「脱・働く」って何?パーソルキャリアが共催するイベントに潜入!担当者に目指す世界を聞いてみた

あなたも隠れスキルを持っているかも⁉トークセッション第6回目のレポートと、担当者に聞いた「脱・働く」に込められた想い。

パーソルキャリア株式会社は、「脱・働く-POWER TO/THE PEOPLE-」と題したトークセッションを今年2月からシリーズ化し、「Venture Café Tokyo」と共同で行っています。6月25日には、第6回目として「脱・働く⑥ – パラレルキャリアとしての地方創生と自己創生」を実施しました。

今回は、この6回目のレポートと共に、担当者に本イベントを毎月開催している狙いについて伺いました。

目次

「脱・働く-POWER TO/THE PEOPLE-」とは

「GIVE PEOPLE THE POWER TO OWN THEIR WORK-LIFE.」、“人々に「はたらく」を自分のものにする力を”をミッションに掲げるパーソルキャリアと、起業家から個人まで多様なイノベーターたちを繋ぐ「Venture Café Tokyo」が共同で行うトークセッションシリーズです。
技術進化や人口動態の変化などにより、あらゆる活動のルールが加速度的に変わりつつあるこの時代に、私たちはどのようにはたらき、生きるべきなのでしょうか。
本シリーズは、さまざまなステークホルダーを招きながら繰り返し対話の場を持つことを通じて、「日本らしい“はたらく”のその先」について議論を深めることを狙いとしています。

「脱・働く⑥ – パラレルキャリアとしての地方創生と自己創生」の概要

シリーズの6回目、「脱・働く⑥ – パラレルキャリアとしての地方創生と自己創生」では、過去2回にわたって行った「コネ・カネ・チエの資本主義」「After/Withコロナ時代のパラレルキャリア論」での議論をベースに、自称「THE・保守系サラリーマン」だったというNPO法人ZESDA 理事 瀬崎 真広氏の石川県能登地方での「地方創生」と、「地方創生」への関与を通じた「自己創生」(=自分らしさの再発見)の旅路が紹介されました。


早速、セミナーに潜入!
瀬崎氏のキャリアアップの旅路 ――地方創生は、自分創生ができるフィールドだ


瀬崎氏は東京で会社員として勤務しながら、ZESDAに加入。ボランティアとして能登町と関わることで、さまざまなキャリアや人脈を身に付け、いまでは報酬も得られるようになったといいます。その理由を下記のように語りました。

「会社にいると組織の歯車で、個人が注目されることはあまりありません。でも、地方に行って活動すると、成果を出した分、自分自身の活動が注目されます。そうするともっともっとがんばろうと思える。よい循環がつくれたと思います」

組織の一部ではなく、自分の強みを軸に能登町で活躍している瀬崎氏ですが、報酬は、すべて地域に還元しています。

「私はいま会社員でお金に困っているわけではないので、私を育ててくれた地域に注ぎ込んで、その地域と一緒に自分が成長していくという形をとっています。こうしてキャリア実績を積んでおけば、もし、独立すると思ったときにも八方塞がりにならない。いま重要なのは、将来の道の選択肢を増やすことだと思っています」

この後、瀬崎氏は、自身が活動のフィールドとしている能登町にある農家民宿群「春蘭の里」の魅力と、実際に自身が行ってきたプロモーションの数々やクラウドファンディングで資金調達をしたことなどを紹介。
そして、自身がどう変わりスキルを身に付けていったのか、その体験を語りました。

「私は、そもそも目的志向というものがなかったと思います。『なんでやっているんだろう?』『サラリーマンだからしかたないよ』と……。でも、地方に関わる中で目的志向というものが徐々に醸成されていきました。地方で活動し、何かを生み出すには、自分で決断することが必要です。専門的スキルが不足していたら勉強し、想像力がなかったら身に付けなければならない。プロセスの段階で格好をつけるのではなく、それが何に繋がるのか考えるようになりました」

