誠お兄さん×パーソルの親子ワークショップから見えた「個性を彩り育む未来」と互いの大共感

パーソルグループは、将来世代を重要なステークホルダーと位置づけ、対話を強化する「FR(Future Generations Relations)活動」を推進しています。その一環として、パーソルホールディングスは5月2日~3日に「ゴールデンウィーク おやこワークショップ ~みんなの個性を名刺にして交換してみよう!~」(主催:coseiro)をパーソルキャリア株式会社本社にて開催しました。この日は「第12代体操のお兄さん」として親しまれている誠お兄さんこと福尾 誠さんとコラボレーション。子どもたちがはたらくことや社会とのつながりを考えるきっかけを育みました。オリジナルの名刺を作成し名刺交換を楽しむ会場は、終始あたたかい笑顔でいっぱいに。本記事では、大盛況となった全6回のワークショップの後に実施した、誠お兄さんとパーソルホールディングス FR推進室の馬場 瑞紀による対談をお届けします。ワークショップに込めた想いや、子どもたちの未来の可能性についてじっくり語り合いました。

プロフィール
福尾 誠(ふくお まこと)
1992年1月11日生まれ 東京都出身。
幼少期から体操競技を始め、大学卒業まで選手として活躍。順天堂大学 大学院スポーツ健康科学研究科 博士課程を修了し、博士号を取得。2019年4月より、NHK Eテレ「おかあさんといっしょ」第12代体操のお兄さんとして4年間活動。現在は、全国のステージや講演会に出演。自身が代表を務める「coseiro」では、こどもたちに向けた“こせいを彩る体験プログラム”を考案している。

馬場 瑞紀(ばば みずき)
新卒から一貫して人事を担当、これまでに金融、IT、人材業界を経験。2019年4月パーソルクロステクノロジー株式会社入社、人材育成・組織開発からダイバーシティなどを担当。その後、パーソルキャリアへ転籍。2025年4月パーソルホールディングスへ事業移管に伴い転籍。現在は、日本全国の小中高等学校でのワークショップの実施と社会人向けにもキャリア研修を実施。Well-beingやアンコンシャスバイアスなどの知見を活かし、幅広い年代のキャリア支援を行う。

目次

誠お兄さんもワクワクが止まらない!
子どもたちが夢中で自分を表現した90分間

馬場2日間おつかれさまでした。無事に終えることができて、今ものすごい達成感でいっぱいです。お互いに「本当に楽しかったですね!」と言葉が止まらないくらいですが、まずはワークショップの率直なご感想をお聞かせください。

福尾さん:本当に楽しい時間でした。この時間がずっと続けばいいのに、とずっと思っていたくらいです。

馬場わあ、うれしいです。初回のワークショップが終わった瞬間から「ああ楽しい、いい時間だ」と噛み締めてくださっていましたよね。その想いは私たちスタッフも同じです。参加してくれたお友だちや保護者の中には、誠お兄さんの体操やアクロバットなどを期待していた人もいたかもしれませんが(笑)。それがなくても、深い「対話」や「伝えたい」というチャレンジが詰まった時間になりました。

当日のワークの様子

福尾さん:僕自身、普段は体を動かすイベントが多いので、座って取り組むというワークができたのは貴重な経験になりました。しかも今回の参加者の多くは未就学児でしたよね。

馬場最年少が3歳でした。

福尾さん:特に未就学児は長時間の座学形式だと、集中力を持続させることが難しい場合も多いので、今回のような90分のワークはハードルが高いかもしれないという不安もありました。でも実際にやってみると、みんなが夢中になっている姿を見ることができて、胸が熱くなりました。

馬場本当に集中していましたね!私たちについて少しお話しますと「FR(Future Generations Relations)推進室」という部署を2025年4月に立ち上げたばかりで、これまでは長く小中学生向けのワークショップを中心に行ってきました。未就学児に向けたイベントは、昨年度私たちにとっても大きなチャレンジだったんです。

