パーソルホールディングス株式会社は、パーソルグループ内に複数存在していた営業社員向けの情報管理システムを一元化した社内向けWebアプリケーション「Genie(ジーニー)」を開発し、グループ全体でのクロスセル(※1)による売り上げアップに貢献したことにより、「2023年度(第41回)IT賞」にて、「IT賞(マネジメント領域)」を受賞しました。
(※1)顧客が検討していたり、すでに継続購入している商品に加え、関連する別の商品を提案したり、セットもしくは単体で購入してもらう販売手法のこと。
写真:受賞したプロジェクトにかかわったパーソルグループの7名。右から、梅澤 幸治(パーソルホールディングス)、Pham Thi Hong Thuy(パーソルプロセス&テクノロジー ベトナム)、Ly Huy(パーソルプロセス&テクノロジー ベトナム)、坂本 和優(パーソルホールディングス)、木村 勉(パーソルホールディングス)、朝比奈 ゆり子(パーソルホールディングス)、太田 誠(パーソルプロセス&テクノロジー)
◆IT賞とは◆
IT賞は、公益社団法人企業情報化協会が”IT活用した経営革新”に顕著な努力を払い、優れた成果をあげたと認めうる企業・団体に対して授与している表彰制度で、昭和58年の第1回より今年で41回目を迎えました。
IT賞審査委員会による厳正な審査により、2023年度は「IT最優秀賞」3件、「IT優秀賞」6件、「IT賞」14件、「IT奨励賞」9件の計32件が受賞しました。
本記事では、表彰式典(1月31日)並びに記念講演(2月1日)での様子と、受賞した取り組みのプロダクトオーナー 坂本 和優に聞いた取り組み概要と今後の意気込みをご紹介します。
表彰式典並びに記念講演の様子
今回、パーソルホールディングスが受賞した「IT賞(マネジメント領域)」は、既存事業への業績貢献、IS部門の自社内(グループ内)地位向上にかかわる取り組みを審査する部門です。
受賞した取り組みは、「商材数200超のクロスセルを支えるWebアプリを自社開発~クロスセル売上156%成長への道のり~」。表彰式典は、ザ・プリンスパークタワー東京にて行われました。
授賞式にはIT部門と「Genie」開発関係者が出席。記念講演では、坂本が登壇し、取り組み概要や開発したアプリ「Genie」の機能などについて説明しました。
プロダクトオーナーに聞きました! ~受賞の取り組み概要と今後の展望~
──受賞おめでとうございます。今のお気持ちを教えてください。
坂本:ありがとうございます。約2年間取り組んできたプロジェクトを表彰していただき、大変うれししいです。
今回、システム的な観点だけではなく、それをユーザーに届けるプロセスなども含めて、プロジェクト全体の取り組みを評価いただいたので、このGenieというプロダクトにかかわった全員で獲得した賞なのだと考えています。
──Genieは、営業社員向けWebアプリケーションということですが、どういったものなのでしょうか?
坂本:Genieの主たる機能は、企業情報検索機能や名刺管理機能、グループ商材検索機能といった、基本的な営業支援機能です。これまでグループ内に存在していた複数のシステム機能をGenieに集約し、企業情報や名刺情報、企業のニュースリリースなどを素早く検索・閲覧できるようになっています。
また、Genieの重要な機能の一つに、多様化・高度化する顧客ニーズに対応するために、営業社員が担当する商材以外も含めた営業活動および案件獲得を推進する取り組み(通称、DC制度 ※2)を支える機能もあります。たとえば、所属会社では解決できないものの、ほかのグループ会社で解決でき得る課題が浮上した際などに、Genie上で「DC依頼」を行うことで、ほかのグループ会社の営業社員へ連携できるというものです。
(※2)Diverse Connect(ダイバース コネクト)の略
──開発や活用推進の際に大切にしてきたことはありますか?
坂本:3つの要素があります。
1つ目は「はやい」(必要な情報を素早く手に入れられる)、「かしこい」(スマートな営業活動を実現する)、「たのしい」(使っていて楽しい)の3つをコンセプトにして機能を構築。2つ目はグループ会社それぞれに寄り添った現場への利用促進活動。3つ目はGenieプロジェクト自体が状況変化に応じて素早く対応することです。
つまり、3つのコンセプトを軸に、ユーザーの声を取り入れてプロダクトの価値を高めながら、営業社員の皆さんにGenieを最大限活用いただこうと利用促進し、プロジェクト自体も素早く改善を重ねる、──これらを継続的に実施してきました。
──そうした取り組みの成果が今回の受賞の評価ポイントにつながっているのですね。
坂本:そうですね。評価ポイントを端的に言えば、「テクノロジーの力によってグループ営業社員の連携を強化し、それがクロスセルによる売り上げの向上につながった」ということです。
Genieをリリースした2021年度に比べると22年度は、システムの利用率が25%から53%に、クロスセルによる売上高は、156%に成長しました。そして、状況の変化に応じて素早く対応して年間100件の機能改善をしていることも評価いただけた点です。
──これから実現していきたいことや、今後の意気込みを聞かせてください。
坂本:これからも、最新のテクノロジーを駆使しながら、Genieというプロダクトの価値を高めていきたいと思っています。そうすることで、営業社員の皆さんがより「はやく」「かしこく」「たのしく」業務に取り組み、その先の顧客に対してより良い支援ができるように、グループ全体の連携を強化していきたいです。
パーソルグループは、「“はたらくWell-being”創造カンパニー」として、2030年には「人の可能性を広げることで、100万人のより良い“はたらく機会”を創出する」ことを目指しています。
さまざまな事業・サービスを通じて、はたらく人々の多様なニーズに応え、可能性を広げることで、世界中の誰もが「はたらいて、笑おう。」を実感できる社会を創造します。