細かな配慮とケアで、「外国人材×ローカル」の理想的なマッチングを実現 ─ PERSOL Group Award 受賞の裏に(4)上田純佳 ─

パーソルグループでは年に1回、グループ内表彰「PERSOL Group Award」を実施しています。「PERSOL Group Award」とは、グループビジョン「はたらいて、笑おう。」を象徴するパーソル社員とその仕事の成果に贈られる、グループでもっとも栄誉ある賞のこと。各SBU、およびユニットに貢献し、提供価値を創出した社員を表彰しています。

本連載では、2021年度の「PERSOL Group Award」を受賞した社員のキャリアストーリーと、受賞の舞台裏をご紹介します。第4回目は、PERSOL Global Workforceの上田 純佳です。

コロナ禍という逆風の中、国内の地方企業と外国人材とのマッチングで成果を上げた上田の原動力は、社会課題に立ち向かう使命感でした。

目次

人材が巻き起こす組織の成長と変化

幼少期から家族でたびたび海外を訪れていた上田にとって、大人になるにつれ海外カルチャーへの関心が高まるのは自然な流れであったといえるでしょう。

大学では授業もテストもすべて英語で行なわれる国際教養学部に在籍。さらに、サークル活動と並行して世界最大級の海外インターンシップの運営を行う学生団体に籍を置き、インターンシップのサポート業務に携わりました。

「日本から海外、海外から日本と、双方向のインターンシップ業務を手掛けている団体で、私が担当していたのは海外からの受け入れ業務でした。中国やポーランドなど、日本でのインターンシップを望むさまざまな国の学生を対象に、受け入れ先の企業を探して、それにまつわる運営全般をサポートするのが役目です」

そんな日々の中、人材業界への興味につながったのは、とある経験でした。

「私が担当していたスタートアップ企業が、中国の学生を二人受け入れてくださったのですが、当時社員が2~3人の会社だったので、突然、社員の半分が外国人になったんです。それによって社内の雰囲気ががらりと変わり、事業の面でも海外関連のサービスの検討が始まるなど、組織がそれまでとは異なる方向に成長していく様子が、当時の私にはとても新鮮でした。組織というのは人材によってこれほど変化するものなのかと、あらためて実感させられる出来事でしたね」

これが今日、パーソルで外国人材の採用支援を担当するに至る原体験であったことは間違いないでしょう。

苦い想いも経験した新人時代

大学卒業後は旧インテリジェンス(現パーソルキャリア)に入社。当初は、生命保険会社など金融機関をメインに担当する法人営業でした。

「新入社員のころはとにかく“お客さまにちゃんと提案しなきゃ!”と気を張っていましたが、表面だけ取り繕ってもやっぱりまだまだ実力不足で……。1年目から何社かのお客さまを担当させてもらったものの、期待に応えられず担当替えになってしまうようなこともありました。コミュニケーションや物事をそつなくこなす器用さには自信があっただけにこれはショックな現実で、体重が大幅に落ちるほど悩みましたね」

他人とコミュニケーションを図るのは得意でも、それを成果に結びつけることの難しさに直面した新人時代。出鼻をくじかれ、一時はすっかり自信を失ってしまった上田でしたが、それでも場数を踏むたびに少しずつ成長していきます。立ち直ったきっかけは、周囲のサポートでした。

「今振り返っても、当時の上司や先輩には感謝しかありません。パーソルグループには人材をしっかり育てようというイズムが根付いているので、どんなに未熟で失敗を重ねても、見捨てられるということがないと感じています。おかげで時に励まされ、時に叱咤されながら、どうにか自分を取り戻すことができました。この時期にお世話になった上司や同僚とは、今も仲良くさせていただいています」

そうして営業の現場で少しずつ成果が出せるようになると、俄然、仕事が楽しくなったと振り返る上田。金融担当を3年務めた後、結婚に伴って転勤した仙台支社で、新たな問題意識に目覚めます。

ローカルの人材業が抱える深刻な課題

「同じ人材派遣業でも、東京と地方都市の事情の違いに愕然としました。人材不足に悩む企業が多いのはどちらも同じですが、地方ではお客さまからいただいた希望に沿ってデータベースを検索しても、該当する候補者がほとんどヒットしないことが珍しくないんです。一から育成する余裕のある企業であればいいですが、そんな企業ばかりではありません。結果的に人材不足が労働環境の悪化につながり、それによってさらに採用が難しくなるという悪循環に陥っていました」

初めて知る地方の課題に、頭を悩ませた上田。そこでひらめいたのは、「日本のローカルエリアとグローバルをかけ合わせれば、課題解決につながるのではないか」ということでした。

「日本で仕事を求めている外国人は、今も大勢いらっしゃいます。それであれば、そういう人材を首都圏だけでなく各地方都市にご紹介することで、お互いにメリットのある仕組みになるのではないかと考えました」

この思いつきが、彼女のチャレンジ精神に火をつけます。

「ちょうどコロナ禍が始まったばかりのころで、当時は自分が明日どうなるか分からないという不安がありました。それなら、やれるうちにやりたいことを追求するべきだと考え、グループ内の公募異動制度を使って現在所属するPERSOL Global Workforceへの異動願いを出したんです」

もともと入社以来ずっと、外国人採用に携わりたいという想いを胸に秘めていたと明かす上田。東京と地方、2つの市場を経験したことで、自分の中に新たな引き出しが増え、機が熟したことを実感したのがこの時期でした。キャリアにして、5年目に差し掛かったころです。

3カ月で100人超の雇用を実現!

