パーソルグループでは年に1回、グループ内表彰「PERSOL Group Awards」を実施しています。「PERSOL Group Awards」とは、グループビジョン「はたらいて、笑おう。」を象徴するパーソル社員とその仕事の成果に贈られる、グループでもっとも栄誉ある賞のこと。各SBU、およびユニットに貢献し、提供価値を創出した社員を表彰しています。
本連載では、2022年度の「PERSOL Group Awards」を受賞した社員のキャリアストーリーと、受賞の舞台裏をご紹介します。
第4回目は、シェアフル株式会社の北林 美帆です。
2019年にスタートしたギグワーカー(インターネット上のプラットフォームサービスを介して単発の仕事を請け負ってはたらく人の総称)向けお仕事マッチングアプリ『シェアフル』のコンビニチームとして、大手小売業の2020年度の利用実績No.1を維持するだけではなく、就業マッチング数において298%の成長を実現。
第二新卒として未経験である営業職に飛び込んだ北林は、慣れない仕事に戸惑い、失敗を重ねながらも、驚異的な事業の成長に貢献。周りの支えがあった中とはいえ、それ以上に本人の弛まぬ努力がありました。
営業の仕事への想いが転職を決意させた
北林は大学卒業後、住宅リフォーム会社に就職。人事総務ではたらいていました。営業の仕事に魅力を感じていましたが、異動が難しかったため転職を決意。2021年10月、シェアフル株式会社に入社しました。
「もともと人と話をしたりコミュニケーションをとることが好きでしたので、若いうちに挑戦したいと思い転職しました。私には、仕事を通して自分の人生を充実させたいという想いが根本にあります。
それは、パーソルグループのグループビジョンである『はたらいて、笑おう。』に通じるところだと感じて入社を決めました」
シェアフルは、デイワークのマッチングアプリです。入社後に配属されたのは小売り業界を担当するチーム。毎月500〜600件の新規求人掲載が追加される多忙な部署ながら、営業メンバーは北林を含めてわずか4名。まだ社会人経験が浅く、営業の経験もない北林を、膨大な業務が待ち受けていました。
「私は営業未経験でしたので、入社前は徐々に仕事が増えていくイメージを持っていました。特に私は入社したばかりなので、上長の下で割り振られた仕事をしていくのかなと考えていたんです。ところがそうではなく、自分から考えて、挑戦してチャンスや機会をつかみにいくというスタンスで仕事をしていく会社であることに気付いたんです」
おっとりとした口調でありながら、北林の言葉からは芯の強さと行動力が伝わってきます。その言葉通り、今回のアワードへのノミネートも自ら手を挙げ、業務外の時間を使って準備を進めていき、見事受賞をつかみ取ったのです。
大胆な変革が業務改善と成長を実現した
北林が入社した時には、チームの成長スピードよりも事業成長スピードの方が上回り、1人当たりの業務はキャパシティを超えつつありました。また、お客さまの各店舗に関する情報や営業ノウハウが属人化する、非常に脆い組織だったと言います。その中で、「お客さまご利用数No.1」を維持するだけではなく、さらなる成長を目指すには業務プロセスや組織の構造改革が不可欠でした。
「少ない人数で業務をより効率よく回すことを考えて、『やらなくて良いことを決める』、『お客さまご自身でサービスを使ってもらう』を意識するようにした結果、求人原稿を一からオリジナルで作成するフルオーダー制とユーザーサポート体制を廃止しました。もともと『シェアフル』は、お客さま自身が運用するサービス。直接雇用紹介がコンセプトとしてありますので、業務効率のためというだけではなく、事業のコンセプトに一歩近づけることができたと思っています」
また、これまでは、ユーザーサポートを営業担当者から直接お客さまに行っていましたが廃止し、北林などのプロジェクトメンバー自身が『シェアフル』を使って、土日・祝日専任のスタッフを採用。新たなスタッフ向けにマニュアルを作成し、ノウハウを明文化したことで年中無休のサポート体制を確立しました。
