パーソルプロセス&テクノロジー株式会社は、昨年度に続き9月1日の「防災の日」に、東京都江東区立豊洲北小学校の6年生児童154人を対象に、災害現場におけるドローンの活用法を知ってもらうICT(※)特別授業「ドローンを活用した防災教室」を実施しました。
2023年は、関東大震災から100年の節目にあたります。そのため、まずは震災の被害状況や、防災の重要性、災害時におけるドローンの活用について紹介しました。さらに、授業ではドローンのデモンストレーションを行い、児童による操縦体験も実施。また、大型ドローンおよび関東大震災の資料を鑑賞してもらうなど、知識を深めてもらいました。
このように、本授業は「知る」「考える」「触れる」「体験する」というアプローチを通じて、児童に少しでも防災とドローンに興味を持ってもらえるような企画にしました。本記事では、授業の様子を詳しくご紹介します。
(※)ICTとは、「Information and Communication Technology」の略称で、「情報通信技術」を指す言葉。
授業の様子
朝9時、「おはようございます!」という元気な挨拶で授業がスタート!パーソルプロセス&テクノロジーの社員が講師となり、まずは「関東大震災」の被害状況、大震災のがれき処理を兼ねて埋め立てが行われた豊洲エリアの成り立ち、そして防災や災害対策、ドローンの特徴などを説明。その後「災害時のドローン活用について」考えたことを発表してもらう場面が設けられ、児童からは「上空から地上を確認できるため、大切な人や困っている人がいたら助けることができる」、「地震などが発生した時に水などを運ぶことができる」といった声が聞かれました。
その後、ドローンのデモンストレーション飛行や代表児童による操縦体験、大型ドローンや関東大震災の記録資料パネルなどの見学が実施されました。
授業が実施されたのは体育館。あらかじめ被災地を想定して、氾濫した川に見立てたマットやブルーシートを設置し、ドローンが撮影した映像は、体育館の壇上に設置された大きなスクリーンに映し出されるようになっています。
展示の見学では、ドローン操縦体験が行われている間、1クラスずつ順番に行われました。
ドローンのデモンストレーション飛行
災害が発生して教員が負傷したと想定し、中型ドローンを用いて教員に救援物資を運搬するというデモンストレーションを実施。氾濫した河川に見立てたブルーシートを超えて、包帯や絆創膏、薬などの医薬品の救援物資が教員のもとに到着すると、児童からは大きな歓声があがりました。
ドローンの操縦体験
操縦体験は、代表児童8人が講師のサポートのもとチャレンジ!デモンストレーションで使用したドローンよりも小型のドローンを使って行われました。ミッションは「河川に見立てたブルーシートの先にいる教員に質問を書いた紙を届け、回答を書いた紙をドローンにつけてもらい、それを回収する」というもの。ドローンのコントロールに苦戦するシーンもありましたが、8人ともミッションをクリア!児童からは、「ドローンが防災に役立つということがよく分かった」といった感想が聞かれました。
展示ドローンの見学
体育館の一角に、実際に物流などで活用される大型ドローン2機を展示。児童たちは目をキラキラさせながら、機体本体や操縦機に触れたり、社員にドローンについて質問したりと、熱心に学びを深めていました。
展示の関東大震災記録資料パネルを見学
関東大震災の惨禍と復興に関する資料を保存・展示する「東京都復興記念館」の資料提供により、当時の写真や絵画の画像をパネル展示。また、関東大震災のがれき処理もかねて埋め立てられた経緯がある豊洲エリアについて、その成り立ちが分かるパネルも用意され、児童たちは真剣な表情で展示パネルを熟視していました。
こうして、約45分の特別授業「ドローンを活用した防災教室」は終了しました。児童たちにとって、防災の重要性や災害対策におけるドローンの可能性への理解を深める有意義な時間になったようです。
児童の感想
(一部抜粋・編集)
ドローンは物資を輸送したり、被災した人を発見したり、さまざまな用途があってすごいと感じました。
もっと地震や防災について学びたいと思いました。
災害について学び、実際に災害が起きた時に家族と集合場所を決めておくことや、防災バックなどを準備するなど、備えておくことが大切だと感じました。
パーソルプロセス&テクノロジーは、地域貢献活動の一環として、2019年より「プログラミング授業」の実施や、全国の小学校に「プログラミング教育マニュアルの配布」を行うなど、子どもたちがテクノロジーを身近に体感できる機会の提供や教育現場へのICT教育支援を継続的に実施。また、パーソルプロセス&テクノロジーの「ドローン・MaaSソリューション事業」においては、ドローンを活用した災害ソリューションなど、ドローンの社会実装に向けてさまざまな取り組みを行っています。
「関東大震災から100年」の節目となる今年、ドローン防災教室の学習と体験を通じて、関東大震災の被害状況から考える防災の重要性や、防災におけるドローンの可能性を子どもたちに伝えることで、「テクノロジー×防災」への理解促進や興味喚起を深め、ドローンというテクノロジーの社会受容性を高めるきっかけになれたらと考えています。
*昨年度の防災教室の様子はこちら