誠実さ。それは「すべての人は幸せになれる」と信じること。髙木 開/PERSOL Group Awards2025 歩み続けるそれぞれのストーリー

パーソルグループでは年に1回、グループ内表彰「PERSOL Group Awards」を実施しています。「PERSOL Group Awards」とは、グループビジョン「はたらいて、笑おう。」を象徴するパーソル社員とその仕事の成果に贈られる、グループで最も栄誉ある賞のこと。各SBU、およびユニットに貢献し、提供価値を創出した社員を表彰しています。

本連載「歩み続けるそれぞれのストーリー」は、2025年度「PERSOL Group Awards」を受賞した社員たちそれぞれが、どんな人生を歩んで成長し、受賞の栄誉を勝ち取るに至ったのか——。彼らの人生を形づくるバックボーンや、仕事への情熱、そして大切にしている想いが生まれたエピソードなど、これまでの歩みをストーリーでご紹介します。

プロフィール:
パーソルビジネスプロセスデザイン株式会社 髙木 開(2016年入社)

受賞案件サマリ:
パーソルビジネスプロセスデザインのフィールドDXソリューション部では、ビジネスにドローンを活用したいという企業のニーズに応え、ドローン導入やドローン事業推進の支援を行っている。また、自治体や企業のドローンを使った実証実験のサポートや推進も支援している。少数精鋭で公共性の高いそれらのプロジェクトに参加し、成果を上げているのが、髙木の率いるチーム。「豊洲G-6」と呼ばれるプロジェクトで髙木のチームは、新潟・佐渡島や粟島を舞台としてドローンを中心としたICT技術(情報通信技術)を活用し、人々の暮らしを豊かにする持続可能なモデルの実証に挑戦し、アワード受賞を獲得した。

目次

「人は誰もが幸せになれる」。それを信じ、自分の仕事で証明したいと思った

目の前で誰かが困っているのを放っておけない。

幼いころからずっとそうだった。
不登校になったりいじめに遭っていたり、理不尽な境遇で困っているクラスメイトがいれば、自ら進んで手を差し伸べてきた。
自分が動くことで、少しでも状況を変えられて、わずかでも救うことができれば、と思って。
そうするうちに、自然と「どうすれば人を幸せにできるのだろう」と考えるようになっていた。

大学では社会福祉学科に進学し、体育会の部活動とともに、障害のある方の訪問介護のアルバイトにも打ち込んだ。
学べば学ぶほど、はたらけばはたらくほど、社会にはたくさんの困っている人がいて、さまざまな問題があることを知った。行政や仕組みを変えればたくさんの人が救えると分かったけれど、その方法では時間がかかってしまうこともまた分かった。
それでは自分の目の前で困っている人を、今すぐ救うことはできない。

「直接影響を与えることができるのは、自分の半径1メートルにいる人」と言われる。
一人の力で行政や仕組みを変えるのは難しい。ならば、自分の回りの人に進んで手を差し伸べ、少しでも、その人のためになることがしたい。
そう考え、行動するようになった。
こうして「自分が困っている人を一人でも減らし、幸せにする」ことが、人生をかけてやりたいことになった。

正義感が強いとか、善良な人になろうと思っていたわけではない。
そんなことを考えなくても、毎日を楽しく生きることはできる。
それでも、誰かの困りごとに自分が何かしら寄与することができれば、毎日はより楽しくなるし、人生も幸せなものになると思ったのだ。
そして「人は誰もが幸せになれる」と思っていたし、その可能性を心から信じていたからだ。

その証明のために、はたらきたかった。

だから、人に関わるビジネスを幅広く展開しているパーソルビジネスプロセスデザイン(旧:インテリジェンスビジネスソリューションズ株式会社)を就職先に選んだ。ここならたくさんの人に出会え、手を差し伸べることができると思えたからだ。

「いつか自分も人を幸せにする仕事を手がけられる」そう信じて研鑽に努める日々

配属されたのは、ネットワーク関連のヘルプデスク業務などを手がけるプラットフォームエンジニアリング事業部。そこではたらきながら、社内やグループ会社でさまざまな新しい事業やサービスが立ち上がるのを見てきた。中には地域活性や地方創生のビジネスもあり「いつか自分もそんな困りごとを解消し、人を幸せにできる仕事に携わりたい」という想いを募らせていた。

そのチャンスが巡ってきたのは、入社して約3年が経ったころ。
ドローンソリューション部(現フィールドDXソリューション部の前身)の発足だった。

「企業に社員を派遣してドローン活用のサポートを行うだけでなく、地域課題の解決や地方創生のための実証実験などにも参画する。この部署なら、髙木が入社以来やりたかった仕事ができるんじゃないか」と先輩社員にキャリアチャレンジという公募型異動制度をすすめられた。転職するのと同じくらいの覚悟と準備を要するチャレンジだったが「困っている人を手助けする仕事ができるなら」と期待し、全力で挑んだ。そして、異動のチャンスをつかみとった。

ただ、やりたい仕事がすぐに手がけられたわけではなかった。自分はドローンの技術も知識もゼロ。一方でキャリア採用入社の他の同僚は、社会経験も豊富でドローンの知見を持っている人も多かった。案件には、当然ながら経験豊富な彼らが優先的にアサインされる。異動当初はドローンのフライト現場に行くこともできず、事務仕事を進めながら、時間を見つけてはドローンについて独学で学び、少しずつノウハウを修得していった。そして、地域活性や地方創生などの公共性の高いプロジェクトがあれば、手を挙げ、率先して身を投じた。自分を自分でたたき上げていったのだ。そうして異動から5年の間に、長崎県五島列島の海上物流実証実験や広島県での災害対応実証実験など、ドローンを活用した最先端のプロジェクトに参加できた。
ただ、「実証実験」という名前の通り、実用化に向けての検証であり、ビジネスとして成立するか、困っている人を救うことができるのかは、未知数。自分の手で誰かを幸せにしたという実感は、なかった。

