望む人すべてが結婚できる社会を目指して メタバース婚活『Mitsu-VA』が切り拓く新たな出会いの形

パーソルイノベーション株式会社は、2024年8月から全国のどこにいても参加できる、婚活イベントを開催するメタバース婚活サービス『Mitsu-VA(ミツバ)』を提供しています。

【取り組みの概要】
この取り組みは、少子化や地方においての結婚相手との出会い不足といった社会課題の解決を目指し、全国の自治体と連携して展開しています。

主な特徴と取り組み

  1. メタバース婚活イベントの開催
    参加者はアバターを作成し、仮想空間で1対1の会話や自己PRを行います。事前に「パートナーシップ診断」を受け、自分自身の性格や結婚観を可視化しているため、内面重視のマッチングが可能です。マッチング後はメタバース内でのデートを経て、リアルな出会いへと発展します。
  2. 情報提供会員サービス『みつばクラブ』
    メタバース婚活イベントへの参加が難しい方に向けて、無料の会員サービス『みつばクラブ』を提供。登録者には希望地域の開催情報が優先的に配信され、出会いの機会を広げています。
  3. 地方自治体との連携
    山形県村山市など、地方自治体と協力して地域限定のメタバース婚活イベントを開催。地域活性化や移住促進にも寄与しています。
  4. ロゴに込められた想い
    三つ葉のクローバーをモチーフにしたロゴは、男女の出会いやつながり、永遠の絆を表現しています。仲人や自治体などがそばで男女をサポートする様子も同様に表現しています。ロゴタイプは縁結びの意味を込めた「結び切り」をモチーフにしています。「行政・企業・Mitsu-VA」「参加者同士・Mitsu-VA仲人」「家族(父・母・子)」の三者のつながりを象徴し、自然な出会いの場を提供するという理念を表現しています。

本記事ではパーソルイノベーション インキュベーション推進部でメタバース婚活事業のオーナーを務める高須 美谷子(写真左)と、婚活を実施するためのメタバース空間を提供・運営するパーソルマーケティング株式会社 メタバースデザイン事業部長の川内 浩司(写真右)に、パーソルグループがメタバース婚活サービスを提供する理由や婚活の未来、メタバースの可能性について聞きました。

目次

「結婚したいのにできない」という現状を何とかしたい

——メタバース婚活サービス『Mitsu-VA』を立ち上げた背景について教えてください。
高須:私はもともと、民間の結婚相談所に勤務していました。ご相談いただく方は30代後半から40代の方が多く、婚活がうまくいくのは、容姿が優れている方や年収・勤務先といった条件が良い方など、一部の方に限られていました。
結婚を望んでいるのにもかかわらず、思うようにいかずに婚活を終えていくお客さまの姿を間近で見てきた私は、胸が締め付けられる想いで、いつも「なんとかできないか」と考えていました。「結婚したいと望むすべての人が、平等にチャンスを持てる社会をつくりたい」そう考えたことが、この事業を思い立ったきっかけです。

——どのような方法で婚活の形を変えようとしたのでしょうか?
高須:従来の結婚相談所での出会いのプロセスでは、「容姿」→「条件」→「性格・フィーリング」という順番で情報が開示され、すべてに納得した段階で、はじめて相手に会うことになります。この仕組みでは、出会いの可能性が極端に狭まり、本当に重要な当人同士の相性にたどり着く前にチャンスを失ってしまうケースが多くあります。そこで情報開示の順番を大胆に逆転させることにしました。まず「性格・フィーリング」でつながり、次に「条件」、そして最後に「容姿」を知るという順序なら、見た目や条件に左右されない、本質的なつながりが生まれるのではないかと考えたんです。そして、この新しい出会い方を実現するには、メタバースという仮想空間が最も適していると考えました。

——メタバース婚活をパーソルグループで事業化した背景について教えてください。
高須:メタバース婚活事業は、もともと私が代表を務める一般社団法人メタバース婚活協会の活動として2022年にスタートした取り組みです。一人でも多くの人に、自然体で出会える機会を届けたいと考えて活動を続けてきましたが、サービスをより多くの人に活用していただくためには、これまでのやり方では限界があると感じるようになりました。
そんなタイミングで、パーソルイノベーションとの出会いがありました。人生において、結婚とキャリアは深い関係があります。だからこそ、総合人材サービス会社であるパーソルグループと連携することによって、もっと実効性のあるサービスが提供できるのではないかと考え、パーソルグループに事業移管し入社するに至りました。

川内:最初にこのお話を伺ったときには「本当にうまくいくのだろうか?」という疑念の方が大きかったのが本音です。しかし、正式にタッグを組むことを公表する前に、来社をした高須さんから事業の背景や想い、仕組みについてていねいに説明してもらいました。同じグループの会社として、お互いの得意分野を活かしながら、もっと近い距離で連携できるのではないかと考えるようになり、協業を進める決断に至りました。少子化という日本の大きな課題に対して、私たちパーソルマーケティングが持つメタバース空間の提供と運用というノウハウと、高須さんが持つ婚活に関するノウハウを組み合わせることで、メタバース婚活の価値はより大きく広がっていくと感じています。

