ワーケーションはキャリア開発につながる!?沖縄でエンジニアのワーケーションを実施!

IT・ものづくりエンジニアの人材派遣サービスを提供するパーソルテクノロジースタッフ株式会社は、内閣府沖縄総合事務局が行う「Workcation Week Okinawa(※1)」にサポーター企業として参画し、2021年11月に派遣エンジニアのワーケーションを実施。期間中には地元エンジニアとの交流会も開催しました。

パーソルテクノロジースタッフは、エンジニアの幸福度(well-being)を高めたいという想いから2020年にワーケーション事業をスタート。2021年には宮崎県日向市主催の「ワーケーションオフィス調査事業」に参画して第一回目のエンジニアのワーケーションを実施(*)、“ワーケーションを通じた新たなはたらき方の創造”に取り組んでいます。今回は、沖縄市胡屋(通称:コザ)で5人の派遣エンジニアが2週間のワーケーション体験をしました。
(*)2020年の宮崎県日向市でのワーケーションの様子はこちら

本記事では、体験の様子のほか、プロジェクト担当マネジャー 仲地 加奈(パーソルテクノロジースタッフ)に聞いた、ワーケーションの現在地やメリット、今後の展望までをご紹介します。

体験の様子

ワーケーションの期間中リモートワークを行ったのは、沖縄本島の中部、嘉手納基地の近くにあるスタートアップを総合的に支援する施設「STARTUP LAB Lagoon(スタートアップラボラグーン)」の2階にあるシェアオフィス。
シェアオフィスは、Wi-Fi完備の上、1席に1台モニターが設置され、昇降式のデスクやミーティングスペース、個室もあり、仕事をするに申し分のない環境。参加者は思い思いに利用し、快適に平日の業務を遂行しました。

また、11月26日には「Startup Lab Lagoon」と共同で地元エンジニアとの交流を目的とした、トークイベントを開催。パーソルテクノロジースタッフからもワーケーションに参加したうち、エンジニア歴20年以上の桜井と大関のほか、清水とタオも登壇し、それぞれが大切にするキャリア観やワーケーションで感じたことを語りました。
また、イベント後には懇親会も行われ、より深いコミュニケーションがとられていました。

トークイベントでモデレーター(右)の質問に答えるパーソルテクノロジースタッフのエンジニアたち。左から、タオ、清水、桜井、大関

参加者は、オフの時間や休みの日には観光を楽しんだり趣味のダイビングを楽しみながらも、単なる旅行では生まれにくい新しい出会いを得、充実した時間を過ごしました。

プロジェクト担当者に聞きました! ~“ワーケーション”の変化とメリット、展望まで~

ワーケーションをした施設「STARTUP LAB Lagoon」のスタッフの方と一緒に。右が仲地
目次

ワーケーションはキャリアを考えるきっかけになる⁉

――昨年、宮崎県日向市で第一回目のワーケーションを行ってから約1年が経ちました。ワーケーションにおいて、何か変化を感じていることはありますか?

仲地ワーケーションの認知度は確実に上がっています。個人がワーケーションに参加するには、就業先の企業の許可が必要です。パーソルテクノロジースタッフは、企業さまと派遣スタッフのマッチングやマネジメントをしているので、個人がワーケーションに参加したいと手を挙げたら私たちが企業に交渉を行うのですが、去年企業からよくいただいていた「ワーケーションって何?」といった質問はほぼなくなりました。また、「ワーケーションと言われても、まだリモートワークすら始めたばかりでそのリスクの洗い出しもできていないから……」という声もほとんど聞きません。これはコロナ禍で多様なはたらき方が一気に加速し、企業がそれぞれに検討されてきたからだと思いますね。

――今回のワーケーションの目的を教えてください

仲地“エンジニアのwell-beingを高めるため”というのがワーケーションを行うベースの目的ですが、今回はそれに加えて、「ワーケーションがキャリア開発につながるかもしれない」という仮説を検証することを目的としていました。

――仮説を立てたということは、その前に何か事象が?

仲地はい。昨年実施した日向市でのワーケーションのあと、参加したエンジニアが皆、キャリアを磨くのにとても意欲的になったという話を各所からもらったんです。週一回自ら主宰して勉強会を開催したり、仕事の幅を広げたいと異なる領域へ異動を申し出て、部署異動をしたケースも。それで今回は、キャリア開発を目的にしたワーケーションをやってみよう、ということになったんです。

――皆さんの心をそんなに前向きにさせたのは、なんだと思われますか?

仲地一言でいうなら、ほかのエンジニアとのつながりと非日常の環境だと思います。普段接することのないエンジニアとつながって仕事内容やキャリア観を聞くことは、とても新鮮で学びが多いようです。また、非日常の環境で、普段より自分時間をつくりやすい。キャリアについて考える時間を多く持てる環境に身を置いていることも大きな要因に感じます。

そこで今回は、リモートワークを行う場所も、“つながれる”を意識しながら選びました。「Startup Lab Lagoon」はプログラミング教室などを開催していて、その卒業生や沖縄県内の企業で活躍するエンジニアが多く集まる場所。また、期間中には共同で、「エンジニアの多様なキャリアパス」をテーマにしたトークイベントも開催しました。

――「ワーケーションはキャリア開発につながるか」の検証結果はいかがでしたか?

