【パーソルのFR活動 ~将来世代も大人も共に学び、育つ仕組みをつくる~|第1回】 -越境型共育研修「Connect」とは?-

パーソルグループは、将来世代を重要なステークホルダーと位置づけ、対話を強化する「FR(Future Generations Relations)活動」を推進しています。その象徴的な活動として、全国の小・中学校向けにオリジナルのキャリア教育プログラム、“はたらく”を考えるワークショップを無償提供しています。2025年9月末までにワークショップ実施回数は1,072回、受講者数は61,764名となり、全国多くの小・中学校にて活用をされています。

目次

さまざまなワークで得た気付きから生まれた新しい研修とは

“はたらく”を考えるワークショップの中でも、先生方からご好評をいただいているプログラムの1つが「おとなインタビュー」。大人になる上で知っておきたいこと、仕事についての考え方、その方自身の価値観などを将来世代の皆さんが大人にインタビューをする時間です。インタビューを受ける大人は、パーソルグループの有志社員が担当します。このプログラムを続ける中でインタビュイーとして参加したパーソルグループ社員も将来世代からの質問を通して、内省が深まり、自身の仕事や“はたらく”価値観を再確認する機会を得ています。また、普段の業務から離れ、学校という場で将来世代に一人の大人としての考え方を伝える活動そのものに、越境効果があることが見えてきました。

この事実をもとにして生まれたのが、将来世代の学びの場であると共に、大人が越境し、内省の場として学びを得ることを両立できる「共育(将来世代・大人が共に育つ機会)」の概念を体現した、越境型共育プログラム「Connect」(以下、Connect研修)です。
今回は、Connet研修とは何か?参加する大人は何を得ることができるのか?に焦点を当てて紹介します。

越境型共育プログラム「Connect」とは?

Connect研修は、Day1からDay3の3日間で構成される、約3カ月間のキャリア開発研修です。特にDay2では、実際に学校に訪問し、将来世代からのインタビューに答える越境体験があり、自身のキャリアの内省に興味がある方はもちろん、将来世代向けの活動に興味がある若手からシニアの社員まで幅広い層が参加しています。

キャリア開発については、多くの社員が重要なものであると捉えている一方で、「やり方が分からない」「どうしても目先の業務の方が優先度が高くなってしまう」などの現状から後回しにしてしまいがちなテーマです。この研修では、将来世代の前に出る越境体験をはじめ、さまざまな視点から自身の“はたらく”を捉えなおし、新しいはたらく目的設計と業務への接続を約3カ月間集中して行っていきます。

最終的なゴールは、自身のはたらく目的と業務への接続を明確にすることで、現在の業務での価値提供のレベルを上げることです。社会だけではなく、自社や事業にも還元していくことこそがFR活動を企業内で継続して取り組むための原動力となっています。また、将来世代向けの活動に参加した社員を通じて、こうした取り組みに社員が参加することの意味や意義を生み出す役割を果たしています。

現在は、パーソルグループ各社のキャリア開発研修として活用をしています。

ディスカッションパートでは自分のことのように、ほか参加者のはたらく目的やつながりを一緒に考え、率直に自身が感じることをフィードバックし合います

①Day1-「はたらく」を定義する-

Day1では、「はたらく」を定義する、をテーマに置き、Day2での将来世代からのインタビュー準備として、自分自身の“はたらく”とは何か?について深掘りを進めていきます。自身のこれまでの仕事のプロセスを語り、周囲からのフィードバックをもらうことで、自分自身が気付いていないはたらく意味や目的を認識し、確固たるものに変えていくプロセスをたどります。

②Day2-自己に気づく・問いを深める-

Day2では、自己に気づく・問いを深める、をテーマに置き、学校にて将来世代からのインタビューを受ける越境体験を行います。インタビュー後は、そのまま会場での研修となり、いただいた質問をグループで持ち寄り、内省につながりそうな問いに対して、今だったらどう答えるかという「インタビューのやり直し」を行います。
後半ではここまでと一変し、自身の直感から“はたらく”を捉え「自身の“はたらく”が実現した先に見たい景色」というテーマでコラージュ作成を行います。画像だけで、自身の“はたらく”が実現した先をイメージすることで、潜在的に重要視している観点や無意識のうちに出てしまう考え方のくせを捉え、内省をさらに深めます。最終的には自身のはたらく目的と現在の業務の接続点を見出し、Day3までの1カ間、その接続を意識できる状態で研修を終えます。

