誰もが何度でも、挑戦も失敗もできる世の中を目指して。古屋 公寛/PERSOL Group Awards2025 歩み続けるそれぞれのストーリー

パーソルグループでは年に1回、グループ内表彰「PERSOL Group Awards」を実施しています。「PERSOL Group Awards」とは、グループビジョン「はたらいて、笑おう。」を象徴するパーソル社員とその仕事の成果に贈られる、グループで最も栄誉ある賞のこと。各SBU、およびユニットに貢献し、提供価値を創出した社員を表彰しています。

本連載「歩み続けるそれぞれのストーリー」は、2025年度「PERSOL Group Awards」を受賞した社員たちそれぞれが、どんな人生を歩んで成長し、受賞の栄誉を勝ち取るに至ったのか——。彼らの人生を形づくるバックボーンや、仕事への情熱、そして大切にしている想いが生まれたエピソードなど、これまでの歩みをストーリーでご紹介します。

プロフィール:
パーソルホールディングス株式会社 古屋 公寛(2007年入社)

受賞案件サマリ:
日本を代表する大手成長企業に対し、パーソルグループを横串で営業統括するアカウントマネジャーの役割を担う古屋は、担当するお客さまとの全社取引停止リスクにつながりうるトラブルを乗り越え、「理念策定」という企業にとってこの先100年続く可能性のある普遍的な価値を創出。お客さまとパーソルの未来をリードした取組みが評価され、アワードを獲得した。

目次

理念なんて、しょせんきれい事。自分の弱さに向き合いきれなかった若手時代

「きれい事だろ。そんな会社あるはずがない」
それが入社のきっかけになった、と言っても過言ではない。

現在のパーソルキャリア株式会社、当時の株式会社インテリジェンスが掲げていた「はたらくを楽しもう」という、いわば会社の理念を表すスローガンといえる言葉を知ったとき、反射的に出てきた気持ちだ。2007年、20代半ばを過ぎたころだった。

実家は板金加工を家業としていたが、幼いころから「お前は継がなくてもいい。自分の道を歩め」と父にも言われていた。学業についていけず名古屋の高校を卒業後、“生きていくためには手に職を”くらいの軽い気持ちで大阪の調理師専門学校へ進学。在学中に京都の割烹料亭に弟子入りし、板前としてはたらき始めた。でも、1年半で辞めた。「当時は下積み10年なんてやっていられるか、もっと陽のあたる仕事がしたいんだ」と言って飛び出してしまったが、今なら分かる。誰も見ていないところでも、家族や友人をもてなすかのように心を込めて仕事に向き合う大将の姿勢に「自分とは志が違う。ああはなれない」と挫折した自分を認められなかったのだと。

「何が向いているのだろう。何ができるのだろう」
それを探すつもりで、アルバイトをしながら社会人大学に通い始めた。21歳の若造が、倍近く生きているベテラン社会人の生徒たちに混じって必死に学んでいる姿が面白かったのか、同じワークショップで出会った広告制作会社のプロデューサーに目を掛けてもらうように。そして、そのプロデューサーの会社に誘われ入社。CM制作の現場で、ADをするようになった。未経験からのスタートで、学ぶことだらけ。忙しく、体力もいる仕事だったが、支店の立ち上げを任されたり、ラスベガスの通りを封鎖して撮影するCMに携わったり、はたらいていた5年間は今のアカウントマネジャーとしての多様なステークホルダーやプロジェクトのマネジメントを行うことに通ずる貴重な経験だった。一方で悩んでもいた。「ちょうどテレビや映像制作の業界に陰りが見え始めた時代で、人徳もあり、経験も豊富な先輩プロデューサーでも苦戦している背中を見ながら、自分にできる自信がない」と。

そんなときに目にしたのが、インテリジェンスの「はたらくを楽しもう」とうたうCMだった。

企業ブランディングに関するCMもたくさん制作してきた。CMでは企業理念をきれいな言葉でアピールしているのに、実際に社員に会ったり会社を訪れたりすると、その言葉とは真逆の印象を受ける会社も多かった。憤りつつ、「理念なんて、しょせんきれい事だ」と冷めてもいた。

