開業率日本1位を誇る福岡市。そのスタートアップの現状と未来に迫る社内セミナーを開催!

パーソルグループでは、お客さまの課題を解決するため、「ONE PERSOL」というキャッチフレーズのもと、グループ内の会社やサービスの垣根を越えてさまざまな取り組みを進めています。2月15日、九州エリアにおける「ONE PERSOL」活動の一環として、外部講師を招いた社内セミナーを開催しました。

本セミナーの主題は「福岡のスタートアップ」。福岡市はスタートアップ支援に力を入れており、開業率は全国の政令指定都市の中で一位を誇ります(2021年度)。
そんな福岡市のスタートアップをめぐる状況を理解し今後の地方活性化へのヒントを得るべく、九州大学 大学院 経済学研究院 産業マネジメント専攻 教授の高田 仁氏と、福岡県商工部新事業支援課 創業支援係長 福岡県ベンチャービジネス支援協議会 チーフマネジャーの山本 芳嗣氏を講師としてお迎えし、次の3つのテーマでパネルディスカッションを実施。ファシリテーターは、パーソルテンプスタッフ株式会社 広域第二事業本部 本部長の鈴木 理裕が務めました。

■3つのテーマ

  1. 「九州大学発のスタートアップの現況と全体感について」
    「福岡県のスタートアップの取り組みについて」
  2. 「福岡県でスタートアップがスケールできない原因」
  3. 「課題を解決するために人材業界に求めることは?」
ファシリテーターの鈴木 理裕
高田 仁氏(左)と山本 芳嗣(右)氏

セミナーは、オフラインとオンラインの両方で行われ、約70人の社員が参加。会場にも多くの参加者が集まり、講師陣の話を聞き漏らすまいと始終真剣な眼差しで耳を傾ける姿が印象的でした。

また、テーマ2の「福岡県でスタートアップがスケールできない原因」のディスカッションの後に設けられた質疑応答タイムでは、参加者からさまざまな質問が飛び交い、大いに盛り上がりました。

そのうちの一つの質疑応答を抜粋・編集してご紹介します。

スタートアップしてスケールしていく人と、スタートアップしても自分のライフスタイルに合わせて食べていければ良いというライフスタイル型の人がいるというお話がありましたが、ここまで伺ってきて、どちらかというと「もっとスケールしていこう」の方向にフォーカスされていたように感じました。私は、ライフスタイル型の人が増えることもいいことだと思っているのですが……。

高田

とても重要なポイントです!ライフスタイル型でも起業する人が多い、つまりみんなが小さな挑戦を積極的に行っているというのは、そうした風土や土壌があるということです。福岡県はサービス業など商業が盛んでレストランなどの商いがたくさん立ち上がっています。それは風土をつくる上でとても大切なこと。でも、小さな商いでは、世界が抱える大きな問題を解決することになかなか結び付かないという問題がどうしてもあります。

そうした課題には、テクノロジーなどの技術革新に立脚したディープテックと言われるような取り組みで解決を図ろうとするスタートアップ企業が生まれ、スケールしていくことが重要です。つまり、両方とも意義があり、両者共存で良いわけで、ぼくはライフスタイル型の起業も大いに歓迎すべきことだと思っています。

山本

福岡県では、ライススタイル型といいますか、福祉や教育、子育てといった社会課題が残る分野で活躍する新興企業、いわゆるインパクトスタートアップも以前より増えています。

たとえば福岡県うきは市では、高齢者の孤独や貧困を解決するために、75歳以上のおばあさんたちがはたらける会社を起業した方もいらっしゃいます。高齢者と若者が協力してはたらく取り組みとして、いろいろなところで注目されています。そのような地域の課題を解決するライフスタイル型というのも心地良い生活のために今後必要になってくると思います。行政がなんでもできるわけではないですし、労働人口は確実に減っていきます。今、もうかなり厳しい状況ですし……。そういった中で、地域の課題を解決していくビジネスというのは、非常に重要だなと思います。

高田

山本さんがおっしゃったようなスタートアップ企業はぼくも必要だと思います。地域の課題を“自分ごと”として捉え、どうしたら解決できるか考えて、ご近所さんや仲間などに声をかけるなどして人を集め、小規模から初めてみる。そうすると、そこは幸せな場所になったり、すごくいい仕組みができたりするんです。

大きくスケールするスタートアップも必要ですが、こうした地域課題解決のためのスタートアップというのも実に重要です。そして、両者には共通する部分があります。それは、「主体性を持って積極的に動く」ということ。誰かの何かに依存して生き続けるのではなく、積極的に自分で機会を見つけて挑戦してく人が増えていくこと、――それが、日本という国の活力を高めることにつながるのではないかと思います。

鈴木

人生100年時代となるこれから先、75歳とか80歳まで元気にはたらかなければならない時代が来ます。それに伴い定年の年齢が70歳、75歳まで延長されるかもしれません。でも、シニアになっても積極的に動くことはとても重要だと思っています。山本さんが福岡県うきは市についてご紹介されていましたが、たとえばシニアの方々が、そういった地域の課題解決に向けたスタートアップをしていってもいいですよね。人材ビジネスの視点でも、シニアの方に元気に活躍していただける場は重要なので、ぜひ増やしていきたいですね。

パネルディスカッションは70分ほどでしたが、参加者にとってとても有意義な時間となったようです。また、セミナー終了後、高田氏と山本氏は、次のように感想を語りました。

高田氏:とても盛り上がり、スタートアップに多くの人が関心を持っていることを改めて感じられる良い機会でした。また、いろいろなご質問をいただき、パーソルグループの皆さんは、さまざまなことに問題意識を持って常に誠実にお仕事に向き合っているんだろうな、という印象を受けました。ありがとうございました。

山本氏:行政という立場で、社会情勢や人口減少について、思うところを話させていただきました。人材業界の方と話す機会はあまりないので、とても貴重な体験でした。ありがとうございました。

右から、高田 仁氏(九州大学 大学院 経済学研究院 産業マネジメント専攻 教授)、鈴木 理裕(パーソルテンプスタッフ株式会社 広域第二事業本部 本部長)、山本 芳嗣氏(福岡県商工部新事業支援課 創業支援係長 福岡県ベンチャービジネス支援協議会 チーフマネジャー)
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