パーソルキャリア株式会社が提供しているキャリア教育 講師派遣授業(出前授業)「“はたらく”を考えるワークショップ(※1)」の責任者を務める竜田 遼が、福岡ソフトバンクホークス前監督の工藤 公康氏とともに愛知県一宮市立貴船小学校で開催された「夢の課外授業(※2)×パーソルグループ」に登壇。小学6年生の子どもたちに向けて、将来に夢や目標を持つためのきっかけとなる授業を行いました。
授業の第1部では、工藤氏が講演を、第2部では、竜田が「“はたらく”を考えるワークショップ」を実施。本記事では、当日の授業の様子を一部ご紹介します。
(※1)“はたらく”を考えるワークショップとは
パーソルキャリアが全国の小学校に無償で提供している小学4年生から中学3年生を対象にしたキャリア教育プログラムです。2018年のワークショップ開始以来、全国で延べ131回、6,901名の子どもたちに授業を提供(2022年6月末時点、リピート校含む)。また、2021年には、経済産業省が主催する「第11回 キャリア教育アワード」にて優秀賞(大企業の部)を受賞しました。
詳しくはこちら
(※2)夢の課外授業とは
2000年より文部科学省の子どもゆめ基金としてスタートした取り組みで、内閣府「beyond2020プログラム」(~2021年3月)の認証事業として、実施されています。各界で活躍する人物を講師として小学校・中学校に招き、生徒に語りかけ、対話を行い、夢を持つきっかけをつくるプロジェクトです。
今回は、小学生が将来に夢や目標を持つためのきっかけづくりとともに2019年からスタートした“SDGs学習カリキュラム”と併せたキャリア教育の授業が行われました。
当日の様子
授業に参加したのは、小学6年生の3クラスと特別支援学級の生徒たちで、全101名。オフラインとオンラインの両方で行われました。
【第1部】講演会(工藤氏)
夢は諦めなければ叶う!
工藤氏は、29年間プロ野球選手としてマウンドに立ち続け、14度のリーグ優勝、11度の日本一に輝き、2011年に選手を引退。2015年に福岡ソフトバンクホークスの監督に就任し、2021年退任までの7年間に5度の日本シリーズを制覇。現在は筑波大学大学院博士課程に進学し、スポーツ医学博士取得に向け研究や検診活動を行っています。
そんな工藤氏は、小学校6年生の時の作文で「夢はプロ野球選手になること」と、書いていたことを明かしました。「夢は諦めなければ叶う」と語りながらも、「ただし、夢はひとりで叶えることはできない。多くの人たちに支えてもらったり、いろいろな人からアドバイスをもらったりですることで可能になる」とし、自身が監督のとき、選手へかけた言葉で選手の行動が変わり、チームの雰囲気も良くなって勝利につながった経験を話しました。
その後の質疑応答では、多くの子どもたちが挙手。「野球選手になるためにどのような練習をしましたか」などの質問が。それに対し、工藤氏は「ぼくは、どうしたら遠くまで投げられるか、野球雑誌に書かれている解説などを読んででは試し、考えて……とやっていた。自分で考え抜いて練習すると上達が早いかもしれない」と回答。また、「一流になれるかは自分次第」と語り、最後に「みんな無限の可能性を秘めています。だから諦めず、自分を信じてがんばってください」とエールを贈りました。
【第2部】「“はたらく”を考えるワークショップ」(竜田)
仕事の種類をたくさん知ろう!
パーソルキャリアで“はたらく”を考えるワークショップの責任者、授業企画・講師を務める竜田が登壇し、第2部がスタート!
