「はたらいて、笑おう。」を、世界と日本の両面から考える。「世界トップの知見が導く“はたらくWell-being”の時代」イベントレポート

グループビジョン「はたらいて、笑おう。」を掲げるパーソルホールディングス株式会社は2025年10月3日に「はたらくことで得られる幸せ」をテーマにした特別イベント「世界トップの知見が導く“はたらくWell-being”の時代」を開催しました。

登壇したのは、オックスフォード大学 教授のヤン・エマニュエル・デ・ネーヴ氏、Gallup社 グローバルアナリティクスマネージングパートナーのジョー・デイリー氏、福井県 副知事の鷲頭 美央氏、そしてパーソルホールディングス株式会社 代表取締役社長 CEOの和田 孝雄。約2時間にわたる対話を通して明らかになったのは、“はたらくWell-being”を「経営課題」として取り組むことの意義でした。国内外の有識者を迎えたイベントの様子を、お届けします。

【登壇者・モデレーター】(冒頭写真の左から)
<モデレーター>
石川 善樹氏(予防医学研究者・医学博士/(公財)Well-being for Planet Earth代表理事)
和田 孝雄(パーソルホールディングス株式会社 代表取締役社長CEO)
鷲頭 美央氏(福井県 副知事)
ヤン・エマニュエル・デ・ネーヴ氏(オックスフォード大学 教授/Wellbeing Research Centre所長 )
ジョー・デイリー氏 (Gallap社 グローバルアナリティクスマネージングパートナー/取締役)
<モデレーター>
アルデン・ライ氏(ニューヨーク大学 School of Global Public Health助教授)

目次

世界最前線の知見から探る。「なぜ企業は、“はたらくWell-being”に投資すべきなのか」

第一部では、「はたらく人々の幸福と企業価値の関係」がテーマ。ニューヨーク大学School of Global Public Health助教授のアルデン・ライ氏のモデレートのもと、幸福学とはたらき方研究の世界的リーダーである2名が登壇しました。
1人目は、ヤン・エマニュエル・デ・ネーヴ氏(以下、ヤン氏)。経済学と行動科学の両分野で豊富な研究実績を持ち、『Why Workplace Wellbeing Matters:The Science Behind Employee Happiness and Organizational Performance(職場のウェルビーイングが重要である理由:従業員の幸福と組織のパフォーマンスの科学)』を出版するなど「幸福と生産性の関係」を科学的に解明してきた第一人者です。

ヤン・エマニュエル・デ・ネーヴ氏

もう1人は、Gallup社のジョー・デイリー氏(以下、ジョー氏)。Gallup社は20年以上にわたり、世界150カ国以上の人々を対象に幸福や生活満足度を継続的に調査し、企業や組織におけるエンゲージメントとパフォーマンスの関係を分析してきました。

ジョー・デイリー氏

まずジョー氏は、Gallup社の調査から「幸福の5要素モデル(キャリア・ソーシャル・ファイナンシャル・フィジカル・コミュニティ)」を紹介し、「中でも、キャリアの幸福が人の幸福に最も大きな影響を与える」と語りました。
「私たちは人生の多くの時間を仕事に費やしています。だからこそ、仕事を楽しむことが、全体的な幸福感を大きく左右する。さらにはたらくことで得られる喜びは、その後のエンゲージメントや生産性にも直結します」ジョー氏

続いてヤン氏は、オックスフォード大学の研究成果として、「職場のWell-beingが企業価値をも高める」というデータを紹介。
「はたらく人々の幸福度が高い職場は、生産性が上がり、離職率は下がります。さらに、複数の研究から、従業員のWell-beingに投資している企業ほど、株価や業績が高い傾向が示されています。つまり、人への投資は企業価値への投資にもつながるのです」ヤン氏

加えて、世界15万社を対象にした大規模調査では、「従業員のWell-beingが高い企業はESG(環境・社会・ガバナンス)評価が高く、長期的な持続可能な経営につながっている」と語りました。

国内で“はたらくWell-being”向上に取り組む企業・自治体の具体的な取り組みとは

第一部で語られた「はたらく人々の幸福と企業価値の関係」を受け、第二部では、“はたらくWell-being”のための取り組みがテーマとなりました。

石川 善樹氏のモデレートのもと、まずは和田が、パーソルグループが掲げる“はたらくWell-being”の考え方を紹介します。

和田 孝雄

「私たちは、はたらくことでその人自身が感じる幸せや満足感を“はたらくWell-being”と定義し、①仕事の体験(喜びや楽しみ)、②仕事の評価(社会貢献・有意味感)、③仕事の自己決定、という『はたらく領域のWell-being』にとって重要な3つの状態について計測しています。特に③仕事の自己決定は、誰かに与えられるものではなく、自分自身で選び取るものです。パーソルでは、社員一人ひとりが自分の意思で、はたらくを選べるよう、制度や文化を整えています」

