
パーソルグループは、すべてのはたらく人たちが「はたらいて、笑おう。」を実感できる社会の実現を目指し、DEI(Diversity, Equity & Inclusion)を推進しています。
本連載では、生まれた場所や育った環境、年齢、性別、経験、価値観などの違いを可能性と捉え、多様なキャリアを歩む社員を紹介します。
第17回目は、パーソルテンプスタッフ株式会社でフレキシブルキャリア事業推進室とリモートタスカー事業企画室のマネージャーを務める鈴木 汐香です。
学生時代、「大人って、仕事が楽しくなさそう」と感じていたという鈴木。2017年にテンプスタッフ株式会社(現パーソルテンプスタッフ)に入社してから今に至るまで「楽しくはたらく大人を増やす」ことを個人的な目標に据えて仕事をしているそうです。
「より早く目標を実現するための手段として、管理職に就きました。この道を選んで良かったです。もし悩んでいる人がいたら、一回やってみたら?と勧めますね」
笑顔でそう語る鈴木の歩みを振り返ります。
社会人になることに抵抗を感じた理由
海洋建築の仕事をしている父親と、看護師をしている母のもと、都内で生まれ育った鈴木。両親ともに忙しく、一人でよくドラマを観て過ごしていたこともあり、「大人の世界に興味があって、早く大人になりたかった」と言います。
「大人の世界」への関心は、いつしか「自分のことを自分で決められる自由」へのあこがれに変わっていきました。そして、この時に芽生えた自由を求める気持ちが現在のはたらき方にもつながっていくのですが、その話はまたのちほど。
大学生では政治経済学を専攻し、異文化やジェンダーなど社会学を学びました。知らない世界への好奇心から、アルバイトをしてお金を貯めては海外へ。4年間で10カ国ほど訪ね、さまざまな価値観に触れました。その影響か、就職活動の時期になると違和感を抱きます。

「みんな同じようなスーツを着て、無個性な感じで就職活動をすることにも、社会人になることにも抵抗がありました。それはなぜかと考えた時、『電車内で出会う通勤中の大人たちが、楽しそうにはたらいていないからだ』と気付いたんです。それなら、楽しくはたらく大人を増やしたい、それができたら私も楽しいかもと思って、人材業界に興味を持ちました」
人材関係の企業の採用試験をいくつか受ける中、テンプスタッフに入社を決めた理由は、「面接」でした。
「ほかの企業は、私に何ができるのかを確認するような、いわゆる普通の面接でした。でも、テンプスタッフは私がどんな人間なのかを知るための質問が多かったんです。私も人の価値観に興味があったので、ここなら考え方が合うかもしれないなと思いました」
1年目に出会ったロールモデル
2017年4月、配属されたのは東京・渋谷エリアを担当するダイバーシティ営業部でした。時短を希望する求職者向けの案件を集めるのが仕事です。
新入社員は誰もが経験する飛び込み営業とテレアポからスタートしました。それは「きつい」日々ではあったものの、先輩からの「新人時代の仕事は筋トレ」というアドバイスを信じ、ひたすら訪問を続けました。この時期、圧倒的な売り上げを誇る先輩が身近にいたことが、営業のヒントになります。
「派遣の営業ってクライアントの派遣の採用枠ありきで、他社との椅子取りゲームになりがちだと思うんです。でも、私が1年目のときにリーダーをしていたその女性は、新たにポジションを生み出すような営業をしていました。お客さんと上下関係というより対等な立場で提案をしているように見えて、こういう風にしたら売れるんだろうなと学びました」

2年目、マネージャーに昇進したその先輩が担当していたクライアントの多くを引き継ぎました。先輩をロールモデルにして試行錯誤しているうちに、新規のクライアントも獲得できるようになり、一気に成績が伸びました。その反動でクレームも増えてしまいますが、そのたびに原点に立ち返りました。
「営業を始めて、それぞれのライフステージで事情があってフルタイムでははたらけないけど、すごく優秀でモチベーションが高い人が大勢いると知りました。この人たちのために受注を取りたいというのが一番の動機でしたね。一方、企業側も労働人口が減る中でどう採用していいのか迷い始めているタイミングだったので、両者をマッチングすることにやりがいを感じていました」
5年目に感じた「飽き」
がむしゃらにはたらいた2年目の成績が評価され、3年目、リーダーに抜擢されます。個人の売り上げを追いながら、ほか2名のメンバーとともにチームでの目標も達成することが求められるようになりました。それは、鈴木に改めて「人それぞれの価値観がある。自分軸で判断しないようにしよう」と実感させる時間になりました。
慣れないチームのマネジメントに戸惑いながらも、鈴木はリーダーとして営業成績を伸ばします。3年目以降、もともとフルタイムの案件しかなかった渋谷で、時短勤務の案件の割り合いが10%、20%と増えていきました。フルタイムありきだった企業側の意識の変化を促し、フレキシブルにはたらきたい求職者の雇用を創出したという確かな手応えを得ました。
5年目、秋葉原・池袋エリアに異動。ミッションは、それまでと変わらず時短勤務ではたらく派遣の市場開拓です。チームのメンバーが変わっても、やることは同じ。自分なりの営業手法を確立していた鈴木は、序盤で予算達成が見えたとき、「飽き」を感じたといいます。
「秋葉原と池袋を開拓した後、次は新宿、その次は丸の内……と、これからもエリアを変えて同じことをやるのかな、それはもう飽きたな、限界だなと感じました」
鈴木が入社以来目指してきた「楽しくはたらく大人を増やす」ためには、自分がいきいきと仕事をすることが大前提です。それが難しいのであればと、副業でベンチャー企業の採用支援を始めた時期に、上司から「マネージャー試験を受けてみない?」と声がかかります。「なぜいま?」と疑問を感じたそうですが、鈴木は受けることにしました。
「いろいろ悩みました。でも、管理職になってどうしたいのかを考えたとき、『楽しくはたらく大人を増やす』という目標達成の早道だなと思ったんです。マネージャーになりたいという訳ではなく、目標達成の手段でした」
「自分で抱え込む」ことをやめて気づいたこと
4回の面接と適性試験を無事にパスし、2022年4月、12人のメンバーを抱える派遣の営業オフィスと3人のメンバーが所属するフレキシブルキャリアの営業推進オフィスの2組織を兼務するマネージャーに就きました。拠点は渋谷と新宿にあり、慌ただしく行ったり来たり。初めての管理職で、いきなり2つの組織を見ることに戸惑いを感じたとも言います。