③Day3-「はたらく」と「しごと」をつなげる-

Day3では、「はたらく」と「しごと」をつなげる、をテーマに置き、Day2からの取り組みを共有・フィードバックを行います。Day2以降、自身のはたらく目的と現在の業務の接続を意識した結果、自分自身または周囲や顧客にどのような変化が出たのかをシェア、フィードバックを受けます。その上で、最終の仕上げとして、Day2で将来世代から受けたインタビュー同様、同じグループのメンバーからインタビューを受け、自身の“はたらく”の解像度をもう一段上げにいきます。
併せてキャリア自律の概念や、ときにインタビューを受けた将来世代からの感想などを読みながら、行動に移す理由づけを行い、各自の業務の中ではたらく目的を意識して、普段の業務や顧客活動に取り組んでいく後押しを行います。

「Connect」に参加した社員の声

①将来世代からインタビューを受け、自身の思考・言動と行動の不一致に気付く
Connect研修では、将来世代からのインタビューに答えることで普段の自分自身の考え方のくせが出ていることや、本音が含まれていることに気付きます。研修の中では、「インタビューのやり直し(将来世代から受けた質問に、改めて冷静に考えると何を答えるか)」を行いますが、再度答え直しをすると180度回答が変わっている方も少なくありません。

Day2のインタビューやり直しワークの様子。参加者は今だったら将来世代からもらった質問にどう答えるか?を考える

どちらの回答がより自分らしく自信をもって答えられているかに向き合うことで、自分自身の鎧を脱ぐきっかけとなっています。

固まっていた信念が崩れ、新たに変化しても良いと思えるようになりました。これは、Connect研修を通じて、「はたらく」や「仕事」の捉え方が変わっても不安や抵抗を感じることなく、解釈や意味づけの質を高められたと実感しているからです。

キャリアというものを通じて自分が周りに悟られないようにしている、隠しているプライドの高さなどに嫌でも向き合わざるを得ない良い機会になった。また、さまざまな経歴の方々が自分のキャリアをどう考えているかを聞く機会も希少なため、それだけでもかなり価値のあるものに感じた。

2日目のおとなインタビューでは、子どもたちの前できれいに見せる自分がいたと思いますし、成果を追うことに対してマイナスな気持ちがあり、あまり話ができていませんでした。しかし、「はたらく」と「仕事」を結びつけたときに、組織貢献も自分の“はたらく”意味の一つだと再認識できて接続ができました。成果を出すことと、顧客志向を対等に置いている自分の気持ちを整理できた瞬間でした。

②“はたらく”・仕事の「捉え方」を変える
Day2終了時に作成した、接続ポイントを意識し約1カ月取り組んでいただき、Day3で何がどう変わるのかを全員で振り返り、自身の業務は捉え方や見方を変えれば、きちんとはたらく目的とつながっていることを実感される参加者がほとんどです。最終的には、接続の磨きこみを行った上で、自身の業務へ戻ってもらっています。

今回の研修を通じ、しごとの価値観が最も変わったと考えています。今までは一つの仕事には一つの意味しかないと思いこんでいたことが、職種次第ではなく自分の捉え方次第でいかようにも変わるというマインドを持つことができました。自分の中では今までにはない価値観を持つことができるようになり、変化というより、一つ成長をした、という感覚を持っています。

“はたらく”って面白いな・深いな!と思いました。初日では持っていたと思っていた自分のはたらく目的が見つからない、言語化できないモヤモヤを感じている自分に気付きました。2日目では中学生との対話から少しずつイメージ化されていき、3日目で改めて振り返りをして「自分ってこうしたいんだ!」と気付くことができ、自分を認めることができました

越境型共育研修「Connect」についてのお問い合わせ

現在、FR推進室ではConnect研修の実施企業を募集しています。人事、人材育成担当など実施にご興味をお持ちの企業のご担当者がいらっしゃいましたら、下記お問い合わせフォームにてご連絡いただければと思います。
問い合わせ:phd_hataraku-ws@persol.co.jp
担当者:パーソルホールディングス株式会社 FR推進室 竜田 遼/馬場 瑞紀

■パーソルのFR活動
パーソルグループでは「“はたらく”がワクワクする未来」を将来世代との対話のテーマとし、これまでも「未来の“はたらく”大人たち(将来世代)」に向け、教育やプログラミング教育、仕事の体験機会の提供などを行ってきました。こうした活動をさらに拡大すると共に、2024年度からは対話を重視したキャリア教育プログラムを開発・提供するなど、FR活動を強化しています。

パーソルグループは、「“はたらくWell-being”創造カンパニー」として、2030年には「人の可能性を広げることで、100万人のより良い“はたらく機会”を創出する」ことを目指しています。
さまざまな事業・サービスを通じて、はたらく人々の多様なニーズに応え、可能性を広げることで、世界中の誰もが「はたらいて、笑おう。」を実感できる社会を創造します。

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