あなたの会社にもありませんか?「何も決まらずに終わった会議」
ムダな会議による企業の損失額を学術的に算出しました。
パーソルグループのシンクタンク・コンサルティングファームである株式会社パーソル総合研究所は、残業に関する調査研究の一環として、ムダな社内会議による企業の損失額を算出した結果、従業員1万人規模で年間15億円、1500人規模で年間2億円の損失になっていることがわかりました。
調査結果の概要
●ムダな社内会議は年間9万~67万時間。人件費換算すると2億~15億円!
1万人規模の企業において、ムダな社内会議時間(※)は年間約67万時間(約332人分の年間労働時間に相当)、企業の損失額(ムダに費やしている人件費)は年間約15億円。
一方、1500人規模の企業においては、ムダな社内会議時間は年間9万2千時間(約46人分の年間労働時間に相当)、企業の損失額は年間約2億円になることがわかりました。
※社内会議・打ち合わせの時間を指し、顧客・社外取引先との打ち合わせ・商談は含まない
●実は、メンバー層よりも上司層のほうが会議にムダを感じている!
ムダだと感じる会議の割合について聞いたところ、上司層は平均27.5%、メンバー層は23.3%となり、上司層の方がムダが多いと感じていることがわかりました。
さらに、上司層の方が会議の「回数」「時間」ともに減らせると感じており、さらに4人に1人以上は「ここ数年で会議が増えた」と回答しています。
●ムダな会議は「会議が終わっても何も決まっていない」「終了時刻が伸びる」「些細な議題で開かれる」
従業員が感じている会議へのムダ指数をもとにすると、社内会議のムダ実感を強くもたらすのは以下の3つのように「会議の終わり方」関連の項目だということがわかりました。
(1)会議が終わっても何も決まっていない
(2)終了時刻が伸びる
(3)些細な議題で会議を開く
※()内は影響度の強い順
●ムダな会議を減らすには「会議時間の制限」と「ネクストアクションの明確化」を
一方で、社内会議においてムダ会議を減らしていたのは、以下の項目でした。
(1)会議の所要時間に制限が設けられている
(2)終了時、司会者が決定事項と次に行うことを明確にしている
●意外にも?!「議事録」と「遠隔会議」は会議のムダ感を増加させていた!
調査から、「議事録文化(議事録が取られている/会議中に作成されている)」と「遠隔会議システム(TV会議など)」は会議のムダ感を増加させることが明らかになりました。
本調査に関する、より詳しい調査データや調査方法はこちらよりご覧いただけます。
パーソル総合研究所は、本研究を含め、学問的に裏打ちされた数万人規模の調査・ヒアリングなど、定量・定性的な分析から長時間労働の背後にある要因を多角的に探り、現実を変える打ち手を開発することで、「はたらいて、笑おう」の実現を目指していきます。