
パーソルイノベーション株式会社は、本田 圭佑氏が代表取締役を務めるNow Do株式会社、インターネットスポーツメディア
立ち上げの背景にあるストーリーを代表取締役社長 大浦 征也(上記写真右)と、「dodaSPORTS」責任者でパーソルキャリア株式会社 doda事業本部 採用ソリューション事業部の芦澤 直孝(上記写真左)に聞きました。
スポーツがビジネスの現場に新しい価値を創出する
──2025年12月、企業対抗スポーツリーグ「CORPORATE LEAGUE」の立ち上げを発表しました。具体的にどのような取り組みで、どんな目的や狙いがあるのでしょうか。
大浦:スポーツは、心身の健康増進、達成感、熱狂や応援、人と人をつなぐ連帯感などさまざまな要素を生み出します。そうしたスポーツならではのメリットや効能をビジネスの場に取り入れることで、はたらく現場にも新しい活力が生まれるのではないかという思いが出発点です。では、どうやってビジネスの場に持っていくのかを考えたときに、思い浮かんだのが、体を動かしながら誰でも参加できるような競技やコンテンツでした。そこで誕生したのが企業対抗のスポーツリーグです。
──「CORPORATE LEAGUE」に先立ち、2025年11月にはスポーツと人材領域を掛け合わせた共同事業『SPORTS×HUMAN ENGINE』を開始し、第1弾としてスポーツ求人事業「dodaSPORTS Powered by SPORTS BULL」をスタートしています。CORPORATE LEAGUEは、これまでのパーソルのスポーツ事業への取り組みや「dodaSPORTS」の延長線上にあるものですか。
大浦:とても大きく関係しています。私たちのスポーツ事業の出発点は、アスリートのキャリア支援です。振り返れば、パーソルキャリア(旧インテリジェンス)時代には事業化を目指して検討を進めたこともありましたが、当時はなかなか難しく、実現には至りませんでした。それでも取り組みを続けていく中で、まずはスポーツ産業側の理解を広げていこうという流れになり、プロスポーツチームやリーグ、協会と連携しながら、公式な形でアスリートのキャリア支援をすることになりました。すると、スポーツ団体の運営には、人事制度や採用など、パーソルのケイパビリティを活かせる課題が数多くあることが分かってきました。その後、スポーツ庁からの受託事業にも取り組むようになり、スポーツ業界の求人をお預かりする機会が増えていきました。これを「doda」で展開していくことになり、スポーツ領域の人材事業「dodaSPORTS」が立ち上がったのです。これらの経験や実績が「CORPORATE LEAGUE」につながる流れになっています。

本田 圭佑氏との共創で広がる可能性
「健康だけではもったいない」「ほかの競技もやろう!」
──第一弾競技として、本田 圭佑さんが考案した4人制サッカー「4v4」を採用されました。そもそも、なぜ本田さんと一緒に取り組むことになったのでしょうか。
大浦:最初の糸口となったのは「健康経営」でした。製造工場でのラジオ体操やオフィスワーカーのウォーキングやランニングの習慣づくり、喫煙室を廃止して簡易ジムを設置するといった取り組みを行っている企業は多く、特に大企業では珍しくありません。そこで何社かヒアリングをしたところ、取り組み自体は続いているものの、参加が惰性的になっていたり、年数が経つにつれて参加メンバーが固定化してしまったりなど、必ずしも活発に機能していないことが分かりました。
そこで、現状の健康経営1.0を、2.0にしたい。そのために「4v4」の大人版をつくりましょうと、本田さんに提案しに行きました。すると思いのほかコンセプトを面白がってくれて、「ほかの競技も一緒にやっていこうよ!」と言ってくださりました。本田さんから「スポーツには健康だけじゃなくて、仲間意識の醸成、エンゲージメント向上、他者との競い合いの中から生まれるオープンイノベーションもある。健康だけはもったいない」という言葉をいただき、「4v4」だけでなく、いろんな種目をやっていこうという話に広がっていきました。
──「4v4」は、もともと子供向けに考案された4対4の新しいサッカーで、監督やコーチはピッチに入れない、試合時間は10分1本勝負、ボール保持から20秒以内にシュートを打つなど、ハードなルールが設けられていますよね。大人にはかなり大変そうです。
大浦:そうなんです。本田さんが考案した子供向けのルールだと、実際にやってみるとめちゃくちゃハードです。大人の場合、サッカーガチ勢が集まって普段よりも強度の高いフットサルをやるだけになる可能性が大いにあって、誰でも参加できるというコンセプトから逸脱してしまいます。そこで、2026年1月から3月までPOC(実証リーグ)を開催して、どんなふうにルールチューニングをすると参加のハードルが下がるのかを検証しています。今後は、経験者と未経験者のバランスの取り方、試合時間などの検討を進めて、誰でも参加しやすい形に整えていくような工夫を取り入れていく予定です。シュートの得点だけで競うのではなく、選手は万歩計を持って、平均歩数が多いほうに点を入れるなどの案も出ています。

