とことんスタッフの方に寄り添い、問題解決に努めたことで得られた大きな成功 ─ PERSOL Group Award 受賞の裏に(11)横山智子 ─

パーソルグループでは年に1回、グループ内表彰「PERSOL Group Award」を実施しています。「PERSOL Group Award」とは、グループビジョン「はたらいて、笑おう。」を象徴するパーソル社員とその仕事の成果に贈られる、グループでもっとも栄誉ある賞のこと。各SBU、およびユニットに貢献し、提供価値を創出した社員を表彰しています。

本連載では、2021年度の「PERSOL Group Award」を受賞した社員のキャリアストーリーと、受賞の舞台裏をご紹介します。第11回目は、パーソルテンプスタッフ株式会社の横山 智子です。

雇用を生み、そして守ることに並々ならぬ情熱を注ぐ横山。モチベーションの源泉は、スタッフの方の想いに寄り添う強い気持ちでした。

目次

離職する人々を前に感じていたジレンマ

社会人として最初の4年間は、前職で人事部の採用担当としてキャリアを積んだ横山。しかし、人材の“出入り”に立ち会ううちに、自然と新たな目標を持つようになりました。

「その時の私の役割として携われるのは入社と退社、つまり入口と出口の部分だけ。そのため、たとえば退職を申し出る人材にその理由や原因をヒアリングしても、現場の改善にコミットできない立場であることに、次第にもどかしさを感じるようになりました。そこで、もっと人材に寄り添った仕事がしたいと思いはじめたときに目についたのが、入社後も継続して就業フォローができる人材業界だったんです」

会社を去る人材の中には、人間関係や待遇に対する不満など、なんらかのネガティブな理由を口にする人もいます。それなら、そうした不満の根本を改善すれば、誰もがよりはたらきやすく、活躍できる環境がつくれるのではないか。そんな想いを抱えていたことが、彼女の中で少しずつ人材派遣業界への興味を膨らませていきます。これがパーソルテンプスタッフへの転職を後押ししました。

パーソルに入社後3年間は経験を活かして同じく採用業務に従事。転機になったのは4年目、BPO(Business Process Outsourcing)事業の運用現場への異動が決まったことです。採用からプロジェクトマネージャーに立場を変えたことは、横山にとって大きな変化でした。

「自分には採用しかできないと思い込んでいたので、現場運営にあたるのは刺激的でとてもやり甲斐がありました。それまでも社内にどんな業務があるのか、表面的には理解していたつもりです。でも、いざ現場を知ってみると知らないことばかりで、ゼロから勉強しなければならないのは大変でしたが、実務を一つひとつ覚えていくたびに、委託元企業や業務のことがより深く理解できたようで充実感がありましたね」

そうして着々とキャリアアップを図る中、結婚、そして出産を経験したことが、次なる転機につながります。

異動直後に直面した大きなハードル

「育休明け、アウトソーシング事業部の移転があり、通勤に片道2時間近い時間を要するようになりました。2年ほどがんばって続けたものの、通勤に時間を取られてしまい、本来の業務に割ける時間が限られてしまうことにもどかしさを感じ、キャリアチャレンジ制度を使って自宅から通いやすい派遣事業部に異動させてもらうことを決意しました」

前任者から引き継ぎを受け、最初に担当することになったのは、某大手印刷会社の案件でした。これがPERSOL Group Award受賞につながる取り組みとなります。

ところが、着任と同時に「御社からの新たな採用はここまでとなります」と、事実上の取引停止を通達されてしまいます。派遣人材の枠を縮小するため、それまでの実績の大きい数社に取引き先を絞ることになったというのがその理由でした。

「いきなり出端をくじかれた気分で、とてもショックでした。でも、お客さまの派遣ニーズはなくなったわけではないですし、これまではたらいてくれていた派遣スタッフの方の雇用を守るためにも、私としても簡単に退くわけにはいきません。そこで食い下がるようにして先方の担当者にヒアリングを重ねたところ、どうやら根本にある本当の原因は、“相談しても親身になってくれない。パーソルはどこかお高くとまっているように見える”と、会社に対して悪い印象を持たれてしまっていることだと判明したのです」

ならばネガティブなイメージを払拭し、信頼関係を築くことから始めなければならないと心に誓った横山。しかし、着任から間もない中、何から手をつけていいのか見当もつきません。