それでも信じた。
信じてがんばっていれば、自分の仕事がいつか困っている人に届く。人を幸せにすることができる、と。

それが間違っていなかったと確信できたのが、石川県でのドローンによる医薬品輸送の実証実験。さまざまな困難を乗り越えて迎えたプロジェクトの最終日、苦労した日々をいたわり合い、共に成功を祝う中に、メンバーだけでなく、期待してプロジェクトを見守ってくれた地元の方の笑顔もあった。「この仕事は困っている人に届く。そして、幸せにできる」と確信できた、大きな自信をもらえたプロジェクトだ。

困難に立ち向かい、たくさんの人と一緒に笑顔になることで得られた確信

海外製ドローンを用いた実証実験プロジェクトは、スタートから困難の連続だった。
日本の航空法は他国に比べて厳しく、海外製品が性能をフルに発揮できないと分かった。改善策を練ろうにも、このプロジェクトのために来日した外国人のオペレーションチームとは言葉の壁が立ち塞がり、話し合いもままならない。クライアントは英語が話せるため、間に入ってもらうが、やはり直接会話ができないという状況はもどかしかった。
地元の人もたくさん協力してくれた。その目には期待の色が浮かんでいる。
期待に応えたいのに、予定されていた実験は思うようには進まず、時間だけが過ぎていった。

表情を曇らせ、どうすることもできずに困り果てたクライアントやスタッフたちを見て「自分は絶対にあきらめないぞ。信頼してくれるクライアントやオペレーションチーム、そして地域の人のためにできることを、すべてやろう」と決意した。

まず、信じた。
多くの実績を誇るドローンの機能と、海外スタッフの実力を。
国境を越えて集まってきたオペレーションチームの、このプロジェクトにかける想いを。
そして医薬品輸送が実現すれば、たくさんの人の暮らしが豊かになり、笑顔が生まれるのだという可能性を。
だから、このプロジェクトは必ず成功するのだ、と。

そして、とことん動いた。
国境を越えて強いチームになれるよう、コミュニケーションを強化した。ジェスチャーだけでも、積極的に交流し、公私を問わず人をつなぐ場をつくった。航空法など関連する法律を調査し、決められたルールの中で想定していた実験が実現できないかを探り、航空局と徹底的に話し合った。できることをすべて着実に進め少しずつプロジェクトを動かしていった。
外国人のオペレーションチームとは最初から信頼関係ができていたわけではなかった。私は英語も話せない。それでも、プロジェクト成功のための懸命な姿勢が伝わったのだと思う。いつしか、外国人スタッフ4人と私だけで飲みに行くほどの関係になった。流暢な会話はできない、それでも大いに盛り上がったし、実証実験を成功に導くため、とても大切な時間であったと思う。

そうしてクライアント・スタッフはもちろん、地元の人とも一丸となって、プロジェクトを完遂させたのだ。

プロジェクト最終日。打上げの会場に、突然、海外スタッフの大きな声が響き渡った。
「MVP、タカギ!」
続いて大きな歓声が上がる。いくつもの手が肩を叩いて祝福してくれる。

「おつかれ!」「ありがとう!」
たくさんの聞き慣れた声がする。「MVP!」と何度も呼ばれ、次々とハグや握手を交わす。

「みんなを信じてくれた髙木がいたからうまくいったんだ!」
「髙木のおかげでプロジェクトが無事に終えられた!」
「この地方がいまより住みやすくなる。そんな希望が持てたよ」
クライアントやスタッフだけでなく、プロジェクトを見守ってくれていた地元の方の声もする。その誰もが笑顔になっている。

「タカギの誠実さが、みんなを、プロジェクトを動かしたんだ」
グッと力強く肩を組んできた外国人スタッフがそう言って笑った。

もちろん自分1人の力ではない。チームメンバー、クライアント、オペレーションチーム、地域の方々、たくさんの人と誠実に向き合い、一丸となることで成功できたプロジェクトであった。

「誠実さ」。自分にとってそれは「信じること」だ。
そして、信じて動けば、自分の仕事は困っている人を減らし、幸せにできる。
その確信を、このプロジェクトを通して得ることができた。
はたらくことで証明したかったことが、遂に証明できたのだ。

この確信は、力になった。続く新潟県佐渡島・粟島を舞台にした海産物輸送の物流実験でも、多くの困難が待ち構えていた。けれど、信じて動くことで、その困難を克服していった。その成果は社内外で認められ、社内ではアワードを受賞し、社外では未来の地方創生と地元の人の幸せにつながる結果を生み出すことができた。
これからも、「信じること」、つまり「誠実さ」を貫き通すことで、たとえどんな困難に前途を阻まれようと乗り越えていく。
そして、自分の仕事で、これからもっと多くの困っている人を幸せに変える。必ず。そう信じている。

パーソルグループは、「“はたらくWell-being”創造カンパニー」として、2030年には「人の可能性を広げることで、100万人のより良い“はたらく機会”を創出する」ことを目指しています。
さまざまな事業・サービスを通じて、はたらく人々の多様なニーズに応え、可能性を広げることで、世界中の誰もが「はたらいて、笑おう。」を実感できる社会を創造します。

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