PERSOL Global Workforceでの新たな日々は、上田にとって刺激に満ちたものでした。

「PERSOL Global Workforceは2019年にできたばかりの新会社であったため、業務を進める上での仕組みやフローがありませんでした。メンバーも人材業界出身の人は少なく、それぞれが自分の強みを活かしながら、新しい仕組みをつくっていく風土があり、それゆえに任せてもらえる裁量が大きいのは魅力でしたね」

ちょうど異動したころ、外国人材の受け入れプロジェクトが進行中であったため、上田はジョインしてすぐに外国人材とローカル企業をマッチングさせるための仕組みづくりに尽力します。

具体的には、北海道・群馬県・福井県・岐阜県・鹿児島県の5エリアを対象とするプロジェクトで、ここにフィリピン、インドネシア、ネパールの3カ国からやって来た、介護分野の特定技能外国人をマッチングするのが彼女のミッション。しかし、企業側には外国人材に対する先入観が、外国人材側にはローカルに対する理解不足が、それぞれマッチングを進める上で大きなネックになりました。

そこで上田はまず、双方のマインドを修正することが、マッチングへの第一歩と考えます。

「企業側には『外国人材は安価な労働力である』との誤解があるのも事実ですし、外国人材側には、せっかく日本ではたらくなら、できるだけ都心をと望む人が多い現実がありました。そのため、企業側には自分たちも選ばれる側であるという意識を持ってもらう必要がありますし、外国人材側には各地域の都会に負けない魅力を知ってもらわなければならないと考えました」

そこで、求人票にその地域の魅力や特色を交えるなどの工夫を凝らし、一方ではその地域に先輩外国人がどれだけいるのか、日常生活などはどのような環境なのかなどを詳しく伝え、理解を促しました。

「重視したのはお互いへのリスペクト。やはり文化や風習が異なるので、お互いに良かれと思ってアピールしていることが、逆効果になるようなことも珍しくありません。そうした誤解を一つずつ丁寧に取り除いていくことが、互いの魅力を知ることにつながるのだと考えました」

面接準備から面接後のサポートまで、できる限りのケアに務めた上田。その結果、2020年度は異動から半年でこのプロジェクトを担当し、そこからわずか3カ月で採用充足率90%、採用数100名以上という実績を打ち立てました。

「努力は夢中に勝てない」

ローカルの労働力不足という社会課題の解消に向けての一手を打ち、外国人材がより快適に、長くはたらける環境づくりに励んだことで得られた結果。これが、上田への「PERSOL Group Award」受賞の決め手となりました。

「振り返って感じるのは、仙台での経験が自分にとってすごく大きかったということです。ローカルでの人材不足の要因は、必ずしも待遇や条件だけでなく、現地での住みやすさなど環境面に不安があるからではないかという気付きが得られました。一方で、ローカルでは企業が自社をPRする機会が少なく、アピールが不得手な企業が少なくありません。そうした細かな課題を洗い出せたことが、『PERSOL Group Award』受賞という結果につながったのだと感じています」

一方で、今回の受賞について、「自分一人の功績ではない」と上田は強調します。

「そもそも上司がこのプロジェクトを私に任せてみようと決断してくれたからですし、そのプロジェクトを成功させるために関係各社・各国と連携したのも、仲間がこれまで育んできた企業とのネットワークがあったからこそです。ただ、そこで私なりにこれまでの培ったキャリアを活かせたのは良かったですね」

PERSOL Global Workforce 副社長の谷中 洋治(左)と海外事業部の宮﨑 卓司(右)

PERSOL Global Workforceへの異動から、取材時点で1年半。わずか1年半とは思えない濃密な体験を、上田は最後にこんな言葉で表現しました。

「私の好きな言葉に、『努力は夢中に勝てない』というのがあります。今実感しているのはまさにそれで、夢中になれる仕事に出会えたからこそ、自分なりに精一杯努力を重ねることができたのだと思います。何より、そういう環境やチャンスを与えてもらえたことに、ただただ感謝ですね」

そう語る表情からは、彼女が今もまだ、「夢中」の真っ只中にいる様子がうかがえました。

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