世界中で「はたらいて、笑おう。」の実現度を測る!CEO和田孝雄が語る、調査の狙いと展望

パーソルホールディングス株式会社は、公益財団法人Well-being for Planet Earthと共同で、グループビジョンである「はたらいて、笑おう。」を一人ひとりが実現できる社会に向け、世界最大の世論調査であるGallup World Pollを通じ、2020年2月から2021年3月にかけて世界116カ国・地域を対象に「はたらいて、笑おう。」の実現度を測る調査を実施しました。

調査の概要・結果の詳細はこちらからご確認ください。

なぜこのような調査を行い、どのような示唆が得られたのか──、背景から今後の活動まで、パーソルホールディングス 代表取締役社長 CEOの和田 孝雄に聞きました。

――「はたらいて、笑おう。」の状態を全世界で測定した本調査ですが、取り組みの背景を教えてください。

パーソルは、2019年10月に新たなグループビジョン「はたらいて、笑おう。」を策定しました。日本にとどまらず、すべてのはたらく個人一人ひとりに徹底的に寄り添い、長い人生での良い在り方(Well-being)を描ける社会を、世界中で実現していきたいと考えています。

このビジョンを現実的なものにするためには、そもそも「どのくらい、人々がはたらいて笑っているのか」を知る必要があると考えました。どのように実態を知ることができるのか思いを巡らせていたとき、Well-being研究の第一人者である石川 善樹さんとの出会いから、世界最大の世論調査であるGallup World Poll(※)を実施しているアメリカのGallup社とのご縁があり、本調査の企画・実施に至りました。

パーソルが現在事業展開している地域だけでなく世界中で「はたらいて、笑おう。」を実現したいという想いを持っていましたので、世界規模での調査ができるという点においても、非常にありがたい機会をいただいたと考えています。

(※)米国Gallup社が2005年より毎年実施している世界最大の世論調査。15歳以上を対象に1カ国あたり約1,000人に調査が行われており、世界人口の99%を代表する約150カ国・地域で実施されている(2020年は新型コロナウイルス影響により116カ国・地域で実施)。対面または電話で聴取。

――具体的には、どのような調査を行ったのでしょうか。

Well-being for Planet Earth 財団とともにGallup World Pollに参画し、「はたらいて、笑おう。」に関する3問を聴取しました。具体的には、次の設問です。

この3問は、石川さんとも議論を進めて策定しました。
「はたらいて、笑おう。」を実現するには、多様な選択肢から自律的にキャリアを選択することが重要だと考えており、Q3でその点を聴取しています。また、「はたらいて、笑おう。」について自身の状態を主観的にどう捉えているのか、Q1・Q2でそれぞれ「体験」・「評価」として質問しました。

――調査の結果を教えてください。

日本での順位は、次のような結果となりました。

全世界の結果は、特設サイトからご確認いただけますので、ぜひご覧ください。

あくまで今回は1回目の調査です。この結果単体で見て順位が高い・低いと考えるのではなく、今後長期的にどう推移していくのかを見ていき、どんな取り組みで“「はい」と回答する人”の割合を高めていけるのか、明らかにしていく予定です。

――調査から、どのような示唆が得られましたか?

Gallup World Pollでは上記3問のほかにもさまざまな設問があります。その中の、どれだけ仕事に主体的に取り組んでいるかを表す「ワークエンゲージメント」に関する設問と、この3問の結果の相関が高いことが分かりました。これは、ワークエンゲージメントの向上が、生産性向上や退職抑制といった会社視点での利益だけではなく、仕事の楽しさややりがいといったその人が感じる主観的な豊かさ、すなわち、個人のはたらく上でのWell-beingを高めることを示唆します。

また、仕事やはたらき方やの選択肢があることは、未来への期待と相関が高い(※)ことも分かりました。パーソルグループとしては、いろいろなサービスを通じてはたらく選択肢を増やすことで、より多くの人に、自分の未来への期待を持っていただきたいと考えています。

(※)「自分の今の生活を0点から10点で自己評価した時にどの段階にあるか」を答える個人のWell-being実感に関する設問には、現在について問う「あなたは、今現在、はしごのどの段に立っていると感じていますか?」という質問と、未来の期待について問う「あなたの想像では、5年後にはどの段に立っていると思いますか?」という2つの質問がある。この未来への期待の結果と、Q3(「自分の仕事や働き方は、多くの選択肢の中から、あなたが選べる状態ですか?」)との結果に相関がみられた。

――調査に関連して、今後何か予定している活動はありますか。

パーソルグループとしては、この3問がはたらく領域のWell-beingにおける世界共通の「ものさし」となることを目指していきます。そのために、社会・お客さま・社員に対して継続的な調査を実施します。このうち「社会」に対しては、今回聴取した3問を、ぜひ企業のES調査(※)に盛り込んでいただきたいと考えており、賛同企業を増やす活動をすでに行っています。お互いの取り組みを共有し合うことで、どうすればはたらくWell-beingにつながるのか一緒に考え、施策を推進していきたいと考えています。

また、世界各地の研究者・技術者・国際機関の関係者をはじめ、賛同する企業とともに「最先端の学びの実践」「アジェンダセッティング」「メディア発信」の3つを軸に具体的な提言と啓蒙を行う「Well-being Initiative」にも参画しています。共通する思いを持った企業が集まっているので、この枠組みも生かしながら、多くの人を巻き込んで新しい潮流をつくっていきたいと思っています。ぜひ今後の取り組みにご注目ください。

(※)Employee Satisfaction Survey(従業員満足度調査)の略。

――最後に、和田さんの今後の意気込みを教えてください。

私たちパーソルグループの原点は、女性がはたらいて活躍する機会がなかった時代に、創業者である篠原 欣子がその場をつくったことです。「機会がない」ということがすべての発端であり、今も、その機会をつくるということが重要だと捉えています。
今後も、一人ひとりの多様なはたらき方や価値観に寄り添いながら、人々が自分のはたらき方を自分で決め、豊かな人生を送ることができる社会を目指していきたいと思います。

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