ただ、心のどこかでその言葉に勇気付けられ、期待をしている自分もいた。自信が持てず、この先のキャリアが描けず悩んでいたからだ。

理念を体現する社員との出会い。そして失敗と逆境から生まれた自身の信念

気が付くとdodaのキャリアアドバイザーへ転職相談を申し込んでいた。
担当してくれたのは、新卒入社2年目の若手社員だった。

「社会の何を知っているんだ?こいつに何ができるんだ?」
第一印象はそんな気持ちだった。

しかし、年上に対しても臆せずストレートに意見や助言を言う姿や、何より「はたらくを楽しもう」をリアルに体現している姿に、これまで企業広告をつくってきた身として、理念を体現する社員がはたらくインテリジェンス自体に強く興味を持ち、魅かれた。

だが、入社するまでに実は面接に3回も落ちた。

人材業界も営業職も経験ゼロ。高卒で、職も転々としてきた。採用する理由が見つからなかったのは今なら分かる。それでも最終的に本当に良く採用してくれたなと思う。ふぐ調理師の毒物を取扱う資格保持や、ラスベガスの通りを封鎖したことなど稀有なエピソードを面白がってくれたからだろうか。

入社後は、人材サービスの営業として新規顧客への営業を担当するものの、1年間毎月売上目標が未達成になるなど芽が出なかった。
その後、既存顧客の大手企業の担当に配置換えになり徐々に成果が出始めたころ、「責任を取って辞めよう」と思えるほどの大きな失敗をした。
しかし、そのとき「古屋が辞めても何も変わらない。結果で返せ」と当時の役員や上司が再びチャンスをくれた。
そこから、一からチームを立上げ、結果で挽回し、お客さまと仲間の信頼を得ることができ逆境はチャンスだと学んだ。

そのころから、今の自分が志す社会のありたい姿、「誰もが何度でも、挑戦も失敗もできる世の中」の輪郭につながっていった。

誰もが「はたらいて、笑おう。」を実感できる社会を目指して

2023年、グループ営業のアカウントマネジャーとして担当する大手のお客さまにご利用いただいていたサービスの終了が、当社の経営判断で決定。
ご利用いただいている社員数は、1万人以上。お客さまに多大な迷惑がかかる、かつてない逆境だった。サービス終了の決定は覆せない。
お客さまからも、内々で「このままでは御社グループとの全社取引への影響が出る恐れがある」と連絡が入った。
双方役員を巻込み、特例対応などでなんとかご理解いただいたものの、残念がるお客さまを前に、アカウントマネジャーとして果たしてこのままで良いのだろうか、広く・深く・長く、過去からお付合いさせていただいてきた私たちだからこそ、できうることがあるのではないかと、厚顔無恥だと言われても、逆に未来に向けて営業と提案をさせてほしいと時間をかけて社内外を説得していった。

逆境に対し逃げずに向き合う姿勢を評価されたのか、お客さまより新たに「理念策定に悩んでいる」という話がポロリと出てきた。複数のコンサルティング会社に相談したが、提案内容に満足できず困っているという。正直後発ではあったし、パーソルとしてもお客さまの理念浸透はお手伝いしたことはあるが、理念策定自体を行った実績もサービスもない。ただ、本当の意味での信頼挽回のチャンスはここしかないと意気込んだ。

このプロジェクトがお客さまにとっても、パーソルにとってもどんな未来につながるのか意義を伝え、人事コンサルティングを手がけるパーソルワークスイッチコンサルティング株式会社を中心に4社5部門を巻込むチームを組成。全国を飛び回り、お客さまの役員の本音を引き出し、複数社が統合した歴史やいまだ融合しきれていない組織コンディションを把握し、提案プログラムに反映するなど、お客さまの現場を知る私たちだからこその提案を実施。
他社のコンサル会社は1回の提案で終える中、当社だけが各社の提案内容にしっくりきていないお客さまに寄り添い続けた。そして4回目の提案で見事、「理念策定は御社に任せたい」とお返事をいただいた。

理念はつくって終わりではなく、浸透させ、体現してこそ意味を成すもの。
引き続きお客さまへのご支援させていただくことになった。とともに、これからも自身の実体験を通して、自身のありたい社会の姿として願う「誰もが何度でも、挑戦も失敗もできる世の中」の実現に、少しでも貢献できるよう挑戦を続けていきたい。

パーソルグループは、「“はたらくWell-being”創造カンパニー」として、2030年には「人の可能性を広げることで、100万人のより良い“はたらく機会”を創出する」ことを目指しています。
さまざまな事業・サービスを通じて、はたらく人々の多様なニーズに応え、可能性を広げることで、世界中の誰もが「はたらいて、笑おう。」を実感できる社会を創造します。

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