メタバース婚活を支えるデジタル仲人の存在

——メタバース婚活の長所について教えてください。
高須:婚活を成功させる秘訣の一つに、適切な自己開示ができるかどうかということが挙げられます。リアルで会うと声が出ないという方もいらっしゃいますし、時にはまるで採用面接のような雰囲気になってしまうケースもあります。メタバース婚活であれば、自宅にいてリラックスした状態で自分らしい会話に集中することが可能です。
また、メタバース婚活の特徴の一つに高いマッチング率が挙げられます。その実現に一役買っているのがデジタル仲人という伴走者の存在です。デジタル仲人がお互いの個性をしっかりと把握し、間に入って適切な会話ができるよう促すことで高いマッチング率を実現しています。

川内:性格・フィーリングを軸にマッチングを実現しようとすると、間に入るデジタル仲人の役割がすごく重要になってくるんです。メタバース婚活では、アバターを使って参加者同士が面談するのですが、個人情報に関することは聞いてはいけないのがルールです。そのため、お互いに関する情報が少なすぎて会話が弾まないといったことが起きがちです。また、婚活イベントへの参加がはじめてという方も多く、当日は「どのように振る舞えば良いのか分からない」と不安を抱える方も少なくありません。そうした方々にも安心してご参加いただけるよう、デジタル仲人が事前のアドバイスやシステム操作に関するていねいなフォローアップも行っています。

高須:幸いなことに現在、多くの自治体から婚活イベント開催のお声がけをいただいています。私たちが提供するメタバース婚活「Mitsu-VA」では、参加者全員に事前のパートナーシップ診断を受けていただいています。この診断は、私が以前メタバース婚活協会で事業を展開していた際にパーソルグループと共同開発したもので、婚活希望者の特性を把握できるだけでなく、マッチング後に起こりやすい課題を可視化することが可能です。
その結果を基に、各自治体に対して「婚活参加者にはこのようなサポートが有効です」「この地域の参加者傾向からここに注力した支援が良いでしょう」といった、より具体的で実効性のある提案ができるようになりました。こうした取り組みを通じて、メタバース婚活が少子化対策に直接アプローチできる手段として機能し始めているという手応えを感じています。

メタバースの力で「婚活」と「はたらく」を変え、新しい価値を創造する

——今後、力を入れていく取り組みについて教えてください
高須:自治体で婚活イベントを開催するようになって、一つ気付いたことがあります。それは、女性の参加者の中には、婚活していることを知られるのが恥ずかしく、希望地域でのイベントの問い合わせもしづらいと思っている方が多いことです。実際に「○○地域ではありますか?」「今月は参加できないけれど、また近々開催の予定はありますか?」といった声を多くいただいてきました。そういったニーズに応えるために、私たちは会員制コミュニティ「みつばクラブ」を立ち上げました。
この「みつばクラブ」では、婚活に関する情報や、新しい時代にふさわしい婚活のあり方について、継続的に発信しています。「今ある婚活がすべてではない」ということを知っていただき、自分に合ったパートナーの見つけ方を学べる場にしていきたいと考えています。さらに、このコミュニティとデジタル仲人の活動とを連動させることで、一人ではなかなか婚活に動き出せなかった人が、安心して一歩を踏み出せるきっかけを提供できる場を目指しています。今、デジタル仲人を務めている方々は、パーソルテンプスタッフで募集・採用した人材で、私自身がパーソルグループにジョインしたからこそ出会えた人材です。現在は7名体制で全員フルリモートで活動していますが、彼女たちと力を合わせながら、デジタル仲人という新しい職業の形を、しっかりとつくり上げていきたいと思っています。

事業を立上げた3名(中央が高須)
Mitsu-VAのコミュニティ「みつばCLUB」も立ち上がっている

——お二人にとっての「はたらいて、笑おう。」とはなんですか?

高須:パーソルグループの一員としてはたらく中で強く感じたのは、「結婚」と「はたらく」は想像以上に深く結びついているということです。どちらも人生の中で多くの時間を費やす、大切な選択肢であり、軸でもあります。だからこそ、パーソルグループでできることを最大限に活かして、結婚とはたらくことの両方を支える新しい価値を社会に提供していきたいと考えています。それが、私にとっての「はたらいて、笑おう。」です。

川内:パーソルグループは人材サービスを中心に事業を展開している企業ですが、これからはデジタルとリアルの融合、そしてデジタルの世界へ踏み込んでいくことが、「はたらいて、笑おう。」につながると確信しています。高須さんやパーソルイノベーションとの取り組みは、まだ小さな灯りかもしれません。でも、近い将来、それが大きな渦を巻き起こして、新しい雇用や価値を生み出していくそんな未来を本気で描いています。そしてそれこそが、パーソルグループが掲げる「はたらいて、笑おう。」の体現だと思っています。

パーソルグループは、「“はたらくWell-being”創造カンパニー」として、2030年には「人の可能性を広げることで、100万人のより良い“はたらく機会”を創出する」ことを目指しています。
さまざまな事業・サービスを通じて、はたらく人々の多様なニーズに応え、可能性を広げることで、世界中の誰もが「はたらいて、笑おう。」を実感できる社会を創造します。

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