【長田新子×友澤大輔】社会の変化を原動力に!“積み上げない”キャリアについて考える

パーソルグループは、7月17日よりウェビナーイベント「今、ニッポンのはたらくを考える会議」をスタートしました。新型コロナウイルス(以下、コロナ)の影響を受け、ニッポンの「はたらく」が大きく変化しているいま、私たちは、一体何に備え、どのような行動をとるべきなのか。そんなこれからの「はたらく不安」に答えるべく、毎回、各領域の専門家をお招きし、さまざまな業界・職業の今後や私たちが自分らしくはたらくことができる未来について考えます。

8月7日(金)19時から行われた第3回目のテーマは「社会の変化を原動力に!“積み上げない”キャリアについて考える」。一般社団法人渋谷未来デザイン 理事・事務局次長 長田 新子氏をゲストスピーカーにお招きし、コロナ禍においても、自らのキャリアを積極的に拡張し続けている人は、はたらき方・キャリアの描き方をどのように考えているのかを探りました。モデレーターはパーソルホールディングスでデジタル変革責任者やデータガバナンスなどを手掛けている友澤 大輔です。長田氏のキャリアを通して、変化すること、キャリアとしてブレない軸について聞きました。

目次

登壇者紹介

長田 新子氏
一般社団法人渋谷未来デザイン 理事・事務局次長
「AT&T」で営業マネージャー、マーケティングマネージャー、「NOKIA」ではプロダクトマーケティングマネージャー、広報部長を歴任。「RED BULL」では2007年の立ち上げ期からブランド・コミュニケーション統括部長、マーケティング本部長を務め、ブランドの認知度を上げる。現在は「渋谷未来デザイン」にて理事・事務局次長を務める。

友澤 大輔
パーソルホールディングス株式会社 グループデジタル変革推進本部 本部長
2018年入社。現在はグループ全体のデジタル変革責任者やデータガバナンス系を兼務。これまで、「ベネッセコーポレーション」、「プライスウォーターハウスクーパース」、「ニフティ」、「リクルート」、「楽天」、「ヤフー」などで、幅広い職種を経験。


縦に積み上げるのでなく、横に広げるキャリアのあり方


同じ会社でひたすら上にいくことを目指すのが「縦への積み上げ」とすれば、長田氏のキャリアは「横に広げること」を重視してきたといいます。

長田氏:私の“ブレない軸”は、この4点かと思っています。時代の流れに身を任せつつも、その根底にあるのは「人とか社会にどうやって貢献できるんだろう」ということ。テクノロジーや携帯電話を扱う企業では社会に貢献を、エナジードリンクを扱う企業ではスポーツや文化に貢献を。そして、今は渋谷区という街、住民や集う人に対して貢献していきたいと思っています。なので、一つの会社で上のポジションにいくという積み上げじゃなくて、キャリアを横に広げているイメージですね。

友澤:なるほど。確かに、横に広げていらっしゃる。ちなみに、どれが一番こだわってらっしゃる軸ですか?

長田氏:“人がやってないことやってみたい”というのは強いですね。

友澤:「レッドブル」から「渋谷未来デザイン」の事務局次長へ、というのも、確かになかなかできないですよね。

長田氏:「渋谷未来デザイン」に行く際も、なんでそんな道へ行くの?っていわれました(笑)。でも、そういう挑戦する、というのが私自身好きなんだっていまは感じています。たとえば、「レッドブル」に入社したころは認知度もないし、誰も知らない状態でした。コンビニでなんとか一列だけ並んでいるような状態。でも、私が辞めた2017年にはすごく認知が高くなっていました。そうしたことを体験しているので、「渋谷未来デザイン」に入ったときも、これまでの実績がゼロベースになるわけですが、私はそれが苦にならない。そういう場所でこそ自分の経験がいかせると思っています。