竜田は、まず「もしお金が無限にあったら、はたらきますか?」と質問。子どもたちから「はたらかない」という意見が多数挙がると、お金を稼ぐことは仕事の大事な目的であるとしながらも「今日はそれだけじゃないことも知ってほしい。やってみたいこと、人にしてあげたいことも、はたらく理由になる」と告げました。
続いて「日本には今、何種類の仕事があるでしょう?」と質問。実は約17,000種もあると明かし、「たくさんの仕事の種類を知り、自分の夢や仕事を決めてほしい」と、今日のワークの趣旨を次のように説明しました。
「仕事の知り方には、『広げる』と『深める』の2つがあります。深めるは、職場見学などで仕事の中身を知ること。今日は、『広げる』として、仕事の種類をたくさん知ることができる方法を伝授します」
その後、子どもたちは4~5名で1グループとなり、ワークへ!
ワークは、配られた街の絵の中から「知っている仕事」「想像できる仕事」をできるだけたくさん書き出すというもの。ルールは次の2つ。
①仕事の名前は「野球選手」「警察官」などと記入すること。仕事名が分からないときは「〇〇を〇〇する人」と書くこと。
②制限時間は7分。
「スタート」の合図とともに、子どもたちは真剣な表情で話し合いながらどんどん仕事を書き出していきました。
今回、ナンバーワンに輝いたのは49個の仕事を書き出したチーム。発表と同時に教室は大きな拍手で包まれました。
竜田も「おめでとうございます!」と賛辞を贈ると、続いて参加した子どもたち全員に向け、「このあと、僕が説明したら、きっともう1回やりたくなります。80個ぐらい出せるようになります」と告げ、「車」に関する仕事を挙げていきました。
「車を組み立てる人」「車の色を塗る人」「車のハンドルを作る人」「車タイヤを作る人」「車のデザインをする人」……。
その後、今度は「野球」に関わる仕事を「スポーツ用具をつくるメーカーの人」「選手をスカウトする人」などと挙げると、工藤氏にも質問。工藤氏から「試合前に踊っている人」「着ぐるみに入っている人」などが挙げられると、竜田は「野球と一言にいっても、選手だけでなく、さまざまな人が関わっています」と話し、仕事の種類を知り、自分の“好き”を仕事にする方法を次のように伝授しました。
「車や野球という部分を自分の好きなことに変えて、どんな仕事があるかたくさん出してみてください。そして、プロ野球選手などの表舞台の仕事だけでなく、裏で支える仕事もたくさん見てほしい。そうすれば、自分の好きなものや得意なことが仕事につながる可能性がぐっと高くなります」
続いて、第2部の締めとして、工藤氏と竜田から次の言葉が贈られました。(一部抜粋・編集)
工藤氏:「キラキラした目でワークショップの話を聞いていたり、書いている姿をみて、未来は明るいなって、感じました。こうして自分の知識をどんどん広げて、夢を実現できるようにがんばってほしいと思います」
竜田:「僕は小学生のころ、小学校の先生になりたいと思っていました。それが夢でした。今、僕は会社に勤めていますが、『やりたい』と自分で行動を起こしていたら、先生ではないけれど、こうして小学校で授業をさせてもらえるようになりました。夢は、ちゃんと前に進んでいれば、いつか近づいてくるもの。皆さんも自分で動くことを忘れないでください」
こうして、将来に夢や目標を持つためのきっかけとなる授業は終了しました。
最後は、参加者全員が体育館へと移動。子どもたちからお礼として、集団演技が披露され、会は幕を閉じました。
参加した子どもたちからの声
参加した子どもたちからは、次のような声が寄せられました。(一部抜粋・編集)
今日の学習で仕事の数が17,000個あるなんてびっくりしました。野球に関する仕事もあると知れたのでうれしかったです。これからもいろんな体験をして自分にあった仕事を見つけたいです。
得意なことはあまり多くないのですが、竜田さんの話を聞いて「自分も社会で活躍できるかも!」と思えました。他の県へ行っても、がんばってください
野球がうまい子は周りにいるけれど、あきらめないで努力を続けていれば何事も一流になれる。もしプロ野球選手になれなかったとしても、野球に関する仕事をたくさん知ることができたから球場でもはたらいてみたい。