
パーソルグループでは年に1回、グループ内表彰「PERSOL Group Awards」を実施しています。「PERSOL Group Awards」とは、グループビジョン「はたらいて、笑おう。」を象徴するパーソル社員とその仕事の成果に贈られる、グループで最も栄誉ある賞のこと。各SBU、およびユニットに貢献し、提供価値を創出した社員を表彰しています。
本連載「歩み続けるそれぞれのストーリー」は、2025年度「PERSOL Group Awards」を受賞した社員たちそれぞれが、どんな人生を歩んで成長し、受賞の栄誉を勝ち取るに至ったのか——。彼らの人生を形づくるバックボーンや、仕事への情熱、そして大切にしている想いが生まれたエピソードなど、これまでの歩みをストーリーでご紹介します。
プロフィール:
パーソルクロステクノロジー株式会社 永井 悠樹(2019年入社)
受賞案件サマリ:
パーソルクロステクノロジーで、AIなどの先端技術を活用し、企業のDXを技術面から支援しているのがDXソリューション本部。その中で、プロジェクトの設計・推進を担うプレイングマネジャーとして活躍するのが永井。AIにAR・VR・MR技術を組み込んだ「XRグラス」の開発プロジェクトでは、製品開発までプロジェクトを牽引、クライアントと共創を果たしアワードを受賞した。
はたらき方を大きく変える可能性を秘めた「XRグラス」開発プロジェクト
アワード受賞した取り組みは、新しいXRグラスの開発プロジェクト。
XRグラスとは、メガネのレンズ部分をディスプレイとし、そこに情報を投影することができるガジェット。インターネットに接続されていて、たとえば、会話中にリアルタイムでAIによる自動文字起こしや同時通訳の情報を目の前に表示することができる。関連資料やWeb上の情報を表示しながら、PCの画面を見ることなく、商談や会議に出席することもできる、マニュアル動画を確認しながら機械を操作し作業することも可能だ。本体にカメラが組み込まれているので、装着者が見ているものを他人と共有することもできる。現場で作業をする新人の動きを、遠隔地にいるベテランが確認しながらアドバイスを送ってリアルタイムでサポートするといったことも容易になる——。
自分を含めたパーソルクロステクノロジーのチームがクライアントの開発に加わった新しいXRグラスは、2025年3月に受注をスタートし、とても好評を博している。これまでなかった両眼で見ることができるXRグラスであることや、ビジネスユースに焦点を絞った仕様や機能、そして使い勝手の良さなどから高評価を得ている。
今回はプロジェクト開始前の企画段階、技術検討から参加し、製品開発が完了するまでクライアントに伴走した。そこまで一気通貫でプロジェクトに参加するというのは、パーソルクロステクノロジーとしてはレアなケースだ。その理由は、クライアントに製品開発の経験がなく、プロジェクト始動前から私たちの力を貸してほしいと相談があったから。その要望に全力で応えようと、圧倒的なスピードで技術検討とAIモデルの構築、仕様の提案などを行い、プロジェクトを牽引した。
結果、とてもスムーズにプロジェクトは進行し、無事に予定通り販売をスタートすることができた。そして、アワードの獲得にもつながった。
技術力とクライアントを思う気持ち。それが私たち、パーソルクロステクノロジーの武器でもある。その2つを活かして、クライアントと共創できたのが、このXRグラスのプロジェクト。今後にも活かすことのできる、好事例となった。

人の数だけ幸せも人生もはたらき方もある。それをより良くする方法はないか
「HR×ITではたらき方に変革を起こす」。
それがパーソルクロステクノロジー(旧:パーソルプロセス&テクノロジー株式会社)への入社の理由だ。
「人生100年時代」、そう言われてずいぶん経つ。医療が発達し、健康増進への意識も高まるなどして、人は長く元気に生きられるようになった。じゃあ誰もが豊かに快適に生きているかというと、それは疑問だ。
長く生きるということは、それだけ生活を維持しなければならないということでもある。多くの人にとって、豊かで快適な生活を維持するためは、もっともっと長くはたらき続けることが必要になる。定年退職の年齢引上げや再雇用などが多くの企業で行われているけれど、それでもまだ定年退職後の人生が数十年続く。
そんなことを考えると、いつも同じ問いが頭の中をぐるぐる回る。
ずっとはたらき続けることってできるのだろうか?
生きるためにはたらく?はたらくために生きる?
それって、幸せ?その人生は、果たして充実している?
正解は出てこない。人それぞれ違うと思うから。
たとえば、父は仕事に一生懸命なタイプで、早朝に出勤し、毎晩遅くに帰宅していた。だから、ふだん家庭に父親がいないという環境が、自分にとっては当たり前だった。父はとても前向きに仕事に取り組んでいて、愚痴など言わない性格だから、「忙しくはたらくこと、そうして家族を養えていることで、人生が充実している」という感覚があったのかもしれない。でも、人によっては同じはたらき方で愚痴を言う人もいれば、体力的・精神的に追い込まれてしまう人だっているだろう。父のような人ばかりならいいかもしれないが、現実は、そうじゃないのだ。そして家庭によっては父親不在の影響を悪い方に受けてしまうこともある。
ならば、はたらき方を自分に合わせて選べるほうが幸せじゃないか。もっとたくさんの人の人生が充実するんじゃないか。
そのために何ができるだろう、と考えたときにたどり着いたのが「HR×IT」だった。
就職活動をはじめた2018年当時、ちょうど「ITシステムやAIで課題を解決する」という手法が浸透し始めたころだった。IT、AIはHRと親和性が良いのではないか。自分の頭の中をぐるぐる回る問いも、解決できるんじゃないか、と考え「はたらき方をITで変え、充実した幸せな人生を送れる人を増やしたい」とパーソルクロステクノロジーを志望した。

