自分に合う仕事が「大都市」にあるとは限らない!地方就職を実現する取り組み

大都市圏の若者と地方企業とのマッチングを促進するシンポジウムで、社員が講演。

パーソルグループは3月18日に、厚生労働省・経済産業省と内閣官房が開催した「大都市圏の早期離職者等と地方の中堅・中小企業とのマッチングを促進するシンポジウム スマホで見つける地方のしごと」に協力し、「doda」編集長の大浦 征也が登壇しました。
その後、青森県八戸市、新潟県三条市、長野県岡谷市の3名の市長に加え、米沢商工会議所会頭の吉野氏、株式会社マイナビ 専務取締役の浜田氏、地方への移住・転職者2名、長谷川内閣総理大臣補佐官など8名の方々がパネリストとして参加し、「地方における人材確保の現状」や「地方の職場や生活の魅力の発信」などをテーマにパネルディスカッションを行いました。

目次

イベント内容

●開会挨拶/経済産業副大臣 関 芳弘氏

開会にあたって、関経済産業副大臣から「地方にも優れた企業ややりがいのある仕事はたくさんあるが、あまり知られていない。こうした中、求人サイトを活用して、地方の中堅・中小企業が地方の魅力的な仕事をアピールすることを促す新たな枠組みを設けた。大都市圏の若者と地方の中堅・中小企業の魅力的な仕事との幸せな出会いが一組でも多く生み出され、地方の輝ける未来が切り拓かれていくよう、全力で取り組んでいきたい」といった力強い開会の辞が述べられ、シンポジウムがスタートしました。

●講演/株式会社マイナビ 専務取締役 浜田 憲尚氏、パーソルキャリア株式会社 「doda」編集長 大浦 征也

「民間人材ビジネス事業者として、どんな取り組みができるのか」

浜田氏は「キャリアや仕事に漠然とした不安を抱える若者に関して、仕事探しはある種の生き方探しであると考えている」と説明。「マイナビが掲げる『賛成!あたらしい生き方。』というメッセージで、転職という孤独な活動に寄り添いながら新しい生き方を模索する方に対してそっと後押しをする立ち位置で事業を行っていきたい」と話しました。

 

 

一方、大浦は「SNSの普及などもあり、求人情報が社内の情報として、転職希望者以外にも見られるようになった。求人サイトに登録する目的も、情報収集だという人が増えており、求人サイトの活用は日常化している」と述べました。そのうえで「まず人材サービスは、日常の中で企業と個人の情報の垣根を低くしていくことで、人材の流動性を担保していきたいと考えている。『doda』は日常的に転職や『はたらく』についてご相談いただくサービスとして、活動中だけではなく活動前後にずっと寄り添い続けるつもりだ」と語りました。

●パネルディスカッション/青森県八戸市長 小林 眞氏、新潟県三条市長 國定 勇人氏、長野県岡谷市長 今井 竜五氏、米沢商工会議所会頭 吉野 徹氏、株式会社マイナビ 専務取締役 浜田 憲尚氏、株式会社荒谷建設コンサルタント 山中 佑太氏、シタテル株式会社 藤本 貴大氏、内閣総理大臣補佐官 長谷川 榮一氏
モデレーター:経済産業省 地域経済産業審議官 松永 明氏

「地方における人材確保の現状、地方の職場や生活の魅力の発信、新たな枠組み等について」

まず、八戸市、三条市、岡谷市それぞれの市長と米沢商工会議所会頭から、地方の仕事や生活の魅力、地方自治体における人材確保の現状や取り組みについてのプレゼンがありました。

その後、実際にUターンで東京からそれぞれ広島市と熊本市に移住・転職をされた山中氏と藤本氏の2名から、地方移住のきっかけや転職活動の内容、実際に移住してみて感じた地方の魅力などについて共有がありました。
地方で働くことについて、八戸市の小林市長が「東京などで生活をして経験するのも地域にとっては、凄く重要なこと。戻ってきて帰ってもらうためにも関係人口など関わりのある人を通じた情報発信などを強化していきたい」と話しました。

また、自身が東京からのIターン経験者でもある三条市の國定市長は、山中氏が指摘した「自分がいなくてもまわるではなく、自分がいるからまわる」という地方の仕事のやりがいに触れつつ、時間のゆとりができることや、ワークライフバランスを重視できることについても発言しました。

 

