさと重量に耐えられる頑丈さが設計に必要でした。
事故の防止はもちろん、モニターがぐらつくだけでも、映像が揺れて視覚的な立体感が失われてしまう可能性があるため、すべてにおいて“頑丈”な設計となるよう、こだわり抜いています。


本展示は、海洋堂ホビーランドの「THE KAIYODO」エリアでご覧いただけます。
正面からだけからではなく、さまざまな角度からご覧いただくと、さらに違った表情も楽しむことができます。ぜひお立ち寄りください。

●参考URL (外部リンク)
海洋堂ホビーランド 公式サイト
宮脇センム 紹介ページ 公式サイト
パーソルAVCテクノロジー 公式サイト

このページをシェアする
目次
閉じる