やり続ければ成果につながる。好きにもなれる。だからまずは、飛び込もう! ― PERSOL Group Awards2024受賞の裏に(4)足立 楓 ―

パーソルグループでは年に1回、グループ内表彰「PERSOL Group Awards」を実施しています。「PERSOL Group Awards」とは、グループビジョン「はたらいて、笑おう。」を象徴するパーソル社員とその仕事の成果に贈られる、グループで最も栄誉ある賞のこと。各SBU、およびユニットに貢献し、提供価値を創出した社員を表彰しています。

本連載では、2024年度の「PERSOL Group Awards」を受賞した社員のキャリアストーリーと、受賞の舞台裏をご紹介します。
第4回目は、PERSOL Global Workforce 株式会社の足立 楓です。

外国籍の方が日本に住み、はたらく際に必要になるビザ。その種類に「特定技能」があります。現在、特定技能ビザを持つ訪日外国人に人材不足の介護職などに就業してもらおうと各地域がさまざまに取り組んでいます。その取り組みに課題を抱えている鹿児島県に単身移住し、多くの外国人材の紹介を達成したのが足立。鹿児島県だけでなく、パーソルグループの未来も変えた足立の大きな挑戦が、「PERSOL Group Awards」のMVP7名の頂点となるTOP of MVPに輝きました。

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あえて、飛び込む。そこに成功のカギがある

福岡県で生まれ育ち、就職もパーソルキャリア株式会社の九州オフィス(福岡)に決まり、「ずっと福岡県で生きていくんだろうな」と思っていた足立。ある日、ミーティングだと呼び出され会議室には、複数のマネジャーがズラリと並んでいて……。

「厚生労働省が実施する10億円規模の大プロジェクトがある。新たな在留資格として『特定技能』が設けられたが、その特定技能を持つ外国人材を各地域で受入れ、定着を目指すことがプロジェクトの目的。パーソルキャリアもそのプロジェクトを受託し、鹿児島県を担当する。鹿児島県は今後さらに介護人材の不足が深刻になるといわれている地域。そういった社会問題にパーソルキャリアとして取り組んで解決を目指すのだが、と説明を受け『興味はあるか』と問われました。キョトンとしていたと思います(苦笑)」

足立にとってはまさに青天の霹靂でしたが、フル回転で自分のこれまでのキャリアと歩んできた人生を振り返り、出した答えが「飛び込もう!」でした。

「新卒で入社して2年弱。転職メディアの営業活動をしてきました。担当エリアが福岡県の中でも周辺エリアになっていた当時、営業成績が思うように上げられず……。『九州の一大都市・福岡でも、人材も求人も足りないのか』と驚くと同時に『もしかしたら私、この仕事、苦手かも』と限界を感じていたタイミングでした。そんな時に心機一転できるチャンスが回ってきた。振り返ると、私はいつも苦手なものには、勇気を出して飛び込んできました。だから今回も、そうしたんです」

鹿児島県は高齢化率が上昇する一方、若者が福岡県や都心部へと県外に流失するため、介護職などの人材が不足することが問題視されています。その状況を打破するため、県は外国人の介護人材受入れ推進を決定。鹿児島県独自のマッチング事業も始めていましたが、受入側の体制未整備などが原因でうまく進んでいませんでした。そこで「パーソルキャリアのノウハウで体制整備と外国人材の定着をコンサルティングしてほしい」というのがオファーの内容。それに対して、パーソルキャリア側も介護業界の実績は不足しており、手法や計画はまだありませんでした。そのため、この鹿児島オフィスへの異動を受けた場合、足立はパーソルが未開拓のフィールドに挑むことになります。何より故郷の福岡県を離れて鹿児島県に単身で移住することに。足立にとって何もかも「人生初」ばかり。それでも、足立は「飛び込む!」と決めたのです。
飛び込めば、あとは泳ぎ続ければ良いから。今までもそうやって人生をより良く変えることができたから。

知ることで、未知への恐怖心は克服できる

「大学3年生の1年間は、週に2日はインターンシップに参加していました。業界もいろいろで『見つけた募集にはとにかく応募する』という感じ。パーソルキャリアで行われたインターシップもすべて参加しました」

一見すると行動力の塊のような足立ですが、その理由は「社会人になるのがめちゃめちゃ怖かった」からだと言います。他県で就職となれば親元を離れて一人ではたらき、生活することが未知数すぎて恐怖を感じていた、と足立は話します。その恐怖を軽くできないかと選んだのが「とにかくインターンシップに参加して、さまざまな業界・企業を知る」という方法。

「いくつか大切にしていることがあって、そのうちの一つが『やってもいないことを否定しない』なんです。自分に何ができるか、合っているかは、やってみないと分からない。就職活動って、いろいろな業界や企業をその仕事を経験せずよく知らない状態のまま、選択肢から落とすことがある。それはイヤだった。まずは経験。知ってみれば怖くなくなるはず、とも思っていました。インターンの中で先輩社員たちが『この会社では』『業界では』ではなく『私のプロジェクトは』『自分がやっている仕事は』と主語を“自分”で語っているパーソルに魅力を感じました。社風や業務内容もインターンを通して理解し、興味を持ちましたし、何よりここなら私にも『私だからこそできる仕事が見つかるのでは』と期待して入社を決めました」

「知ること」で、安心できる、自分に合うか判断できる、と考えた理由は、学生時代のコンビニエンスストアでのアルバイト時代があったからだと足立は話します。実はコンビニバイトも「恐怖を克服するため」でした。その恐怖とは「人見知り」。