「グループ横断の研修で学んだ管理職としての倫理観やグループとして仕事をする上で必要な観点などの心構えは役に立ちました。でも、企画や推進の役割は初めてだったのに具体的な仕事の内容を教わる機会はなくて、どこから手を付けていいのか分かりませんでした」
自分が返信すべきか、目を通すだけでいいのかの判断にすら困る山ほどのメールに驚くことから始まった管理職。この手探り状態を乗り切るために、鈴木は意識を変えました。それまでは「自分でやらなければ」と仕事を抱え込んでいたところを、「周りの人たちに助けを求める」ことにしたのです。
「分からないことだらけで、このまま2チームを見るのが物理的に無理だと思ったんです。それで周りの人に『これはできない』とか『これは苦手』と正直に伝えました。そうしたらみんなが助けてくれて。すごく人に恵まれている環境だなと感じましたね」
暗中模索から抜け出したと思えるようになるまで、1年。肉体的にも精神的にもハードだったその時期も、「なんとかなる」と前向きに乗り越えました。

自由に楽しくはたらくために
マネージャーとして四苦八苦していた鈴木が心がけたのは、自分の視座を高めること。たとえば、フレキシブルキャリアの売り上げを伸ばすためには、各エリアの部長や本部長にサービスの魅力を説明し、納得してもらった上で一緒に戦略を練る必要があります。
自分やメンバーが全力で売ればいいというリーダー時代の感覚とは違うアプローチを求められた際、「部長や本部長はまったく違う景色を見ている」と肌で感じました。そのギャップを解消するための取り組みは、より高い視座に触れる機会を日常に組み込むことでした。
「2つ上の役職の人や社外の方とたくさん話すようにしました。そういう人はどんなことを考えて日々生きているのか、私のことをどう見ているのかを知ることで、同じ視点に立てるようになろうと思ったんです」
現在は、フレキシブルキャリアの営業推進に加えて、小ロットから依頼できる業務委託のサービス「リモートタスカー」の事業企画を担います。マネージャーになって5年目に入り、少しずつ自分なりのマネジメントが板についてきました。
「私は自由に楽しくはたらきたいと思っているので、メンバーにもできる限りガチガチの管理はしないようにしています。プロセスは各メンバーに任せて、最終的な成果が出ていればOKというスタンスです。マネージャーってクレーム対応とか残業ばかりで大変というイメージがあると思うんですけど、メンバーから、マネージャーの仕事の印象が変わったと言われることもあって嬉しいですね」
鈴木は、「中間管理職はいずれAIに代替される」と考えています。だからこそ、「メンバーそれぞれの背景を読んだ上でのフォローアップ」など人間ならではの能力をもっと磨きたいと話します。そのような「自分にできないこと」「自分に足りないこと」を知ることは、鈴木にとって管理職の楽しさでもあります。
「管理職になったら初めて経験することばかりで、自分にできないことを見つけられるのが楽しいんです。できることばかりを続けていても、飽きるじゃないですか。キャリア的にも幅を広げることにつながるし、私は管理職になってよかったと思っています。チャンスがあるなら挑戦してみてほしいですね」
鈴木の「楽しくはたらく大人を増やす」ための挑戦は、まだまだ続きます。

「管理職として、メンバーの皆さんをはじめ色々な方の価値観や人生観に触れることが純粋に楽しいです。自分自身が苦手なことやできないことを根性で克服しようというタイプではありませんし(笑)、そんな私が楽しく管理職をやれているということに、心から感謝しています。」
<プロフィール>
鈴木 汐香(すずき しおか)
パーソルテンプスタッフ株式会社 フレキシブルワーク事業推進部 Remote Taskerセールスオフィス マネージャー
パーソルテンプスタッフで短時間勤務に特化した事務派遣営業を5年担当。2022年よりFlexibleCAREER(ハイスキルな短時間勤務スタッフを紹介するサービス)の責任者として営業企画・推進を担当。2024年には上記に加えインサイドセールス組織を兼務。
2025年より、現部署であるRemote Tasker(オンライン業務委託サービス)の責任者として営業・事業企画を担当。
パーソルグループは、「“はたらくWell-being”創造カンパニー」として、2030年には「人の可能性を広げることで、100万人のより良い“はたらく機会”を創出する」ことを目指しています。
さまざまな事業・サービスを通じて、はたらく人々の多様なニーズに応え、可能性を広げることで、世界中の誰もが「はたらいて、笑おう。」を実感できる社会を創造します。




