目指したのは、制度やルールの変更も辞さない劇的な改善と運用の実現 ― PERSOL Group Awards 2022受賞の裏に(1)西浦 卓 ―

パーソルグループでは年に1回、グループ内表彰「PERSOL Group Awards」を実施しています。「PERSOL Group Awards」とは、グループビジョン「はたらいて、笑おう。」を象徴するパーソル社員とその仕事の成果に贈られる、グループでもっとも栄誉ある賞のこと。各SBU、およびユニットに貢献し、提供価値を創出した社員を表彰しています。

本連載では、2022年度の「PERSOL Group Awards」を受賞した社員のキャリアストーリーと、受賞の舞台裏をご紹介します。
第1回目は、パーソルテンプスタッフ株式会社の西浦 卓です。

膨大な申請書類を、いかに効率的に処理して業務の効率化を図れるか。山積する課題に対して果敢に取り組み、目に見える成果を上げることに成功した西浦。明るく、楽しくはたらける人を少しでも増やしたい。その想いが西浦を突き動かしたのです。

目次

誰かに良い影響を与えられる仕事を求めて

約3年間、パーソルグループ外の人材派遣会社で営業を経験し、2019年2月にパーソルキャリア株式会社に入社。2020年6月からパーソルテンプスタッフに出向となり、関西の政令指定都市の行政事務センターの案件を担当。会社や職種は変わっても、常に西浦の心にあるのは「誰かのために、その人に良い影響を与える仕事をしたい」という想いだ。

「最初の会社を退職した理由としては、仕事は楽しむものという自分の思想と、ものすごく管理体制が厳しい企業体質とが合わなかったことでした。加えて、担当する業務の範囲が狭く感じていたので、もっと自分が与えられる影響範囲を広げたい想いもありました。とはいえ、引き続き人材サービスの分野ではたらきたい想いからパーソルキャリアに転職しました」

パーソルキャリアでは、『doda』のディレクターとして求人広告の制作を担当。ライターとして自分で取材を行い、記事を書いていました。

「自分が創った広告が全国に展開されます。それは、自分の記事がきっかけで、求職者の方が希望する道に進むことができるということでもあります。それは社会的にも意味のあることだと思いますし、自分が与えられる影響範囲も広がるのではないかと考えていました」

パーソルキャリアの在籍期間は1年ほどでしたが、西浦にとって数年分にも値する濃密な日々だったといいます。

「はたらき方や社内の環境などもろもろ含めて、以前の会社との違いに、良い意味でカルチャーショックを受けました。周りの同僚からたくさんの刺激もいただきました。約1年ではありましたが、すごく濃密な1年でした」

「挑戦なくして変革なし」を胸に、“四方良し”を体現する施策を提案し続けた

パーソルテンプスタッフへと異動となった西浦が担当したのは、業務の効率化に大きな課題を持つ、関西の政令指定都市の行政事務センター案件でした。パーソルテンプスタッフとしては利益を創出する必要がある中、クライアントから突然、ICTを活用した業務改善依頼に加え、請求金額の減額を求められる事態に。

「ICTの活用は一つの手段でしかなく、そもそもの制度やルール自体を見直し、運用方法を劇的に変えなければ業務を改善することはできません。そこでクライアントとともに、業務の根本的な再検討を行う組織『BPR(ビジネスプロセス・リエンジニアリング)推進チーム』を創設しました。でも当時は、『BPR?なんですか、それ?』というところからのスタートでした(笑)」

西浦はもちろん、チームのメンバーたちにとってもはじめての試みでした。しかし、納期は迫り、悩んで立ち止まっている時間などなく、とにかく前へ進むしかなかったのだといいます。
電子申請やRPAの導入も当時は未知の世界。そこで、小規模なものから導入し、小さな成功体験を積んでいきました。さらにその事例をセンター全体で共有できたことにより加速度的に普及していきました。
そういった中でも、西浦は小手先の手法や手段に走るのではなく、常に目的を見失わずに取り組んでいきました。

「2021年度だけで100件以上の提案を行いましたが、その中に我々が楽になるためだけの施策は何一つありません。行政事務センターの職員の方々の負担軽減、エンドユーザーである市民の方の利便性などを大前提としたものばかりです。そこは今も一番意識しているところです」

誰かのために、良い影響を与える仕事をしたい。業務内容が大きく変わっても、西浦の信念は揺らぐことはありませんでした。その強い想いと行動力が大きな改革へとつながっていったのです。

「チームのメンバーともども、“挑戦なくして変革なし”を胸に、これまでに前例がないことを理由に見送られてきた取り組みにも、センター全体で果敢に挑戦しました。それによって今回の取り組みの結果を創出することができました。その一方で、地味な活動・地道な一歩が大きな変化や結果を生むという感覚をセンター内で共有できたことも、我々の財産になったと思っています」

西浦たちが実施したプロジェクトの成功体験は、ほかの自治体のセンター運営に関わるプロジェクト担当者からも注目を集め、北海道や関東、九州からも「参考にしたい」と、視察の依頼を受けることもあるといいます。

「うれしいことに、われわれの取り組みを参考にしていただける機会も増えました。また、クライアントからもBPRでの施策について賞賛していただき、それが受託案件数の増加にもつながりました。今回のプロジェクトは、クライアント・受託業務スタッフ・地域社会、そして自社の『四方良し』を体現できたと考えています。クライアントに対しては要望されていた請求額減額の実現、受託業務スタッフに対しては雇用枠の増加と複数業務の兼任によるスキル向上、地域社会に対してはICT活用による行政手続きの簡略化や利便性の向上、自社にとっては追加案件の受注につながりました。ただし、現状に満足することなく、さらなる挑戦を続けていきたいと思っています」

明るく楽しくはたらける人を少しでも増やしたい

西浦にとって、パーソルキャリアとパーソルテンプスタッフ、それぞれの会社で、一緒にはたらいていて楽しいと思える仲間がいること、尊敬できる先輩たちがいることが大きな糧となっています。

「周りからすごくたくさんの刺激をもらっています。『この人と一緒ならなんでも実現できそうな気がする』、そう感じさせてくれる人が多いんですね。だから自分もそうなりたい。一緒にはたらいてワクワクしてもらえるような人になりたい。それが目標の一つです」

さらに西浦には、決して変わることのない、もう一つの目標があるのだと言います。それは自分がはたらく上での初心ともいえる強い想いです。

「ちょっとおこがましいのですが、少しでも明るくはたらく人を増やしたいという想いは、新卒時から変わっていません。『日本には死んだ魚のような目をして出勤している人が多い』と言われることがありますが、それを変えたい。『はたらいて、笑おう。』を体現できる人を少しでも増やしたい。その想いは常にありますね。僕自身、毎日キラキラはたらいているわけではありませんが、新しいことに挑戦する時は不安もある一方で、ワクワクもしますよね。そういう人を増やせたらいいですね。それが私がパーソルではたらく理由であり、意義なのかもしれません」

大きな困難を伴う仕事だったからこそ達成感は大きく、自身の成長にもつながる。西浦の表情と言葉からは、そんな自信が垣間見えるのです。

今回のプロジェクトメンバー
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