パーソルグループでは年に1回、グループ内表彰「PERSOL Group Awards」を実施しています。「PERSOL Group Awards」とは、グループビジョン「はたらいて、笑おう。」を象徴するパーソル社員とその仕事の成果に贈られる、グループで最も栄誉ある賞のこと。各SBU、およびユニットに貢献し、提供価値を創出した社員を表彰しています。
本連載では、2023年度の「PERSOL Group Awards」を受賞した社員のキャリアストーリーと、受賞の舞台裏をご紹介します。
第2回目は、パーソルテンプスタッフ株式会社の岡本 幸子です。
岡本が手掛けたのは、コロナワクチンの接種に関し、地方自治体とともに設計から現場運用まで行ったプロジェクト。複数の接種会場の運営と、事務センター業務、コールセンター業務を、合わせて1,700名のスタッフで対応しました。岡本はプロジェクトにおいて、全体を統括するPM(プロジェクトマネジャー)の役割を担っています。
自身も派遣スタッフとして、テンプスタッフの門をたたく
岡本とパーソルテンプスタッフの出会いは、岡本自身が派遣スタッフとして登録したことだったと彼女は振り返ります。
「もともとはほかの企業で、正社員として人事の仕事をしていました。当時は派遣というはたらき方はそこまでメジャーではなく、私自身も知らなくて。友人が派遣会社に登録したと聞いて興味を持ちました。友達が楽しそうにはたらいていた姿も見ていたし、自分も違うはたらき方でほかの業界を見てみたいという気持ちがあり、派遣会社に登録したんです」
他社派遣会社で派遣スタッフとして就業したあと、テンプスタッフにも登録をしましたが、結果的に社内の登録事務業務をメインに行う契約社員として採用され、その後、パーソルテンプスタッフ(現:パーソルテンプスタッフ)の新規事業立ち上げを機に、正社員にチャレンジしました。2000年のことです。
「ちょうど新卒派遣(※)事業が始まるということで、仕組みづくりに取り組んでいる時期でした。最初は『岡本さん、人事経験あるなら一緒にやってもらえるかな!』とお声掛けをいただいたところからだったかな。実際は自社の新卒・中途などの採用と新卒派遣は全然違うなと、やってから身にしみるんですけど(笑)。でもお声掛けをいただいて、本格的に腰を据えて取り組みたいと考え、正社員になりました」
(※)新卒派遣:新卒で企業へ就職するのではなく、派遣会社に登録し、派遣先企業で仕事をするはたらき方。派遣会社がビジネスマナーなども含め教育・育成を担う場合も。
新卒派遣事業の開始をきっかけに、正社員になった岡本。その後も次々と違う領域へのチャレンジを続けます。
「新卒派遣事業の仕組みづくりが一段落したら、今度はパーソルテンプスタッフ自社の採用を担当するように。当時は東京にしかコーポレート部門はなかったのですが、西日本にもコーポレート部門をつくるということで、関西エリアの人事担当になりました。関西で立ち上げたら、同じ仕事をスライドするように東海エリアも。新卒も、中途も、と徐々に担当領域を広げていきました。その次は、業務委託事業が立ち上がるということで、それにも携わることに。そこから現在までPM職。小規模なプロジェクトから中規模・大規模のプロジェクトなどさまざまな経験を積み、今は大規模プロジェクトでの全体を統括する立場を担っています」
どこへ行っても勉強、勉強。退屈しなくて、いいじゃないか
担当した事業や職種を聞くだけでも実に多彩。岡本自身は「営業やコーディネーターのようなテンプスタッフでのメインの仕事は意外と一度も経験してないんですよ」としつつ、「でも裏でサポートする仕事は、さまざまに経験してきました」と語ります。
「たとえば、先ほど挙げた自社の新卒・中途採用と、新卒派遣。過去の人事経験を活かせるのではと期待しましたが、実際は全然違う仕事なんですよね。新卒採用は自社ではたらく人を採用するのがメインの仕事だけれど、新卒派遣だと企業と新卒派遣スタッフの間に私がいて、フォローするのが仕事。間近で新人たちの成長を見られる楽しさもありますが、当時は板挟みになるしんどさも味わいました。これが業務委託の事業になると、フォローだけでなく自分が業務スタッフと一緒に業務の現場に入って取りまとめをする。トラブルが起これば一緒に対処するし、業務スタッフと近い距離で苦楽をともにする感覚がありました」
2000年の入社で、社歴の長い岡本。彼女が長く続けてこられた理由こそ、この多彩な仕事遍歴だったといいます。
