自分たちの存在意義は、顧客の「雇用のタスキ」をつなげることにある ― PERSOL Group Awards 2022受賞の裏に(2)秋丸顕一 ―

パーソルグループでは年に1回、グループ内表彰「PERSOL Group Awards」を実施しています。「PERSOL Group Awards」とは、グループビジョン「はたらいて、笑おう。」を象徴するパーソル社員とその仕事の成果に贈られる、グループでもっとも栄誉ある賞のこと。各SBU、およびユニットに貢献し、提供価値を創出した社員を表彰しています。

本連載では、2022年度の「PERSOL Group Awards」を受賞した社員のキャリアストーリーと、受賞の舞台裏をご紹介します。
第2回目は、パーソルキャリアコンサルティング株式会社の秋丸 顕一です。

外資系企業の日本法人の日本事業撤退に向けて、さまざまな困難がある中、従業員の雇用の創造に走り続けた日々。「なんとかしたい」という想いを原動力に、高い再就職決定率を実現。プロジェクトを通して、常に意識している顧客目線の大切さを再確認することになりました。

目次

勤務先の倒産が、再就職支援事業に興味を持つきっかけに

就職氷河期、やっとの思いで入社した広告代理店が、ほどなくして倒産。転職活動を行う中で、秋丸は再就職支援を行う企業の存在を知り、転職を決意しました。

「人材派遣会社や人材紹介会社などは知っていましたが、再就職支援会社とはなんぞや?というのが最初の印象でした。いろいろ調べたり話を聞くうちに、会社が倒産した時などに従業員の再就職支援をはじめとするさまざまな支援を行っていることを知り、すごく興味を持ったんです。前職の広告営業ではどこか流れ作業的に感じ、どう世の中に役に立てているかわかりにくい部分がありました。でも、この会社はダイレクトに会貢献性のある会社だなと。そういう会社ではたらきたいと考えていたので入社を決めました。それが25歳の時でした」

その後、しばらく経ってから所属していた会社がパーソルグループ入り。秋丸はハローワークからの受託事業をはじめ、受託事業従事者への教育、支社経理、求人開拓営業、キャリアカウンセラーなど多種多様な業務を経験。何度かの社名変更はありながらも、かかわっている領域は一貫して再就職支援事業です。

「私はこの会社の中では、一番いろいろな職種を経験している社員かもしれません。でも、それが自分の視野を広げることになり、私の糧になっていると今は感じています」

“雇用のタスキ”をつなぐために

今回のプロジェクトでは、約1,200名の従業員の再就職支援がミッションでしたが、それ以前にクリアしなければいけない問題が山積していました。たとえば、海外ではジョブ型雇用が一般的なため国や地域によっては比較的容易に社員を解雇できるなど、雇用に対しての価値観が日本と大きく異なります。そのためドイツ本社に対して海外と日本の雇用に関する法律の違いを認識してもらい、再就職支援ための予算確保など、本来業務にはない、交渉に関するところから関わったのです。

「もし日本での事業が継続となった場合には、案件自体がなくなることもあるわけです。でも、決まってから準備するのでは間に合いませんから、グループ会社の協力のもと、いつでも案件を走らせる状況をつくっていました。いざ事業撤退が決まってからは、社内外へのリリース発表、従業員説明会などを、通常では考えらない短期間で進めなければなりませんでした。しかし、そんな状況でも私が何よりも大切に考えていたのは、従業員の方々に安心感を持っていただけるような対応と、再就職先を集めること、つまり雇用の創造を実現することでした」

従業員の皆さんと実際に対峙することで、秋丸のモチベーションはさらに高まったと言います。

「従業員の皆さんへの説明会でお会いすることで、社風や社員さんたちの人間性がわかってきたんです。社員同士すごく仲が良く、和気あいあいとしている。パート社員の方から『パートにまで気を遣ってくれてありがとう』と声をかけていただくこともありました。こんな良い会社がなくなってしまうわけです。そこではたらく方々をなんとか支援したいと強く思うようになりました。これは私だけではなく、メンバー全員が同じ気持ちでしたね」

結果、再就職決定率は6カ月で86%という高パフォーマンスを実現。“雇用のタスキ”をつなぐことができました。また、今回のプロジェクトによって、有期社員向けの新サービスが誕生するという付加価値も生まれました。

模索していた「はたらいて、笑おう。」を実感

秋丸は今回の案件から多くの学びを得て、成長を実感するとともに、自分にとっての「はたらいて、笑おう。」、パーソルではたらくことの意味を実感したと語ってくれました。

「今回のプロジェクトでは、顧客である日本法人の『従業員の雇用を守りたい』という願いに共感し、それを叶えるためにチームをはじめ、グループ内の協力を得ながら達成することができたと思っています。その結果、チームの連帯力がより強くなったと感じていますし、新たなサービスの創出にもつながりました」

さらに、このプロジェクトを遂行したことが、自身の気付きにもつながったのだとか。

「2019年にグループビジョンの『はたらいて、笑おう。』が発表となった時に、自分なりにその意味をいろいろ考えることがありましたが、曖昧なままでした。しかし今回のプロジェクトを担当したことで、仕事を通じてさまざまな発見や成長がある中、次の目標であるとか自己実現に向かっていくことなのではないかと感じました。それを実現できるのがパーソルという会社。私がパーソルではたらいている理由は、ビジョンや理念、価値観にすごく共感しているからなのだと実感しています」

加えて、秋丸には本プロジェクトを遂行していく中で、心に残った言葉があったといいます。それは顧客である日本法人の社長から直接言われた一言でした。

「実は日本法人の社長は、以前当社の再就職支援サービスをご利用いただいたことがあり、その当時のキャリアカウンセラーのサポート内容を高くご評価いただいていたんですね。社長から『今の自分があるのは、あの時のキャリアカウンセラーの方からのアドバイスがあったおかげです』とおっしゃっていただけた。それは競合他社がある中、当社への発注につながった要因の一つと言っても過言ではないと思っています。再就職支援サービスとは一時的なものではなく、われわれがご支援した方々が次の就職先で活躍し、当社のサービスを利用して良かったと思っていただくこと。まさに社長の言葉が『はたらいて、笑おう。』を体現している象徴的な言葉だと感じました」

秋丸が、最後にパーソルキャリアコンサルティングへの想いを熱く語ってくれました。

「キャリア自律のご支援、雇用の入り口から出口まで、いろんな取り組みが充実しています、いろんなことを創造しています、と胸を張って言える会社でありたい。そのために進み続けたいと思っています」

再就職支援サービスによって新たな就職先へと旅立った人たちが、心から「はたらいて、笑おう。」を実現できることこそが、自分たちの存在意義・介在価値である。秋丸の言葉からは、そんな想いが伝わってくるのです。

今回のプロジェクトメンバー
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