そうして、キャリアを積んだ瀬崎氏は、保守系サラリーマンと地方は相性が良いといいます。

「東京では当たり前の少しのスキルが地方では貢献要素になります。私の場合は調整力でした。周囲を見ながら、反発を受けないようにバランスをとったり、確認を取ったり……。会社では当たり前のことですが、地方では『お陰で物事がうまく回った』と褒めてもらえます(笑)」

つまり、当たり前だと思っていたことが実は強みだと気付けたり、自分のスキルが会社の外でどのぐらい通用するのかの棚卸にもなる。そして、褒められることで自信がつき、さらにスキルを磨く力となるというわけです。
瀬崎氏は最後にこう話し、締めくくりました。

「地方創生といいつつ、自分創生ができるフィールド、それが地方です。組織の歯車ではない自分らしさが創生されて、その自分らしさを軸に都会でも通用するキャリアが形成されていきます」

その後、質疑応答の時間が設けられました。質問には、瀬崎氏とともにNPO法人ZESDA 代表理事 桜庭 大輔氏も回答。「活動を長く続けていく秘訣は?」との問いに、桜庭氏は以下のように回答しました。

「多くの方が『無償ボランティアは続かないよね』と思っている」のではないでしょうか。この疑問に僕は3つの答えがあります。
1つ目は、お金だけが報酬ではなく、コネと知恵が得られ、実績も積めるということです。
2つ目は、本業があって、収入があるからこそ続けられる。また、本業を持っている人はスキルや人脈がアップデートされるので、そのアップデートしたものを地方に注ぎこんでほしいという戦略もあります。そのために、絶対にパラレルキャリアであってほしいと思っています。
3つ目は、無理をしない、ということです。細く長くやることが大事。地方創生で多いのが最初になん百万かをつぎ込んで3年ぐらいでもう続かないというケースですが、それではなんにもならない。太く短くではなく、細く長くが大事だと思っています。


自称、保守系サラリーマンのNPO法人ZESDA 理事 瀬崎 真広氏と、NPO法人ZESDA 代表理事 桜庭 大輔氏

担当者にインタビュー

「脱・働く-POWER TO/THE PEOPLE-」のトークセッションシリーズはどのように生まれ、何を目指しているのでしょうか?プロジェクトを担当するVenture Café Tokyoの小村 隆祐氏と、パーソルキャリア 経営戦略本部の中山 友希に話を聞きました!

「Venture Café」は、米国ボストンのCIC(Cambridge Innovation Center)の姉妹組織で、Venture Café Tokyoは、2018年3月にアジア初の拠点として設立されました。グローバルなネットワークを持つイノベーションビルダー。非営利でイノベーター同士を繋ぐ場を提供することでイノベーションをアクセラレートしていこうと活動する、これまでにないイノベーションを社会に対して生み出すコミュニティです。

 


思い描く世界観が同じ。
旧態依然とした「働く」から、「はたらく」へアップデートせよ!


――タッグを組んで、このプロジェクトを立ち上げた背景を教えていただけますか?

中山:パーソルキャリアは「GIVE PEOPLE THE POWER TO OWN THEIR WORK-LIFE.」、“人々に「はたらく」を自分のものにする力を”というミッションを掲げています。
私は会社の中でパートナーシップや事業連携などを担当しているのですが、ミッションを中心にして思い描く世界観がVenture Café Tokyoさんと、とても近いなと思ったのがはじまりです。

小村氏:Venture Café Tokyoのミッションは「Connecting innovators to make things happen(何かを起こすために、イノベーターたちを繋ぐ)」です。イノベーションというと意識高い系の人のもの、って思うかもしれません。でも本来はシンプルに解決できないことを解決できるようにすることをいっていて、個人のちょっとした前進なども含めて誰にでも当てはまるものだと思うんですよね。ですから、より良い社会をつくるため、スタートアップも個人の自己実現も応援していきたいと思っています。

小村氏:今は不確実な時代です。我々も「GIVE PEOPLE THE POWER TO OWN THEIR WORK-LIFE.」というミッションに近いことを思っていて、とても共感を覚えました。大きな方向性が同じで、Venture Café Tokyoには200~300人が集まる場所がある。「きっと何かできる」と思いました。

――そうして「脱・働く」のトークセッションがはじまったのですね。「脱・働く」というインパクトある言葉には、どのような意味や想いが込められているのでしょうか?