鷲頭 美央氏

続けてマイクを手にしたのは、「幸福度日本一」と称される福井県の副知事 鷲頭 美央氏。

福井県は、2年に1度行われる「全47都道府県幸福度ランキング」(一般財団法人日本総合研究所編)で6回連続1位に選出されており、幸福度日本一の県として知られています。パーソルが2025年に発表した「はたらく幸福」(パーソル総合研究所「都道府県別 働き方と就業意識調査2025」)のランキングでも全国トップです。

「産業政策の方向性を示す『ふくいNEW経済ビジョン』では、仕事の幸せ実感を高めることをはじめて盛り込み、KPIに“はたらくWell-being”指標を位置づけました。経済的な豊かさだけではなく、はたらく一人ひとりが幸せを実感することが大事だと考えています」鷲頭氏)

鷲頭氏は「『隗より始めよ』の精神で、まずは県庁から率先してはたらき方改革に挑みました」と語ります。その言葉のとおり、福井県庁自らが実践。全庁でのフリーアドレス化やフレックスタイム制の導入、職員の主体的な挑戦を促すディレクター制度、若手職員が知事に直接プレゼンし事業化するチャレンジ政策提案など、「はたらきやすさ」と「はたらきがい」の両方の実現に向けて挑戦しています。

さらに、庁舎内に設けられた「FICA BASE(FICAはスウェーデン語でコーヒーブレイクの意味)」では、ゆるやかな雑談の場を新しい概念を入れながら意図的に設計し、コミュニケーションを活性化しているとのこと。「Well-beingを高めるためにもコミュニケーションが大事」と鷲頭氏はいいます。

また、県は官民連携にも積極的です。都道府県ではじめてWell-beingに関する官民共創組織『幸福実感共創ラボ ふくウェル』を2025年に立ち上げました。官民が自由にコミュニケーションをとることができる場として、大学や企業と連携し、研究や実践的なプロジェクトを進めていると語りました。

【Q&Aダイジェスト】幸福は「測る」だけでなく「育てる」もの

イベント終盤には、登壇者全員が参加してのQ&Aセッションが行われ、視聴者からの多くの質問に答えました。その中から、4つをご紹介します。

Q1:幸福を「経営指標」として扱うことに、抵抗を感じる企業もあります。どのように導入すべきでしょうか?
ジョー幸福を測ることは、感情を数値化することではありません。データは、対話のきっかけとして使うものです。従業員がどう感じ、何を望んでいるのかを可視化することで、マネジメントはより人間的になります。

Q2:海外と比べて、日本の企業のWell-being実践はどう違いますか?
日本は、データと文化の融合が課題だと思います。数値で可視化しながらも、人とのつながりやチームワークといった日本的な良さを活かせると良いと考えています。

Q3:個人の幸福を、組織としてどう支援できるでしょうか?
制度を整えるだけでなく、上司と部下の対話の質が重要です。1on1やコーチングを通して、社員が自分の意志で選択できるよう支援していきたいと思います。

鷲頭県民主役の県政を重要視しています。女性活躍推進の取り組みにおいても、「すでに仕事も家庭も大変なのに、これ以上がんばれない」と感じている女性に、「もっとがんばれ」と旗を振るだけの政策ではなく、「これなら仕事と家庭を両立できそう」「躊躇せずにチャレンジできそう」と前向きに思ってもらえるような環境づくりを目指しています。対話しながら進める政策のつくり方が大事だと思っています。

Q4:これからの“はたらくWell-being”の未来像は?
「はたらいて、笑おう。」という言葉が、一つの企業のスローガンを超えて、社会全体の共通言語となることを目指していきます。

※本イベントの内容を動画(YouTube)でもご覧いただけます
https://www.youtube.com/watch?v=Fg7ph6xynRA

パーソルグループは、「“はたらくWell-being”創造カンパニー」として、2030年には「人の可能性を広げることで、100万人のより良い“はたらく機会”を創出する」ことを目指しています。
さまざまな事業・サービスを通じて、はたらく人々の多様なニーズに応え、可能性を広げることで、世界中の誰もが「はたらいて、笑おう。」を実感できる社会を創造します。

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