試合前のピッチ上での名刺交換
カンファレンスでの挨拶とはまったく別の印象が刻まれる
──オープンイノベーションや他企業同士のつながりを生み出す場として、今後の展開、考えられている仕掛けはありますか。
大浦:「試合前に名刺交換をしてみたら面白いかもしれない」とか、「両社合同の練習時間を設けるのがいいかもしれない」など、試行錯誤しています。2026年4月までには実証実験を終え、その後の1年は、このプロダクトがマーケットフィットするのかを探りに行く形になると思います。1年間やってみた結果、年間リーグに何社来てもらうのがいいのか。オンザピッチだけでなく、オフザピッチでの交流イベントやオフ会をどうするかなど、組み立てていきます。また、同じ業界での大会をつくっても面白そうですし、役職者ばかりのミドルシニア大会や、女性だけの大会、いくつかコミュニティを区切ってみるのも、一体感の醸成につながると思います。3月まではPOC、次の1年は試験リーグ、その次の年から本格的なリーグという予定です。

──第二弾、第三弾の競技内容はすでに検討中ですか。
大浦:本田さんは「駅伝をやりたい」と言っています。ほかにも「ピックルボール」や「ボッチャ」「モルック」などの今流行っているスポーツもいいですし、近代五種のように、みんなでいろんなスポーツをやって、参加人数を増やすことでまた違うコミュニケーションが生まれるかもしれない。テーブルゲームやeスポーツもいいかもしれない。もしかすると新しい競技をつくってしまうのも面白いかもしれません。種目が増えていくことでより活性化してネットワーキングが広がると思います。
芦澤:チームスポーツがいいですよね。企業が導入して人事施策として行うものは、ウォーキングやラジオ体操などの個人の意思や継続性が関わってくるものが多い。そもそも企業はチームで、人と関わることがプロジェクトの肝です。これまでに関わりのない人たちが企業間で参加できるようなものにしたいと思っています。

大浦:4v4の試合形式のビジネスモデルでユニークなのが、4v4の「オーガナイザー」という仕組みです。このコンテンツはオーガナイザー、つまりフランチャイズの皆さんがどこでも開催できるパッケージになっていて、子ども向けの大会は全国各地で開催されています。
CORPORATE LEAGUEも、オーガナイザーの皆さんの協力を前提にしていますが、まずは直営のようにパーソルが関与する形で、初年度は首都圏に限定して実施します。その後、オーガナイザーのプラットフォームに乗せることで、地方でも自由に開催できるようになっていき、ますます広がっていくでしょう。

──社内でのコミュニケーション、企業間のつながりについて、現時点で手ごたえを感じた瞬間はありますか。
芦澤:スポーツは立場や年齢を超えていく力があると改めて感じています。実際にピッチに立ってみて、上司部下の関係、先輩後輩の関係などがフラットになっていると感じる場面はたくさんありました。ほかの企業さんも、役職のある人が若手と同じようにコミュニケーションを取って、スポーツを楽しんでいる実感があります。
大浦:社内における立場や年齢がフラット化するのとともに、競合企業の役職者とも同じ汗をかきながらコンタクトを取ることには大きな可能性があります。あの場でのコミュニケーションは、カンファレンスで名刺交換をするのとはまったく別の記憶として胸に刻まれるはずです。
誰もが挑戦できる場所で、一人ひとりの物語が輝く
「はたらいて、笑おう。」の実現
──CORPORATE LEAGUEは、パーソルグループのグループビジョンである「はたらいて、笑おう。」とどのようにつながっていくでしょうか。
大浦:CORPORATE LEAGUEは、誰にでもチャンスがあり、個人の物語を輝かせる場になる可能性があります。組織のエンゲージメントを高めたいという共通の目的を持つ人たちが集まることで、新しい学びが生まれることも期待できます。将来的には、いわゆるはたらきがいアンケートのようなものに代わって、CORPORATE LEAGUEのランキングが高い会社は、社内コミュニケーションの活性度を映す一つの指標として参考にされるようになるかもしれません。
「はたらいて、笑おう。」という世界観を考えたとき、誰もがいつでもチャレンジできること、組織ではたらく仲間とともに何かを成し遂げることは、とても重要な要素です。そうした意味でも、この挑戦は「はたらいて、笑おう。」という考え方に通じています。
──これからの「CORPORATE LEAGUE」の展開が楽しみです!
▶ CORPORATE LEAGUE: https://corporateleague.jp/
▶ dodaSPORTS:https://dodasports.doda.jp/
パーソルグループは、「“はたらくWell-being”創造カンパニー」として、2030年には「人の可能性を広げることで、100万人のより良い“はたらく機会”を創出する」ことを目指しています。
さまざまな事業・サービスを通じて、はたらく人々の多様なニーズに応え、可能性を広げることで、世界中の誰もが「はたらいて、笑おう。」を実感できる社会を創造します。