キーワードは「think and action」!とにかくやってみる


「どんどん失敗しよう!」といっても、正直怖い。長田氏は、レッドブルで大仕事をたくさん手掛けたことで挑戦する気持ちがスタンダードになったといいます。


長田氏:
「失敗を恐れるよりもやってみることを重視」というのは、常に意識していますね。前職でも失敗を恐れるな、といわれていました。イベントなんかも、エアレース(飛行機を用いたモータースポーツ)とか大きなものが多かったので、常にリスクとの戦いでした。だから、肝が座ってきちゃったのかもしれません(笑)。
いまはとにかくやってみよう!というスタンスです。「think and action」をキーワードに掲げていて、チームにもどんどんチャレンジしようと伝えています。

友澤:とはいえ、失敗は怖いじゃないですか。どんな心持ちで挑戦しているんですか?

長田氏:個人的に楽観的な性格なんですね。あとは、失敗したらそこから学ぶことを意識しています。また、ただ単にやるよりは、その都度到達点を決めてやってみる。ゴールがないとみんなブレてしまいますから。プライベートで子育てをしていると、失敗と反省の連続です。仕事の中でもそれが循環していると思いますね。

友澤:失敗したとき、反省する際の工夫はありますか?

長田氏:もう一回やらないように心に留めています。繰り返さないこと。あと、忘れちゃうということですね。お酒を呑んで適度に忘れる(笑)。または人に話すとか。とにかく、大事なのはアウトプットすることだと思いますね。


経験は必ず糧になるから、ときには思いっきり大胆な決断をしてもいい!


専門的なキャリアを積み上げていくと、どんどんほかの職種の選択肢が消えていくような気がします。しかし、さまざまな会社で経験を積んだ二人は口を揃えて「経験は必ず何かの役に立つ」といいます。


友澤:
質問が来ています。「一度、自分の専門性を決めてキャリアを積み上げたあとでその領域で突き詰めることを断念したり興味が薄れたりしたご経験はありますか?そのようなときに違う領域に行くのはどう思いますか?」とのことですが、長田さん、いかがでしょうか?

長田氏:私の場合、最初にはたらいた会社で割と専門性を突き詰めていたんです。でも、マーケティング職だと、専門職と違って求められるものが時代によって変わっちゃうんですよね。なので、時代に沿って柔軟に対応していくことは意識していました。レッドブルでは本当に黎明期からだったので、広告もブランディングも、商品化も、イベントもなんでもやりました。それがいま、すごくいかされています。なので、これまでやってきたことを断念するというより、それは自然と自分の糧になっていると思いますね。

友澤:私もいろいろな会社にいたので、その専門分野でダメだと思ったら、我慢せずに次に行くのは積極的にやった方がいいと思います。自分のキャリアを振り返って、もちろん失敗もありましたが、あの経験は良かったといまなら思うことができます。

長田氏:おっしゃる通りですね。


もし、まったく違う業種や職種でも挑戦できる環境があればどんどんやるべき!


人生は長い。コロナ禍で人々の価値観も大きく変わった。そんないま、無理に現在の職業にしがみつかなくてもいいのでは?と長田さんは提案します。最後に下記のメッセージをもらいました。

長田氏:人生も職業人生も長くなっています。海外だと、まったく違う職種に転換することもあるってよく聞きます。アスリートから弁護士とかアーティストとか。日本でも、もっとそういう動きが出てきて欲しいなと。キャリアを継続するのもいいけれど、挑戦できる環境があるならやってみるべきだと、コロナ禍になって特に感じています。私は人と話すのが好きなので、いまの仕事に就いて、これまで出会わなかった人と出会えるのが何よりも楽しい。そして、これがまた、新しい未来に繋がっていくのかなと思っています。人生一回しかないので、周りの声に流されすぎず、自分が面白いと思うことを突き詰めていきたいですね。それが、毎日を楽しくする秘訣だと思っています。

●本セッションのまとめを、グラフィックレコーダーのまりんさん(@_okinawaa)に描いていただきました!

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