パーソルホールディングス株式会社では、パーソルグループの全社員を対象に、社員の主体的な変化・成長とキャリア自律支援を後押しするための公募型研修「@(アット)」を実施しています。
この研修の一環として、2022年10月から3カ月間にわたり、「異業種交流型キャリアオーナーシッププログラム」を開催しました。研修の舞台となったのは「日本で最も美しい村連合」の一つとして知られる、長野県木曽町です。
本研修では、木曽町のご協力を得て、パーソルグループの有志の研修参加社員と木曽町役場の選抜職員の官民混成チームを組成。期間中、参加メンバーは木曽町が抱える地域課題を調査・理解し、その解決策を最終プレゼンテーションとして木曽町町長に提案しました。
今回、全3チームが行った提案のうち2チームの施策が高く評価され、木曽町の予算化事業として採用されることになりました。
研修の様子。オンライン会議と現地訪問を織り交ぜながら、チームごとに活動を行いました
提案内容・評価ポイント
本研修プログラムでは、パーソル社員と木曽町役場職員がワンチームとなって取り組みを進めたことで、町民の意見を反映した実効性のある提案につながりました。採用されることになったのは、以下の2つの提案です。
・「結婚・子育て世代支援を目的とした地域商品券のデジタル化」
町民の買い物の利便性を高めるため、紙で流通している地域商品券のデジタル化を実施するという提案。新型コロナウイルス感染症のワクチン接種などで役場に来訪していた町民の方々に出口アンケートを行い、町民ファーストの観点で施策を立案したことが評価ポイントとなりました。
・「移住促進を目的としたパンフレットの刷新」
移住者増加を実現するにあたり、町外の方に木曽町に興味を持ってもらえるよう、パンフレットの刷新を提案。課題の背景理解やプレゼンテーションの分かりやすさ、実現の可能性が高いことなどが評価されました。
各チームの提案資料(抜粋)
チームリーダーに聞きました!
提案が採用された2チームのリーダーである桜井 誠也(パーソルテンプスタッフ株式会社 フィールドワーク事業部/「結婚・子育て世代支援を目的とした地域商品券のデジタル化」チーム リーダー)と、老川 麻衣子(パーソルダイバース株式会社 Staffing受託第1事業部/「移住促進を目的としたパンフレットの刷新」チーム リーダー)に、今回の研修の感想を聞きました。
――どのように木曽町の課題を理解し、提案を検討されましたか?
徹底的に町民アンケートを行い、実態に即した課題の優先順位をつけることで、施策ありきではない「町民ファースト」の視点で提案を考えるようにしました。
私たちが行ったアンケートでは、町民の皆さんの「買い物」の利便性向上への関心が高いことが明らかになったんです。これに対してどうアプローチしていけるのかをチームメンバーで議論を重ね、木曽町住民の方にとって利便性高く、かつ安心して生活できるようにするための施策の一環として、地域商品券のデジタル化をご提案しました。
私たちのチームは、「長野県全体で見ると移住者は決して少なくないのに、木曽町に絞るとなかなか移住者が増えていない」という実態に着目しました。
そこで、実際に町外から木曽町に移住された方にお話をお伺いするなどして、私たち自身が木曽町の魅力を理解。そして町外の方に木曽町の魅力を知ってもらうため、ぱっと見で町の魅力が伝わるパンフレットを制作・配布することで、移住者増加を促進したいと考えました。
――事業化の一報を聞いた時の気持ちを教えてください。
「うれしい」の一言ですね。一時的な関わりで「アイデアを出して終わり」ではなく、町民の皆さんのために事業化・継続されることが、大変誇らしく感じています。
また機会があれば、木曽町のため、何か力になることができればと思います。今回は貴重な機会をいただき、ありがとうございました。
正直なところ、提案を考えていた時は実際に採用いただけるとは思っていなかったのですが、事業化が決まったと聞き、チームメンバー全員で喜び合いました。3カ月間、多くの時間を使って議論を重ねてきましたので、それが良い結果となり、とてもうれしいです!
チームメンバーをはじめ、多くの方々にお世話になり、本当にありがとうございました。
今回採用された2つの施策は、今年度中に実施される予定です。
■公募型研修「@」とは
先進的でユニークなワークショップや、NPO・地方自治体などと協働を通じた社会課題解決の体験を通じて、自己探求を行い、自身の大切にしたい価値観や新しいキャリア観を育むことを目的とした研修です。「日常と異なる体験」や「内省と対話」を通じたアクティブラーニング型研修を通じて、日々の仕事や取り巻く環境、考え方や価値観の慣習などから少し離れ、普段とは異なる視点でキャリア(人生観や仕事観など)を見つめ直すことや、これまで触れたことのない世界に飛び込む体験を通じて、自身の価値観や想い、大切にしたい軸を再発見することを目指しています。