 

自身がUターン経験者でもある岡谷市の今井市長は、「自分のときは情報もなく、Uターンは条件も悪くなるというのが通例だった。しかし、今はそうではない。実力が評価されれば、働きたい会社で働ける時代である」と時代の変化について話し、「東京の生活と地方の生活はコストがかなり違うので、若干収入が下がっても、田舎の方が充実した生活をすることができる。人材不足の地方では必ず期待をされるので、自己有用感といったものもアップするのではないか」と、地方で働くことへのメリットを挙げました。

また、同じく自身がUターン経験者でもある米沢商工会議所の吉野会頭は、「収入が下がることを課題に感じている」と話しつつ、Uターン経験をふまえて「生活環境はいい意味で一変した。地元には友人とのネットワークや多くの自然などもあり、豊かな生活がひろがっている。住居費などいろいろなものを比較すると実はそんなに差はない」と地方の魅力をアピールしました。
さらに山中氏からは、「Uターンしようと思っても、東京を離れることへの漠然とした不安があった」といった話がありました。また、藤本氏からは「収入面としては少し下がったが物価や家賃も下がったことや、親が近くにいて子育てがしやすい環境があるなど、収入面だけではないほかのメリットも多い」といった話がありました。
これらの話をうけて、長谷川内閣総理大臣補佐官は「首都圏にいろんなことが集中した結果、地方で本来活躍すべき人や持っている資源が、活用されていないことを問題に感じている」と問題提起をしたうえで、都会で生活する人々が直面している内部調整などに時間をとられ希薄化する仕事のやりがい、長時間の通勤時間や税金など生活経費などの話を挙げ、「生き方に何を求めるかというのが大変大きいと思う。それぞれの市長から、地方にいかに素晴らしい職場環境があるかという話があったが、人生の豊かさや楽しさを考えると都会の生活だけでなく、もっと目を広く向けてもいいのかなと思う」と話しました。

●閉会挨拶/厚生労働大臣 根本 匠氏

最後に、根本厚生労働大臣から「今回の新たな取り組みは、大都市圏で就職して早期に離職した若者が、地方でスムーズに再就職をできるようにすることを目的としたもの。ハローワークや自治体の取り組みなどと相まって、地方で就職を希望する方が、より多様な機会を通じて求人情報に接することができるようになるとともに、地方の中堅・中小企業の採用ツールが多様化し、一層の人材確保に繋がることを期待している」「本日のシンポジウムをきっかけとして地方の魅力的な仕事が注目される気運が高まり、これから地方でチャレンジしようとするすべての人にとって最初の一歩をより踏み出しやすい環境が生まれていく社会になることを願っている」という挨拶をもってシンポジウムは終了しました。

担当者コメント

前田 茂雄(パーソルキャリア株式会社 転職メディア事業部 地方創生グループ マネジャー)

私たちの事業部では、全国47都道府県庁の担当者の方から直接、地方の雇用や人材確保に関する問題を聞いています。その中で出てくるのは、企業の自立的な採用活動を支援したい、という声です。
そういった理由から、私たちは現在、企業や自治体向けの採用コンサルティングを強化しています。
国や全国の商工会議所とともに、地方企業の採用活動をサポートすることで、日本全国の「はたらいて、笑おう。」を実現したいと思っています。

 

市野 喜久(パーソルホールディングス株式会社 グループ営業本部 シニアマネジャー)

地方への人材還流においては「地域求人情報が首都圏求職者に届いていない」ことが一番の課題です。今まさに人材サービス会社が業界あげて、中央・地方行政機関と連携しながら、地域求人企業の競争力強化に向き合うことが求められている、と認識しています。
今回のシンポジウムは、官民連携によって地方求人情報が首都圏求職者へと届き、発見されやすくするための取り組みとして、大変意義のあることだと捉えています。
私たちパーソルグループも「人と組織の成長創造インフラ」という存在価値で社会貢献していくことが使命です。
地方隅々の求人情報を預かり、求職者に発見される状態を目指していきたいと思います。

パーソルグループは、地方創生のための取り組みを進めることで、グループビジョン「人と組織の成長創造インフラへ」の実現を目指していきます。

当日の様子(動画)は、政府インターネットテレビにてご覧いただけます。
プログラム詳細や資料は、厚生労働省特設ページならびに、経済産業省特設ページにてご覧いただけます。

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