人は日々演じている!?劇をしない「演劇ゼミ」研修を実施

パーソルホールディングス株式会社では、パーソルグループの全社員を対象に、社員の主体的な変化・成長を後押しするための公募型研修「@(アット)」を実施しています。@では「アート・クリエイティブ系ゼミ」と「地域を舞台にした研修」の2つを用意しており、これまでに総勢600人以上が受講した「アート・クリエイティブ系ゼミ」の人気プログラムである「演劇ゼミ」を東京・新宿で開催しました。

本ゼミは、今回で6回目。毎回、俳優養成所での指導や青山学院大学などでワークショップを実施している内山 厳さんを講師にお招きして実施しています。これまでに約100名が受講している人気ゼミで、今回も「アート・クリエイティブ系ゼミ」のコンセプトである「遊ぶように学ぶ」を実践しました。

目次

演劇ゼミの概要

演劇ゼミは、「人は日常生活において常に演じている」ということを前提にしています。
「演じる」というと「本音を隠す」「嘘をつく」などネガティブな印象があるかもしれません。しかし「上司と話している自分」「部下と話している自分」「友人と話している自分」など、人は日々、置かれた立場や相手によって無意識に立ち居ふるまいを変えているはずです。つまり、演じるとは、嘘をついて何かを演じることではなく、自分の持つさまざまな面(引き出し)を場面に応じて使い分け、相手に合わせて意識的にコミュニケーションの仕方を変えることです。

価値観が多様化する現代において、特にビジネスの場では、自分の考えを正しく相手に伝え、利害が一致しない関係者で合意をとる必要があります。その際に役立つ2つのポイントを本ゼミでは学びます。
(1)自己理解/自分の持つさまざまな引き出しを知る。
(2)他者理解/相手の言動の背景にある目的や真意を探り、その場面に応じて自分の持つ引き出しを適切なタイミングで出す。

●カードワーク

自分の持つ引き出しを知り、非言語のふるまいから相手の立場を探る


7人に1~7の数字が書かれたカードが1枚ずつ配られます。数字はステータスを表していて、数字が大きいほどステータスの高い人を演じます。用意された2つの席のうち1席にはあらかじめ人が座っており、カードを持った7人は言葉を一切使わずに自分のカードのステータスにあった演技をしながら、隣の椅子に順番に座っていきます。例えば、7を引いた人はふんぞり返って偉そうに座って見せたり、1を引いた人はペコペコと頭を下げながら申し訳なさそうに座ったりします。7人以外は観客として観察し、それぞれのステータスの高さを推測。最後に全員でカードを公開します。

このワークを通して、演じ手は演じやすい、または演じにくいと思う役やふるまいから、自分の持つ引き出しに気付きます。また、観客側は非言語である行動だけを見て相手の立場を推し量れることを体験しました。

●シーンスタディ

相手の言動から、背景にある目的や真意を探り、スムーズなコミュニケーションを図る

5~6人が1グループとなり、課題のシーン(「町内会でボランティアをする人を決める会議」など)を演じます。その際、一人ひとりに利害関係が一致しない立場のキャラクターが割り当てられます。自分以外の人のキャラクターについての情報は知らされず、決まったセリフもありません。演じる人はそれぞれ題材に合わせてグループで話し合いをしながら、相手に割り当てられたキャラクターの目的や真意を探り、自分の主張がどうすれば通り、目的が達成できるかを考えながら演じます。

このワークから学べるのは、相手の言動の背景には目的や真意があるということ。これが理解できと、相手の言動に対して感情的に応答するのではなく、客観的に目的や真意を観察しながらスムーズにコミュニケーションができます。

このほかにも、自分や自分の嫌いな人の多様な面を円グラフで分析し、嫌いな人を演じてみることで相手の知らなかった一面に気付くワークなどを実施しました。

参加者からは、以下のような感想があり、とても有意義な研修となりました。

「苦手だった相手のさまざまな面が理解できたので、苦手意識が消えました。」
「人の言動には常に『目的』があることを学び、体感することで日常のコミュニケーションが変わりました。」
「自分の中のさまざまな面に気付くことで、他者の多様性を受容できるようになりました。」

研修実施の背景

感性を大事にした「自ら気付き・学ぶ」研修を実施

社会環境の変化が非常に激しい昨今、お客さまのニーズや課題も複雑化・高度化し、これまでの常識ややり方だけでは期待に応えられない場面が増えています。そのため、仕事においても誰かに正解を求めたり、前例に捉われたりすることなく、自ら最適な答えを導き出し、他者と共創しながら行動していく力がより一層求められています。
そこで、「はたらいて、笑おう。」をブランドスローガンに掲げるパーソルグループでは、いわゆる「正解」をインプットするだけではなく、「体験を通じて自ら気付き・学ぶ」をテーマにした研修プログラムを実施しています。普段の業務とは異なる異文化・非日常の中で頭を使って考えるだけでなく、ドキドキ・ワクワクする感性や感覚を大事にしながら、「自分とのコミュニケーション(自己理解/リーダーシップ)」「他者とのコミュニケーション(他者理解/多様性受容)」を学ぶ最先端のプログラムを開発し、社員に提供しています。


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パーソルホールディングス株式会社について

1973年のテンプスタッフ株式会社創業以来、人材派遣、人材紹介、ビジネス プロセス アウトソーシング、再就職支援など総合人材サービスを展開。2008年10月に共同持株会社テンプホールディングス株式会社を設立。2017年7月よりパーソルホールディングス株式会社へ社名を変更。グループの総力をあげて、労働・雇用の課題の解決を目指します。

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