中山:パーソルグループでは、漢字で書く「働く」と、平仮名で書く「はたらく」でニュアンスを変えています。「働く」は旧態以前のはたらき方。時代は変わっているけれど対応できていない部分を差しています。「脱・働く」としたのは、対応できていない部分を表していて、もっと自分らしくはたらけるように可能性を広げ、さまざまな選択肢から選びとる力を得られるようにアップデートしていこう、というのをメッセージとして込めています。

小村氏:旧態以前の「働き方」というのは、計画社会のこと。個人にとっては会社の計画にそって「働かされている」という感覚の社会です。いまは、不確実性が増えて計画が難しい。自動化も起こっている。知識社会へと、個人の「働き方」や社会のあり方そのものが大きく変化しようとしています。

――アップデートされた「はたらく」とは、どういう状態なのでしょうか?

中山:労働者マインドから抜け、自分でオーナーシップを持って、舵取りをしながらはたらくというのがイメージですね。

小村氏:個人が自立して創造性をはたらかせてワクワクしながら価値を発揮すること。それが大切だと思います。でも、これは意外と苦しいし、さみしいし、大変……。だからコミュニティがいる。価値観をともにする同志が必要だと思うんです。


参加者同士で対話もあり。
ガチャガチャ感が面白い!


――トークセッション「脱・働く」の魅力は?

中山:「何かをしたい」と思っても、一歩を踏み出すのはとても難しいことです。ですから、セッションでは、必ず、「Why」だけじゃなくて「How」に触れるようにしています。なので「明日から、こうしてみます!」といった感想をいただくことも多いですね。また、セッションの途中でウェビナー形式からミーティング形式に切り替えているのも特徴だと思います。「登壇者」と「参加者」に分けたくなくてこの形式をとっているのですが、登壇者の方に質問しているのに、「私はこう思います」とほかの方が話し出して、参加者同士の会話になってしまうことも(笑)。そういうガチャガチャした感じが面白いですね。

小村氏:ガチャガチャして1時間延長、とかありますよ(笑)。アウトプット、フィードバックの繰り返しで気付くことは多いものです。バックボーンが違う人に話すと、まったく違うフィードバックがくるから、本当はもっとガチャガチャして、もっとたくさんの人と話をしてもらいたいと思っています。

――今後の展望をお願いします。

中山:自身で舵をとる、個にフォーカスしたはたらき方、と聞くとアメリカ流の個人主義を思い浮かべる人も多いと思います。でも、私たちはアメリカのようになればいいと思っているわけではありません。日本流の「はたらく」というのはなんだろう?と、模索している状態。だからこそ、さまざまなステークホルダーの方をお招きしながら、繰り返し皆さんと対話の場をもち、議論を深めながら、探っていきたいと思っています。

中山:「脱・働く」は、私たちのミッションを実現するための一つ。セッションでは、ミッションの世界観を体現している方々をお迎えしているので、まずはその世界に触れていただきたいですね。そして、もっと自分らしくはたらくために、選択肢を増やすために、1歩でも半歩でも前に進むために真似できる具体的な話を持って帰っていただけたらと思います。

小村氏:「参加」は学びにとても重要なことです。勉強して「うんうん、分かった。」ではなく、参加して認識やアイデンティティそのものを書き換えていくことが真の学習。ものの見方が変わっていくぐらいの経験ができる場づくりをしていきたいと思っています。
「何か変えたい」「何かしたい」「何かいい方法ない?」と思ったら、ぜひベンチャーカフェへ。近いうちに茨城県つくば市、名古屋市でも交流プログラムを開始する予定です。

このページをシェアする
目次
閉じる