東アジア4カ国・地域の「はたらく」現状と、人と組織のネクストアクションをひも解くwebセミナーを開催

新型コロナウイルス(以下、コロナ)の感染拡大の影響を受けて、世界中で私たちの生活様式やはたらき方が急速に変化しています。
この状況を乗り越えるため、またアフターコロナを見据えて、いま何ができるのか。パーソルグループでは、そのような今後のはたらき方について考えるオンラインセミナーを開催しています。

今回は、その中から、5月15日に開催されたセミナー「東アジアにおけるCOVID-19実態調査レポートと『DXとWithCOVID-19』が導く人と組織の新常識」のレポートをお届けします。

目次

セミナー内容

●第一部

アジア市場にてHRサービスを展開するPERSOLKELLY PTE. LTD.は、一足早く感染拡大が落ち着きつつある東アジア各国・地域での調査結果をレポートにまとめています。
まず、5月初旬に行った東アジア4カ国・地域(中国、香港、韓国、台湾)の実態調査(回答企業623社)報告がされ、その後、中国、香港、台湾より、それぞれの担当者が現在の動向を説明しました。

オフィス勤務に戻る企業が増加。
7割に近い企業が今年中に業績回復の見通し

この日のファシリテーターは、PERSOLKELLY PTE. LTD. Regional Senior Sales Advisorで、東アジア4カ国・地域の実態調査の総括を行った、土肥 まゆみ。3月と感染状況が落ち着きつつある5月初旬の比較も含めて報告をしました。

5月初旬には感染拡大が落ち着き、オフィス勤務に回帰している企業が増加していることや、7割近い企業が今年度中の業績回復見通しであると回答した一方で、3割は「正常回復まで見通しが立たない」と回答したことを紹介しました。また、採用面接の手法においては、中国では対面式に回帰している一方、台湾では3月に比べて非対面での面接が微小ながら増加していることなども報告しました。

現地報告では、各国の政府から発令された主な措置や通達のほか、各業態の景況感や生活状況などについて、下記3名から話をしました。

左)Intelligence中国 Managing Consultant 小林 学人/中国より
中央)PERSOLKELLY Consulting Consultant 白 雪/香港より
右)PERSOL TAIWAN Vice General Manager 渡辺 真美/台湾より

●第二部

コロナの影響が続き、DX(デジタルトランスフォーメーション)が注目されるいま、組織や人はどのような点に留意すべきかをPERSOLKELLY Consulting ジャパンデスク アジアパシフィック ディレクター 木下 毅が語りました。スピーチから一部を抜粋・編集してご紹介します。

メガトレンドの変化は加速度的に速まっている!

技術的進歩、経済のアジアシフト、社会的変化、都市化、温暖化はメガトレンド(社会に大きな課題を投げる潮流)として、すでに変化の流れとしてあったものですが、コロナをきっかけに加速度的に変化が速まっています。そして、Withコロナのいま、DXは一気に進みました。医療分野では、海外では比較的当たり前に行われている遠隔医療などが浸透していくのではないかと思います。

これまでのBCPではもう古い⁉
既存の延長ではなく、まったく新しいBCPが必要に!

コロナの影響で混沌とした時期が続く中、BCP(企業が自然災害、大火災、テロ攻撃など、危機的状況下に置かれた場合でも、中核となる事業の継続や復旧を図るための計画)を回したという企業さまが多くいらっしゃいます。しかし、そのBCPは、リーマンショックや東日本大震災など、ある程度限定的な世界観を前提にしたものであり、今回のようなグローバルで誰もが被害者になってしまうような事象に対してのBCPはつくられていないように思います。いまこそ、戦略を見直し、新しい戦略を考えていくフェーズにきています。
戦略も能力も、これまでの延長線のものではなく、まったく違った戦略へと舵をきることが必要だと感じています。それは難易度がとても高いことですが、これこそが生き残る道であると考えます。

新BCP(新常態)下ではPDCAよりDDCA!
求められるのは、ユニークな発想ができる人

これまではPDCA(Plan→Do→Check→Action)を高速で回すことで業務を継続的に改善し、成長してきましたが、今後は、DDCAというサイクルの中で、トライ&エラーを繰り返すことが重要になると思っています。そのため、ユニークな発想ができる人が必要なのだと思います。柔軟性と俊敏性を持ち、かつ想像力を生かしながら、自分たちの事業をつくれる人が求められると考えます。そうした前提で考えたとき、人材の基本スキルの確認やアップデート、見直しも必要になってくると思います。

新BCP下で求められるのは、今まで以上に個人に着目した経営

先の見えない中で、従業員にコミットしてもらうためには、“はら落ち”をしてもらうことが大切です。重要なのは、数字ではなく、言葉を選びながら強い言葉でチームをリードできるような情報共有をしていくこと。「我々はこうした状況にあり、こういう経営を目指す」という方向性をリーダーが示すことです。
そのためにも人事のアップデートが必要です。ビジネスが成功している企業の特徴の一つに、優秀な人事の方がおられるというのがあります。半歩先を見通し、施策を提言して進めていく。そうした戦略的人事という位置付けの方が求められています。
また、内発的動機に基づく仕組みづくりも重要です。従業員に寄り添うように仕組みを再整備しながら、さらにモチベーションに繋がる施策を打っていくことが、これから先は必要だと思います。

このあと質疑応答が行われ、セミナーは大盛況のうちに幕を閉じました。

※セミナーは、こちらからもご覧いただけます。

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