大人たちの「はたらく」観を変えることが、子どもたちの人生も変えていく
「君の言う幸せってなんだ?人生の充実ってどういうことだ?」と問われるかもしれない。それに対しては、自分の中で明確に答えが出ている。
「選択肢があること」そして「自分の意志で選べること」。
これまでもたくさんの級友がいて、いろいろな人と知り合ってきた。塾講師のアルバイトでは、さまざまな家庭環境の子どもと出会った。そこでいつも感じ、なくしたいと思っていたのが「格差」だった。
人や家庭、環境が違えば、差が生まれる。
家族構成が違う。裕福さが違う。その感じ方も違う。そして、やれることやなれるもの、選べるものが違う。小さな取るに足らない差異から、人生を左右してしまうほどの格差まで、多くの差がある。
「勉強したいけれど、塾に行かせてもらえない。だから志望する学校に行けない」という子もいた。選択肢があって、自分で選べたら、その子の人生はもっと良いものになるかもしれない。少なくとも、自分の意志で選び取った人生になるはずだ。幸せを阻む格差を、もし自分の力でなくすことができれば……。
そんな中で出会ったバイト先が「教育×ITで教育格差をなくす」を掲げて塾を運営している企業だった。生徒は、配信される生放送の授業を、企業が開発した専用アプリを通じて場所を問わず受講できるというのが特長だ。テキストはアプリ内に表示され、購入する必要はない。リアルタイムで講師に質問することもできる。
創業者はファイナンシャルプランナーで、「教育費は大きく家計を圧迫する。そのため、家庭の収入によって、勉強や進学をあきらめざるを得ない子どもは多い。だから、場所を問わず、大きなコストもかからず、良質な授業を受けるチャンスをつくって、そういう子どもたちを救いたかった」と、会社立ち上げの想いを話してくれた。ITを活用することで、子どもたちの選択肢を増やし、自分の意志で選べるようにしたい、と。その想いに共感し、「ITで世の中は変わる!」と大きな可能性を感じるようになった。
はたらく中で、大人たちを変えることが重要だと考えるようになった。そして、大人を変えるなら、生活の中で圧倒的に大きな時間を費やしている「はたらく」に対する考え方や環境を変えることこそが重要だ、と気が付いた。それをITで実現したい。パーソルの中でも、その実現に一番マッチしていたのが、パーソルクロステクノロジーだった。
入社後、さまざまなプロジェクトに配属された。
その中でも、プロジェクトメンバーたちの、「はたらく」に対する考え方や環境を変えることができないか、と常に挑戦してきた。目指したのは、「はたらいて、笑おう。」の実現。メンバーたちが「楽しい」「幸せだ」と思いながらはたらけていれば、きっと「はたらく」に対する考え方や環境も良い方へと変わっていくはずだ、と考えたのだ。
そのために「共に創る」ことを意識した。それは誰かを置きざりにしないこと。全員が納得感を持ってはたらける環境を、率先して自分がつくること。
今回の開発プロジェクトでも、「共創する」ことを何より意識した。
自社のメンバーはもちろん、クライアントのプロジェクトメンバーも、誰もが納得した製品にしたい、と。
ユーザーとなる多様な業種のたくさんの人にとって役に立つ製品とは、を考えに考えた。
どんな人も置いていかれることなく、誰でも使えて役に立つ製品にしたい、と。
そうして多くの人と「共に創り」、完成させたのが、このXRグラス。冒頭で活用例として、新人の業務をベテランがリモートでチェックするという使い方を挙げた。体の負担の大きい作業から離れ、リモートで現場の業務を監督できるようになれば、はたらける年齢の上限を延長できる職種も多いはずだ。人生100年時代を幸せに生きるための貢献がそこでもできるだろう。また、就業場所の制限がなくなれば、家族との時間をしっかり確保することもできる。何より、HR×ITで、はたらく選択肢を増やせるのだ。
それは幸せで充実した人生を送る人を増やすことはもちろん、その子どもたちの将来も明るくすることにつながるはず。入社以来ずっと目指してきた、ITで「はたらいて、笑おう。」を実現する、が一つ、形になるのだ。
100歳になった自分が、充実した毎日を送りながら、笑顔ではたらいている。そんなイメージを描きながら、HR×ITで次は何ができるのか、今日も探し続けている。

パーソルグループは、「“はたらくWell-being”創造カンパニー」として、2030年には「人の可能性を広げることで、100万人のより良い“はたらく機会”を創出する」ことを目指しています。
さまざまな事業・サービスを通じて、はたらく人々の多様なニーズに応え、可能性を広げることで、世界中の誰もが「はたらいて、笑おう。」を実感できる社会を創造します。





