経費書類のペーパーレス化で、障害者雇用を拡大!「第13回 JIIMA ベストプラクティス賞」を受賞

月45,000件もの経費書類をペーパーレス化!業務効率化と同時に、障害者雇用の創出に成功。

パーソルホールディングス株式会社の「経費書類のペーパーレス化と障害者雇用の拡大」に関する取り組みが、「第13回 JIIMA ベストプラクティス賞」を受賞しました。10月9日、東京ビッグサイトにおいて開催された表彰式に、プロジェクト担当の中山 龍太郎が出席。本取り組みのプレゼンテーションも実施しました。

目次

プレゼンテーションの様子

●登壇者
パーソルホールディングス株式会社
グループ財務部 プロジェクト推進室 中山 龍太郎

●講演内容(一部抜粋)
パーソルグループ拡大に伴う各社の会計分野において情報基盤の整備、および事業面のシナジー創出を推進するため、2016年4月よりグループ共通の経営情報基盤を導入するプロジェクトを開始。パーソルグループとしてのルール統一に成功しました。

そして、より一層のシナジー創出を目指し、さらなる経理業務の効率化、障害者雇用促進を目指して取り組みました。

<システム導入の背景>

・紙保存をしていた証憑類を電子保存することにより、データ管理を容易にし、業務改善の実現・ガバナンス強化
1、紙ベースで保存をしていたため、すぐに対象の証憑を探すことができなかった。
2、内部監査では、会計データを頼りに大量の紙の中から対象証憑のチェックを行っていたため非効率だった。
3、経理が紙の申請書をチェックしていた。すべて目検だったため、ヒューマンエラーも多かった。

・業務標準化を通じて、経理業務の一部と電子帳簿保存法の対応
1、やり方が各社バラバラで、属人化しやすく経理側の工数が膨大だった。
2、汎用性がなく、システム統制が取れていなかった。
3、単純作業と専門性の高い業務が一緒になっており、適材適所に人を配置できなかった。

・パーソルチャレンジ(パーソルグループの特例子会社)の障害のある社員にアウトソースすること
1、単純作業と専門性の高い業務が一緒になっており、経理が専門性の高い仕事に時間を割くことができていなかった。
2、各社似たような仕事があるのに、それぞれの経理担当が行い効率が悪かった。
3、グループとして障害のある社員の活躍できる場を増やしたかった。

<ペーパーレス化と障害者雇用促進>

まず、電子帳簿保存及び業務の標準化として臨んだのは、請求書支払処理及び社員の立替精算とその際に発生する領収書や請求書の保存です。
この業務・帳票範囲は、データのチェックや文書を保存するなど、定型化・ルール化が比較的しやすい領域であり、きちんと業務仕訳をすることで障害者・健常者で役割分担をして進められる領域と想定。
また、全グループ会社の請求書・立替精算業務を統合したことにより、月45,000件もあった一か所に集まる紙の、ペーパーレス化を叶えました。

<システム選定>

次に、システム選定をするにあたっては、コスト、機能充足度、効果の3点で比較しています。
特に機能の充足度については重要であり、必要なシステム機能をまとめました。重要視したのは、PDF化する際に、複数の書類を会計システムで申請された単位でPDF化し、申請データと帳票の紐づけができる点です。
これはシステム相関図の制作をして、会計システムから出力される情報とスキャニングされた情報を1つにまとめ、保存。そして、その保存データを簡単に検索して閲覧可能にしました。GIT、財務、パーソルチャレンジが一緒に選定を行いました。

<業務フローの構築>

そして最大のチャレンジは、いままでやっていなかったスキャニング業務をどうやって障害者の方々にやってもらうのか、その運用フローを考えることでした。今回は受託サービス事業、人材紹介事業、雇用支援事業の3つの事業を展開しており、グループ各社の事務系業務を受託している受託サービス事業である「パーソルチャレンジ」に委託しました。

たとえば、経理承認の中でも、申請書データと原本の相違チェックや原本到着確認など比較的ルール化しやすいものは障害者の方、経理専門知識が必要な勘定科目の確認、源泉税のチェックなどは健常者と役割分担をして業務プロセスを構築しました。

現場からの申請書の提出をすべてパーソルチャレンジへ集約させることにより、申請の承認からe文書化のスキャニングまでスムーズに行える体制を整えました。
申請期限を厳格化して、毎月のスキャニングスケジュールを立て、計画的にスキャニングをこなすことで、障害者の方々にも無理なく承認、スキャニング作業を行っていただくことができるようになりました。

<障害者雇用の成功>

結果、従来7年間以上の保存が必要だった書類(年間約200箱)のペーパーレス化を実現。
またパーソルチャレンジでは、東京・大阪で年間15名の障害者雇用を創出することに成功しました。
今後も、グループ各社のペーパーレス化をさらに加速させるとともに、さらなる障害者雇用の創出を目指していく予定です。

各社の経理業務フローの見直しやルール策定、業務の標準化など、プロジェクトを進めるうえでは、予想していなかったさまざまな課題に直画しました。結果として、直面している労働・雇用の課題に対して、プロジェクトメンバーや関係者の前向きな姿勢、惜しみない努力と協力があり、成し遂げることができたと思っています。
まさに、グループビジョンである、『はたらいて、笑おう。』を体現したプロジェクトだったと実感しています。これからもすべての「はたらく」が、笑顔に繋がる社会を目指して、取り組んでいきたいと思います。

JIIMA ベストプラクティス賞とは

日本文書情報マネジメント協会(略称:JIIMA、理事長:勝丸泰志)は、60年にわたり文書情報マネジメントの普及啓発に努めている国内唯一の公認団体です(主管は、経済産業省製造産業局 産業機械課)。マイクロフィルムの普及からスタートした活動は時代の変遷とともに変化し、現在では「安心で社会生産性の高い電子文書情報社会の構築」を目指して、文書情報マネジメントを普及啓発する公益活動を続けております。その一環として 2007年(平成19年)より先進的な文書情報マネジメントシステムを導入し、顕著な成果を出した企業・団体に対して『ベストプラクティス賞』を設け表彰しております。

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