「これまで土日に届いたご利用店舗からの連絡への対応は、月曜日に繰り越してしまうことが多発していました。その対応の遅れがクレームにつながるケースもあったんです。しかし、土日・祝日の専任スタッフを置いたことで、メンバーの負荷を抑えつつ、店舗がフォローしてほしいタイミングにしっかり対応することができ、信頼獲得につながったと感じています」
営業未経験ならではの苦悩とは
営業職として多くの店舗を担当する北林。そのエリアは全国におよび、既存顧客との連絡、新規顧客へのアプローチはすべて電話で行っているのだとか。それゆえに当初は戸惑うことも多かったと言います。
「そもそも『営業って?』という状況からのスタートだったので、営業のトークになかなか慣れることができませんでした。電話でお話する際に、おかしな敬語を使ってしまったり、時に表現がくだけすぎてしまったり。そのため、上司に電話でのトークを聞いてもらい、おかしかったところを指摘してもらったり、トークの改善を何回も行ったり、という基本的なところから積み重ねてきました。この時はまだ型を身につけることに精一杯で、独自の個性を出せていませんでした。ただ、最近になってお客さまのニーズもつかめるようになってきたので、自分なりのトークというか、少し色を出すところまではできるようになったのかなと思います」
上長からは「去年より確実に成長している」との言葉をかけられ、少し安堵しているという北林ですが、その影には当然ながら本人の努力がありました。
「自身の営業トークのスキルアップ向上の為、動画や書籍を見たり、改めて一般常識を確認する意味でも秘書検定を受けたりしました。仮に、今日、自身の取り組みの中で反省点があった場合、明日はどう改善できるかを常に考えていますね」
さらに、はたらきやすい環境、チームワークの良さが北林をバックアップしてくれていると感じているのだとか。
「前の会社と比べて年齢が近い人が多いので、仕事での問題や悩みに関しても、とても話しやすい環境と雰囲気を感じています。会社から、しっかりサポートされている安心感もすごくあります。また、メンバーの数が少ないこともありますけれど、お昼休みの時間を一緒に過ごして仕事以外の話をすることも多いんです。ちょっとした息抜きにもなりますし、雑談の中から先輩が担当している店舗さまの状況や、それに関する対応を聞くこともあるので仕事の面でも勉強にもなります。なので、積極的に自分から話しかけるようにしています」
自分にとっての「はたらく」とは
パーソルではまだ約1年という経験ながら、濃密な時間を過ごしたことで感じたことがあると北林は言います。
「自分の想いだけではなく、一緒にはたらくメンバーやチームの想いがあってこそ業務を進める原動力となり、『はたらく』ということなのだと、この1年間で痛感しました。以前はちゃんと考えたことがなかったのですが、『シェアフル』からの支援を通じて、小売業の運営は、オーナーや店長をはじめとする従事スタッフの数多くの業務によって成り立っていることを知りました。私たち営業が小売業を土台から支えることによって、店舗の労働環境の改善につながる。その一助になれることを実感した1年でもありました」
対面ではなく電話を介してではあるものの、お客さまから感謝の言葉を聞けることが仕事へのやりがいにつながっているという北林。彼女の想いは、さらに未来へと向かっています。
「今後、企画の仕事に就きたい想いがあります。企画の仕事は、今まで培った営業経験を活かしながらも、自分自身が生み出したことを誰かの幸せや喜びへとつなぐものだと考えているからです。今、無形商材の営業している中で、挑戦することによって生まれる縁や、何か企画につながるようなものを身に付けられるような気がしています。でも今は、まず営業の仕事を続けて、その中で自分の苦手なところを少しずつ改善し、どうしたら企画の仕事に結び付けられるかを考え模索しながら仕事を続けていきたいと思います。まずは、毎日コツコツ、目の前のことに取り組むことが大切だと思っていますが、自分という存在が周りの人に何か良い影響を与えることができたり、役に立てたり、そんな人間になりたいと考えています」
業務にしても自分自身に対しても俯瞰的に見ながら、さらなる成長を目指して努力するこことをいとわない北林だけに、自分の夢や目標に向かって着実に進んでいける。彼女の言葉とここまでの行動が、そう感じさせてくれます。