仲地:「キャリアに対する意識の変化はありましたか?」という事後アンケートでは、参加した5人全員が「あった」と回答。「周囲の人のはたらき方を知り、自分のやりたいことは何かを考えるようになった」「さまざまな人とキャリアやはたらくに関する話ができて勉強になった」「仕事への意欲が高まった」といったことや、「プライベートの時間を充実させることで仕事にも意欲的になれることが分かった」というコメントもあり、今回のワーケーションも個人がキャリアを考えるのに良いきっかけになったと言えると思います。でも、まだまだ検証している人数が少ないので、今後も検証は必要だと思っていますし、続けていくつもりです。

ワーケーションは、個人だけでなく企業にもメリットあり!

――ほか、ワーケーションがもたらす良い影響はありますか?

仲地「生産性が上がった」という声は多いですね。仕事への意欲が上がれば、おのずとそうなるのかもしれませんが、ワーケーション中は、仕事を早く終えて現地のおいしいものを食べに行ったり、観光をしたいという心理が一つの要因になっているようでした(笑)。

それに、ワーケーションに送りだしてくれた就業先への感謝の気持ちが生まれ、エンゲージメントが高まるようです。「今回参加をすることを許可してくれた就業先にすごく感謝しています」「就業意識や帰属意識が高まりました!」というコメントもありました。
また、ワーケーションが可能か否かで、社風が垣間見えるという声も。「セキュリティの関係でワーケーションはどうしてもできないという企業もあるかもしれませんが、OKの企業は、はたらき方に対して柔軟性が高いという印象を受けます」と……。

――個人にだけでなく、ワーケーションを取り入れることは、企業にとってもメリットがあるんですね。

仲地そうなんです!ワーケーションに個人を送りだすことで、個人の生産性は上がり、企業への貢献度もエンゲージメントも高まる。それが今、だんだん分かってきたところです。

――地域にとっても、魅力をアピールできるいい機会ですよね。

仲地どの地域も、関係人口を増やして地域の活性化を図り、二拠点居住や移住への導線をつくりたいという想いを抱えている中、ワーケーションに積極的に取り組む自治体がぐっと増えているように感じています。リモートワークが定着し、誘致しやすくなったことも関係しているように思いますね。

ワーケーション事業は、エンジニア個人のwell-being向上のために始めた取り組みですが、企業にもメリットがあるし、地方の活性化にもつながる、――まさに「個人」「企業」「地域」と“三方良し”の取り組みだな、と感じています。

交流をできるだけ楽しもう!それが多くの学びを得る秘訣

――ワーケーションに参加した個人が、多くの学びを得るための心得はありますか?

仲地これまでの結果から考えると、普段関わらない人との交流を大切にしていただくのが一番かな、と思いますね。ワーケーションを実施する際は、現地に入って最初に1回、必ず交流会を設けていますので、そこでコミュニケーションをとるきっかけを掴んでいただければと。また、非日常の地域に来て、非日常の空間で仕事をしているので、自然と会話が生まれてくるようです。できるだけ、そうした交流を楽しんでもらえると、仕事関係の話をはじめ、さまざまな話を聞けるので学びになると思います。

――ほかに印象に残っていることはありますか?

仲地コロナ禍で完全にリモートワークにシフトして在宅勤務をされている方なんですが、沖縄にくるまでずっと不眠症のような症状に悩んでいたそうです。体を疲れさせれば眠れるのではないかとそれまでも散歩をしたそうですが効果なし。ところが、沖縄にワーケーションに来たら眠れるようになった、と。ご本人も驚いていましたね。なぜ眠れるようになったのか詳しくは分かりませんが、環境が変わることで心身のリフレッシュになったのかもしれません。心身の健康の一役も買う、これは意外なワーケーション効果でした!

――最後に今後の意気込みを聞かせてください。

仲地ワーケーションというと、自由なフリーランスの人のはたらき方というイメージを持っている人が多いかもしれません。でも、実は社員や派遣スタッフの方でも可能。そのことをパーソルが間に入って、さまざまな地域でワーケーションを実施しながら推進していきたいと思っています。
また、ワーケーションが個人のwell-beingの向上や、エンゲージメントを高めるのに有効であることをしっかり定量化して広め、いつか、「わが社のスタッフをワーケーションに参加させてほしい」と企業から依頼されるまでになれたらうれしいですね。そこを一つのゴールに頑張っていきます。

休みの日は青い海を見て非日常を満喫。写真は仲地が撮影

(※1)「Workcation Week Okinawa」は、「“地域にない人材(法人・個人)”と“地域のコミュニティ”が、新しい関係をつくるきっかけ」づくりとして、ワーケーションに関わる事業・イベント・キャンペーン等を集約し、沖縄で新しいはたらき方・新しい生き方の環境を提供する内閣府沖縄総合事務局の事業です。

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