福尾さん:参加者の皆さんも、僕やスタッフのみんなと対話をしていくことは大切にしつつ、それ以外の時間は親子でのコミュニケーションをしっかり取られていました。夢中になっているときには僕がいてもおかまいなしという状況もありましたし(笑)。それだけワークに集中しているというのは、プログラムが素晴らしいからだと思います。

馬場福尾さんが「これでいい、この姿がいいんだよね」とおっしゃってくださって。創出したい「場」に対する福尾さんの姿勢が印象的でした。

「心の跳躍力」を育てるために。
誠お兄さんがたどり着いた「個性を彩る」重要性

馬場今回、ご一緒することになったきっかけは、福尾さんが私たちの取り組みを見つけてくださったことでした(こちら)。

福尾さん:僕個人で子どもたちに提供できるものは限られていて、求められていることも「体を動かして遊ぶこと」が中心です。他の方々と手を取り合うことで、アプローチできる子どもたちの幅や、届けられる体験・経験の幅が広がると思っていて、普段からリサーチしています。親子ワークショップを見つけたときは「とんでもないことをやっているぞ」と興奮しました。名刺をつくって交換し、「はたらくって楽しい」というメッセージを子どものうちに体験する。その企画を見た瞬間、「ご一緒したい!」と思いました。

馬場ご連絡をいただいた時は本当に驚きました。「届けたい想いを持ちながら続けていけば、誰かに届くんだ」という奇跡を感じた瞬間でもあります。福尾さんはご自身で「あそび×スポーツ×デザイン」を軸にした「coseiro(こせいろ)」という会社を立ち上げられています。「個性、人それぞれ違っていいんだよ」ということにポイントを置かれていますよね。それを伝えたいと思ったタイミングはいつでしたか。

福尾さん:僕自身が子どものころから、遊びの延長で楽しんでいた体操に「順位」をつけられるという経験をしたことがきっかけだったように思います。

馬場たしかに、純粋な楽しさが「競争」にすり替わってしまうと、つらくなる子もいますよね。

福尾さん:はい。僕はその後、結果的に、「順位がつく面白さ」を知って、オリンピックを目指すことになるのですが、はじめはすごく違和感がありました。誰もが競技者としてのプロを目指すわけではなく、結果の先にある未来は人それぞれ。選手をサポートする道を選ぶ人、用具をつくる道を極める人、自分が競技を離れても、選手を応援する人。どれも素晴らしい選択です。だからこそ、人それぞれ違っていいということを子どもたちに伝えたいと思いました。
それから大人になって大学で教鞭を執りながら、同時に子どもたち向けの体操教室もしていたことがあります。そのとき、子どもたちにあえて大人向けの深い内容を伝えてみたことがあるんです。すると子どもたちは驚くほど理解し、吸収していきました。その姿を見て、ワクワクする心があれば子どもたちの可能性はどこまでも広がり、伸びていくと確信しました。そのころから、子どもたちの「個性を彩っていく」ことが僕がすべきことだと思うようになりました。
「個性を彩る」とは、心と体の跳躍力を育てることと定義しています。ここでいう“跳躍力”というのは、未来へとびだすエネルギーのこと。子どもたちが、自分自身で夢や目標に向かって行くための自信や、折れない心といった脳のOS(基盤)をつくりたいと常々思いながら活動をしています。脳のOSに着目したのは神経系の約9割が6歳までに完成すると言われているからです。この時期に否定され続けると、大人になってから肯定感を持とうとしても、とてもハードルが高い。早い段階で「違っていていい」と自信を持つことで、将来の選択肢は広がります。だからこそ、脳の成長を意識しながらプロブラムを制作し、子どもたちをサポートできるよう僕自身も自分に何ができるのか、日々勉強をし続けています。