そこでまずは、お客さまとのコミュニケーションを強化しながら、その時点で自社から派遣している3名のスタッフの方のフォローを徹底することに努めます。

「毎週水曜日を面談日に設定して、3人のスタッフの方が今、何を感じ、何に困っているのかをつぶさに聞いて、必要があれば状況の解決に努めました。まず自分にできるのは、この3名のスタッフの方に気持ち良くはたらいてもらうことであり、それがお客さまの利益につながるはずだという一心からでした」

しかし、就業先はセキュリティが厳しいため、細かい内情を話してもらうことが難しく、正しい情報を取得することがなかなかかないませんでした。一方で、クライアントから理解不足を厳しく叱責されることもあったという横山。それでもめげることなく、2カ月ほどスタッフの方との面談を続け、お客さまとの密なコミュニケーションでスタッフの状況などの細かい共有を心掛けた結果、ついに状況を打開する糸口を掴みます。

「ある日の面談のあと、お客さまから『新しい事業を立ち上げるので、20人ほどをパーソルからご紹介いただけないですか』との言葉をいただいたんです。地道な努力が報われた瞬間で、思わず心の中でガッツポーズをしましたね。涙が出るほどうれしい瞬間でした」

100名の大型雇用を単独受注!

横山はすぐに社内の人選担当であるコーディネーターらと連携し、無事クライアントの依頼通り、短時間で20名のスタッフを派遣します。しかし、問題はここからでした。

「この新規事業というのが、想定していたよりも非常に難易度の高い職場だったようで、私が担当した20人のスタッフの方が、アサイン直後に『退職したい』、『続きそうもない』と音を上げてしまったんです。他社が派遣したスタッフの方もほぼ全員が離職していたことから、これは只事ではないと直感しました」

すぐにスタッフのケアにあたった横山は、スタッフの方から現場の状況を詳しく聞き取り、困り事を把握し、職場の環境改善につなげられそうな情報はお客さまと共有するなど、できるかぎりの手を講じました。

何よりも、ただ話を聞くだけでなく、スタッフの方の就業機会とクライアントのプロジェクトの両方を守るために、スタッフの方への指揮命令の在り方などをクライアントに意志をもって要望を出したのです。それにより、どうにか20人の離職を食い止めることに成功します。

「私自身も先方に常駐して、お客さまともスタッフの方とも綿密なコミュニケーションを徹底したんです。特に、結果として職場環境の改善につながったことは、お客さまに大変喜んでいただけました」

この実績が、さらなるビッグチャンスを生み出します。

「それから3カ月後のことです。今度は100人の人員を、パーソル単独で受注することができました。100人というのは私たちにとっても大きな数字ですが、お客さまとしても、リスクを伴う一大決心だったはずです。それでも、それまでの努力を認めていただけて、先方の担当者が、上長の方にパーソルを強く推薦してくださったんです。これはうれしかったですね」

この突然の巨大ミッションに、横山は奮い立ちます。

「パーソルとしてもこれは大きなチャレンジで、このときは本当に社内のメンバーに助けられました。普段は管理業務がメインのマネジャーも登録しているスタッフの方に積極的に声をかけたり、営業メンバーも管轄外でありながら近隣住宅に募集チラシを配布したりと、何がなんでもこの案件をやりきるんだという強い意思を共有し、一人ひとりがこの案件を成功させようと、強い使命感を持って取り組んでいるのを感じました」

その結果、クライアントも納得する100人の人選を1カ月という短期間で実現。横山はこの時あらためて、パーソルグループではたらくことの意義と喜びを実感したと言います。

今回のプロジェクトメンバー

目指すのは故郷・多摩地区への恩返し

一時は取引停止寸前だったお客さまとの関係は一転し、強い絆のもとに今日もさらなる支援が続いています。

横山の仕事ぶりは多方面で評価され、最近ではお客さまからプレゼンテーションやコミュニケーションの講師を依頼されることも。ますます多忙な日常に拍車がかかりますが、モチベーションはむしろ高まっています。

「私の担当エリアは、私自身が生まれ育った東京の多摩地区です。だから、雇用を創りだすことを通じてこの地域を活性化させることが、私の目標になっています。その目標に向かう中で、たまに『良い人材を紹介してくれてありがとう』、『素敵な職場を見つけてくれてありがとう』といった感謝の言葉をいただけることが、今の私には何よりのご褒美ですね」

人材の離職に立ち会うたびに感じていたジレンマは、もうありません。誰もが快適にはたらける環境づくりを目指して、横山はいっそう意欲を燃やしています。

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