「レジで目の前に店員さんがいて、コミュニケーションを取るのが怖かった。一人で利用できないくらいの極度の人見知りでした。そこで『中に入って裏側を知れば、変わるかも』と覚悟を決めて飛び込みました。バイトをしてみると、忙しすぎて怖がる暇がなかった(笑)。それに仕事も楽しかったんです。忙しい中、自分なりに工夫しながら仕事をしていたら、店長に褒められたのもうれしかった。とにかくお店を明るくしよう、と元気に笑顔で声を出していました。『足立さんがいないとお店が静か』と言われるくらい。常連さんと話すのも楽しかったですね。おかげでコンビニへの恐怖はもちろん、人見知りも克服できました。それ以上に『私の仕事、存在価値を認めてもらえる』ことの喜びも感じました。この経験は今でも活きていますね」

コンビニバイトに挑戦した経験から「やってもいないことを否定しない」というルールが足立の中に生まれたと言います。だから足立は、目の前のチャンスにはまず飛び込むのです。そして、それ以外に足立が大切にしていることは「苦手なことは続ければ好きになるかも」。

飛び込んだら、泳ぎ続ける。成果が出るまで、好きになれるまで

足立は小学校からずっと水泳に打ち込んできました。クラスメイトが習い始めたので自分も、という軽い気持ちからのスタートでしたが、中学時代の後半には成績を伸ばし、高校では水泳部の部長も務め、九州大会に出場するほど実力をつけたと言います。

「本当はもっと早く辞めたかった。一緒に習い始めた友達がみんな辞めちゃってさみしくて。両親にそう話したら『やりたいって言ったのはあなた。ちゃんと続けなさい』と言われたんです。水泳は嫌いじゃなかったし、親の言うこともたしかにそうだし、と続けました。すると中学後半で一気に成績が伸びてきた。すごく楽しかった。水泳がぐっと好きになりました」

そのときに「苦手なことや面倒なことだって頑張って続けていれば、成果が出る。好きにだってなれる」ということを実感した足立。「嫌いにならなければ続ける」と決めていると話します。だから、チャンスがあれば飛び込むし、あとはとにかく泳ぎ続ける。いつか成果は出るはずだし、好きになれるかもしれない。
「私の言動のルーツは両親の言葉。あの言葉があったから、私は続けられるし、チャレンジもできる。そして成果が出るまでがんばれるんです」

「はたらいて良かった」「はたらいてくれて良かった」と笑い合いたい

「鹿児島県に移住して4年。その間、パーソルキャリアからPERSOL Global Workforce に転籍になりました。毎日、学ぶことばかり、何より助けてもらうばかりでした。そのおかげで思いっきりがんばることができています。『社会人って一人ではたらいているわけじゃない』と心から思います。一人ぼっちで社会ではたらくのだと思ってコワがっていた大学時代の私に伝えてあげたいですね」

「今、私はたくさんの人とはたらいていて、求職者や事業者などたくさんの人の役に立てていて、いつも楽しく笑うことができてる、と大学時代の自分に伝えても信じられないかもしれないですね」と苦笑いする足立。それほど鹿児島での日々は足立を変えたと言います。そして足立は、ともにはたらく鹿児島の人たちや外国人材、そして鹿児島県の状況も大きく変えたのです。

「母国語も生活様式も文化も異なる外国人材を受け入れるのは、不安が多いもの。でもそれは就業する外国人の方も同じ。営業をかけてマッチングして終わり、ではなく、双方にある不安を払拭できるよう、受け入れまで一貫して私が伴走し、密にコミュニケーションを取ることを心がけました。さらに就業した外国人の方がしっかり定着するよう事業者向けのマニュアルも作成しました」

足立をはじめプロジェクトメンバー全員で作成した90ページ以上にもなる「外国人材定着マニュアル」には、スムーズな受け入れと定着を実現するための準備項目のチェックリスト、生活様式や文化の理解を促進するための考え方などが網羅されています。お互いを「知ること」で、安心できる。それは足立がこれまでの人生で実感してきたこと。このマニュアルは厚生労働省が、全国でも活用されるようにと省のウェブサイトで公開しています。

こうして足立は初年度に105名、3年間で173名の外国人材のマッチングを実現。鹿児島県内における外国人の特定技能人材の就職、その約4割がパーソルキャリア経由という成果を生みだしました。鹿児島県内の行政・民間団体関係者で「パーソルの足立」を知らない人はいないと言います。それは、成果はもちろん、足立が関係者のところに足繁く通い、相互理解のために話をし続けたから。

「数字的な成果もうれしいですが、先日、職場を紹介した外国人材の方から『足立さんが紹介してくれた施設で楽しくはたらいています、ありがとう』という内容のハガキが届いて。メールでもいいのに、手書きで難しい漢字も使って書かれていて、すごく感激しました」

介護施設からも「紹介いただいた方はみんなとてもまじめでていねいに仕事をしてくれる。日本人職員がその様子に自分の仕事を見直し、施設全体のサービスが向上した。良い影響が生まれている」と感謝の声も上がっています。この成果と変化は口コミでも各所に伝わり、「介護職で特定技能外国人を雇うならパーソルグループ」とお声がけいただく機会も増えています。足立の存在が、足立のチャレンジが、パーソルグループの評判を上げたのです。

「このチャレンジに飛び込んで良かった。自分に合っている仕事に出会えて良かった。でもまだまだゴールは先だと感じています。私ががんばることで『はたらいて良かった』『はたらいてくれて良かった』と言い合える人たちをもっとたくさん生みだしたい。そのためにはこれからも、とにかく泳ぎ続けたいと思っています」

パーソルグループは、「“はたらくWell-being”創造カンパニー」として、2030年には「人の可能性を広げることで、100万人のより良い“はたらく機会”を創出する」ことを目指しています。
さまざまな事業・サービスを通じて、はたらく人々の多様なニーズに応え、可能性を広げることで、世界中の誰もが「はたらいて、笑おう。」を実感できる社会を創造します。

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