馬場大共感です。私たちが取り組んでいるプログラム「“はたらく”を考えるワークショップ」も、単なる職業選択の知識ではなく、その前段階にある「自分はどうありたいか」「自分の生き方を自分で選ぶ力」を育むことを何より重視しています。私たちの対象年齢は、ちょっと大きめの学年になりますが、福尾さんが触れ合った子どもたちのバトンを引き継いで、自分に自信を持って、自分のありたい未来を作れる人が増えたら、幸せな未来が見えるようになるのかな、と思います。

福尾さん:これからも一緒にできることはたくさんありそうですよね。ただ、ここで伝えたいことは何もかも比較しなければいい、ということではありません。僕が比較しなくていいと思っていることはあくまで「個性」ということです。
昨今、運動会などで順位はつけないという考え方もあると思いますが、目標設定をするためには順位をつけることも非常に重要なことだと思っています。順位というのは、どうやって目標設定をするのか?そもそも「目標がない」といったことに対する一つの指標になると思うので、子どものうちからその経験を奪ってしまうことは、大人になって社会に出た時に大きな壁にぶつかってしまい、心が折れてしまう可能性につながると考えています。
自信や折れない心をつくるためにも、何もかも比較しないということではなく、子どもたちの「個性」を尊重していくことを大事にしていきます。

大人が決めた「正解」で可能性を狭めない。
親子で「一人の人格」にフォーカスする時間

福尾さん:子どもは新しい経験に対して、自ら「問い」を立てます。それに対して、大人が自分の経験則で「正解・不正解」を即答してしまうのはもったいない。まずは子どもが導き出した答えを「面白いね」と受け止め、対話を広げることが大切です。だからと言って、「何でも個性的だからOK」とするわけではありません。社会や学校のルールは守るべきもの。それ以外の領域で大人が勝手に決めた「正解」を押し付けて、子どもの芽を否定してほしくないなと思います。

馬場ルールは誰もが心地よく過ごすための土台ですから、まずはそれを正しく理解し、守れる大人になることが前提ですよね。

福尾さん:ワークや運動、教育もそうですが、もっと大きな部分で言うと「子育て」も同じではないかと考えています。子育ては誰がやっても大変なのに、「この子育ては失敗だった」とか「こうするべきだ」という声を耳にすることが多い。でも、子育てに一つの正解があったら、この世の中から選択肢は消え、今あるさまざまな優しさも工夫も生まれていない、そんな世界になってしまうのではないかと思います。みんな違って、特別で、それが集まった社会です。そこを尊重することはすごく大事だと思います。

馬場私も親ですのでよくわかります。いろいろな情報が入ってきちゃうと、「親としてこうあるべき」「できないと私はダメな親なのかな」と日々、葛藤があります。今日のワークショップも子どもたちだけじゃなくて、一緒に来てくれた保護者の皆さんも主人公として、いつもはできない対話をしたり、「ひとりの人格」にフォーカスする時間になるといいなと思っていました。

福尾さん:家で遊んでいる姿、幼稚園や保育園、学校に行っている姿はそれぞれ別だと思いますし、今日のようにご家族でコミュニケーションを取りながらワークを進める姿もいつもとはきっと違いますよね。普段はお仕事が忙しくてコミュニケーションが取れないご家庭でも、この90分という時間を確保して密に関われる。親子の絆の一助となっていると感じられたので嬉しかったですね。最初は恥ずかしがっていた子どもたちも、最後は大きな声で名前を言って、僕に両手で名刺を渡しに来てくれました。
ワークショップを通じて、自信を身につけた子どもたちのキラキラした目を近くで見たとき、感激しました。いつか今日の日の経験が、一歩踏み出す勇気につながったらうれしいです。僕にとってもすごく価値のある体験でした。

子どもも大人も「対等な一人の人間」。
リスペクトを原動力に“共に育つ”関係性を築く

馬場大学の先生、体操のお兄さん、そして今とつながっていく中で「これだけはブレない」というものはありますか。

福尾さん:相手が子どもだろうと大人だろうと対等であるという意識を持ち続けています。そこに「教えてあげるよ」という気持ちが入ったら、上下関係が生まれてしまう。対等な人間として関わることは、ずっと軸にしている部分です。子どもも僕の知らないことをたくさん知っている。そこをリスペクトすることは、ずっと大事にしています。