「パーソルテンプスタッフの中でさまざまな仕事をしてきたんですけど、どの仕事にもお客さまがいる。だから『まだ慣れていないから……』みたいな言い訳はできないわけですよね。最初は知ったかぶりレベルからのスタート。でも必死で勉強して、お客さまに教えていただき、難なく会話できるくらいまでお客さまに追いついて、責任感を持ってやらないといけない。特に取りまとめをするような立場になっていくとよりそうですよね。業務指示をしたり、お客さまに無理なお願いごとをしたりすることもある。だから説得力を持って話せる知識と経験がなければ誰も聞いてくれない。だから常に頑張らないといけないし、でも私にとってそれってつらいことではないんです。むしろ、退屈しなくていいじゃないか。なんて思って、結構ポジティブ。だから頑張ってこられたのかもしれないですね」
ワンストップで運営する。だから信頼される
岡本が今回「PERSOL Group Awards」を受賞するに至ったのは、地方自治体におけるワクチン接種プロジェクトにおいて成功をおさめたから。自治体の市民の皆さんが安心してワクチンの接種ができるように、人員手配や配置、運営のオペレーション設計、大規模な事務センター・コールセンターなどの全体統括を行ったのです。岡本は、プロジェクトの始まりを、「とにかくまったく何もないところからの手探りでした」と振り返ります。
「皆さん、ワクチン接種が始まるとニュースで聞いたときの、当時の世の中の混乱ぶりを覚えていらっしゃるでしょうか。国でさえも方針を決められず、自治体側も手探りで、でも市民の皆さまは一日でも早いワクチン接種を希望されている。模索しながらですが、一刻も早く準備を進める必要がありました」
100万人を超える自治体でのワクチン接種プロジェクト。担当した自治体の接種会場は最大で16カ所。就業してもらった業務スタッフは1,700名にものぼり、パーソルテンプスタッフの中でも大きな売り上げを記録する大型プロジェクトになったと言います。そんなプロジェクトをPMとして統括した岡本。成功の秘訣を聞けば、「どんな小さなことも、絶対に自分がPMとして真ん中にいるようにした。人任せにはしなかった」と力強く答えます。
「多数の現場があり、バラバラに動くと混乱するだろうと思った。だからどんなことでも必ず私のところにいったん情報が集まるようにしました。私が一度把握してから、適切なところへ任せ、連携する形。ひたすら情報を集めては整理整頓し、各現場へ連携し続けるような仕事でしたね。忙しい時期は1日中ひっきりなしに電話が鳴って。1日の業務のうちほとんどは誰かと電話で話していましたね」
岡本自身は、このプロジェクトでどのようなことを感じたのでしょうか。
「この巨大なプロジェクトでは、全業務をとりまとめる一気通貫で担うことが大事だと思いましたね。今回、全体設計から現場運営までワンストップで全体をフォローすることができましたし、調整・連携もうまくいった。新しい案件をいただく際も、『パーソルさんに任せるなら安心だよね』というお言葉をいただくこともできました」
PMの「こういうときどうしよう?」に応える立場へ
今後の展望を岡本に聞きました。
「今回のプロジェクトで得たノウハウや知見をほかのところにも活かしていきたいですね。ワクチン接種以外の場面やほかの自治体業務でも活かせることがあるかもしれません」
岡本自身のキャリアについては、「まだいろいろ考え中、悩み中ですね」としながらも、「PMの経験を人に伝えたい」と次のように話しました。
「PMって、まだまだ社内に経験したことのある人が少ない仕事。『こういうときどうすればいいんだろう?』と悩むことも多く、そして頼れる人が周りに多くない仕事だと思うんです。そういうときに自分の経験を伝えたいと思うし、でも表立って指導すると言うよりは陰ながら支えられたら良いかなと考えています。教育する立場なのか、あるいは現場側に入ってサポートする立場になるのか、とかね。まだまだいろんな可能性があって迷うけれど、私なりにできることを見つけて、貢献していきたいです」
パーソルグループは、「“はたらくWell-being”創造カンパニー」として、2030年には「人の可能性を広げることで、100万人のより良い“はたらく機会”を創出する」ことを目指しています。
さまざまな事業・サービスを通じて、はたらく人々の多様なニーズに応え、可能性を広げることで、世界中の誰もが「はたらいて、笑おう。」を実感できる社会を創造します。