馬場私たちが「FR推進室」で掲げていることと同じです。学校現場に行かせていただくと、どうしても「教えてあげる」みたいな構図になりがちですが福尾さんがおっしゃるように、子どもたちから教えてもらうこともたくさんあるし、生き方なんて誰にも分からないことです。フラットに学び合い、感性を磨き上げる関係がいいなと思って、「共に育つ」という共育のビジョンを掲げながら私たちも全国で授業を行っています。

福尾さん:パーソルが力を入れている「FR (Future Generations Relations)」活動・FR推進室が掲げている未来や、取り組んでいることに共感できる部分がたくさんあって、まさに僕のやりたいことを表す言葉が「FR」だと感じています。

馬場ありがとうございます。子どもたちを中心に置いたときに、将来世代のみんなにとってしっかりと力になる活動をしたいと思っています。「FR」の仲間として、これからもいろいろなことを一緒に取り組んでいきたいですね。

「今」の対話を積み重ねて。
子どもたちをど真ん中に置いたワクワクする未来へ

馬場最後に、今後の展望を教えてください。

福尾さん:今すぐに「こういう未来になってほしい」という大きなことは求めていません。ただ子どもたちと対話ができる時間は「今」しかない。その時間を大切にしていくことが、子どもたちにとっても、この世界にとっても素敵な未来へつながると信じているので、1秒でも長く子どもたちと対話をし、一人でも多くの「個性を彩りたい」というのが僕の展望です。

馬場「FR活動」自体が当たり前になって、みんなが手を取り合いながら「将来世代のために未来に残せるいい社会ってなんだろう」という問いを自分たちにも向けながら実行していきたいです。その中で、福尾さんのように「一緒にやりたい!」という声がたくさん上がったらうれしいです。年齢問わずフラットに学び合いながら、将来世代を真ん中に置いて色んな対話をして、ワクワクする未来や夢を語れるような時間も仲間も増やしていきたいですね。
本日はありがとうございました。


参加者の声
ご紹介したワークショップでは、参加者の皆さんに参加しての感想や気付きについてアンケートを行いましたところ、うれしい声がたくさん届きました。主催のcoseiroで公開されているイベントレポートともにご紹介します(アンケート内容抜粋)。

自分の好きなことややってみたいことを思い浮かべるだけでなく、文字にすることで、自分を客観視できている様子でした。最初は緊張していましたが、スタッフの皆さんが優しく声をかけてくれたことで緊張もほぐれ、楽しみながら名刺をつくっていました。他の人の名刺を見ることで、自分とは違う、こんなことが好きな人もいるんだねーという言葉も聞かれ、他者を尊重する心を育むきっかけになったと感じます。

いろんな人がいて、目に見える物だけがその人のすべてはない、いろんな価値観があるということを幼いころから知ることは良いことだと思います。これからたくさんの人と出会う中で、今日学んだことを思い出してほしいです。

苦手だろうと思っていたことにも、嫌がる素振りをせずにやろうとする姿を思いがけず見られ、少しずつ成長している様子を窺えてうれしかったです。これは、肯定的な言葉掛けをたくさんしてくれていた皆さんのおかげだと思っています。いただいた名刺大切に飾ってあります。

「ゴールデンウィーク おやこワークショップ」イベントレポート!

パーソルグループは、「“はたらくWell-being”創造カンパニー」として、2030年には「人の可能性を広げることで、100万人のより良い“はたらく機会”を創出する」ことを目指しています。
さまざまな事業・サービスを通じて、はたらく人々の多様なニーズに応え、可能性を広げることで、世界中の誰もが「はたらいて、笑おう。」を実感できる社会を創造します。

このページをシェアする
目次
閉じる