パーソルグループでは年に1回、グループ内表彰「PERSOL Group Awards」を実施しています。「PERSOL Group Awards」とは、グループビジョン「はたらいて、笑おう。」を象徴するパーソル社員とその仕事の成果に贈られる、グループで最も栄誉ある賞のこと。各SBU、およびユニットに貢献し、提供価値を創出した社員を表彰しています。
本連載では、2023年度の「PERSOL Group Awards」を受賞した社員のキャリアストーリーと、受賞の舞台裏をご紹介します。
第17回目は、パーソルクロステクノロジー株式会社の林 美紗子です。
林が手掛けたのは、パーソルクロステクノロジーの新卒採用プロジェクト。当初は150名だった採用予定人数が、途中で300名に変更となったものの、チームの力で見事達成することができました。
入社後のキャリアまで見えたことが入社の決め手となった
2015年、林はパーソルクロステクノロジーの前身である日本テクシードへ、新卒で入社しました。入社前の彼女は、職種について非常に迷ったと話します。
「大学時代に学んだ理系分野の知識を活かしてエンジニアになりたいと思っていました。一方で人と話すことが好きだったので、コミュニケーションが重要というイメージの営業や人事の仕事にも興味がありました。正直に迷う気持ちを話したとき、一番親身に相談に乗ってくれたのが日本テクシードの採用担当者でした。こんなに寄り添ってくれる採用担当者のいる会社であれば安心だと感じ、日本テクシードへの入社を決めました」
林のファーストキャリアは、制御系エンジニア。車のメーターパネルを担当しました。迷った末にエンジニアを選んだ理由として、「エンジニアを経験したのちに、人事、特に採用の仕事をやりたいと考えたんです」と語ります。
「入社前、迷っていた時期に、日本テクシードの採用担当の方から『もし採用の仕事に興味があるのなら、エンジニアを経験してからの方がいい』とアドバイスをもらったことがあります。私たちの会社は、エンジニアを多く採用する会社です。エンジニアの仕事内容ややりがい、悩みなどを、自分自身で経験してから採用の仕事をすれば、それは強みになるだろうという言葉には納得感があったし、入社だけでなく自分のその後のキャリアまで考えてもらえたのはうれしかったですね」
突然の戦略変更で、採用人数が倍に。誰もが「無謀だ」と思うスタートだった
エンジニアを3年経験し、林は異動希望を出します。異動先は、人事の採用担当でした。
「上司や人事、営業職の方など、さまざまな職種や立場の人に相談して、徐々に意志を固めました。よく『3年の壁』なんて言うように、新卒は入社後3年で一区切りがある感覚がありますよね。だから自分も最初の3年、やりきった感覚を持って仕事ができたら新しいことにチャレンジしたいと思っていました。採用の部署へ異動して中途採用の担当を4年やったのち、現在は新卒採用を担当しています」
アワード受賞につながった新卒採用300名の採用人数大幅拡大プロジェクトは、当初、150名採用の予定でした。経営方針として事業拡大が発表されたことで、人事戦略も大幅に変更。予定の倍である300名を採用することになりました。
「現場としては、突然の変更に感じました。成功したから言えますが、最初は全員が無謀だと思っていたんじゃないでしょうか。もちろん、予算や人員は追加がありました。しかし我々の業界は人材不足の売り手市場で、他社との人材確保の競争が激しい状況。その上採用チームは若手が多く、採用の仕事に関して経験豊富と言える人も少なかった。だからといって数だけを求め、採用要件を下げては現場の期待に応えられません。どうやって倍の人数の方に入社してもらうか。心が折れそうになることは何度もあったし、目標の300名に達するまではずっと不安な日々でしたね」
業務に追われる時期にこそ、土台づくりに立ち返れ
採用チームの戦略は大きく2つあったと林は言います。一つ目は、パーソルクロステクノロジーを「受けたい会社にすること」。二つ目が、「入社したい会社にすること」です。
「受けたい会社にするために、まず入口を広げました。エントリー経路の拡大やインターンシップ、採用プロモーションも強化。学生の皆さんにとにかく興味を持ってもらい、受けてみようと思ってもらう工夫をしました。もう一つ、入社したい会社にするために考えたのは、途中辞退を減らし、他社ではなく弊社を選んでもらうことでした。たとえば、選考全体のスピードアップ。技術者のはたらく環境や日々の仕事を深く知ってもらうために、技術部門にお願いしてイベントを開催してもらったり、保護者の方や学校の先生に向けたパンフレットも制作したりしました」
二つの戦略をきちんと実行するには、新たな取り組みが増えるためかける時間も増えることになりました。限られた時間と人員でどう対応するか。「業務の断捨離とチームビルディングが大事だった」と林は振り返ります。
「断捨離では、チームで時間のかかる業務を列挙し『本当に要るか?』と議論しました。たとえば、会議の議事録はやめて録画にしようとか、社内の申請フォーマットをやりやすいように変えようとか。チームビルディングも重要だったと思います。自分自身の強みや課題を把握したり、同じようにチームメンバーの強みと課題も把握したり。お互いを知ることで、採用の経験が浅いメンバーが多い中でも、協力がしやすくなりました」
断捨離のような業務の見直しも、チームビルディングも、採用活動とは直結しない業務です。しかし直接関係ないと思われることこそが、業務の効率や質を向上させるためには必要なことでした。
「改めて全体の業務を見渡したり、チームでお互いを知ったりするのは、余裕があるときにやることのように思えるかもしれません。しかし余裕がない、疲弊しがちな時期だからこそ、きちんと業務を仕分ければやらなくていいことが見えてくるし、人を知ればより効率よくタスクを分担できるかもしれない。土台としていいチームをつくることが、無謀な目標に向かうにはとても有効だったのだと思います」
自分がそうしてもらったように、自分もまた誰かのキャリアへ寄り添う存在へ
見事300名の2023年卒採用に成功。24年卒は400名、25年卒は500名とどんどん目標採用人数を拡大中です。23年の300名採用について、改めて林は、「チームの誰一人諦めなかったからできた」と言います。
「誰かが無理だよと言い出したらできなかったと思うんです。全員で意見を出して、全員が120%の力を出し、諦めなかった。誰が欠けても達成できませんでした。今回のアワードは、私が代表者として受賞していますが、本来は全員の力で成し遂げたプロジェクト。全員が受賞者です。」
「はたらいて、笑おう。」というグループビジョンについて、林は「私ははたらくとき、どんなときでも笑っていたい」と言い、さらに「採用だけでなく、入社した人のその後のキャリアまで寄り添える人になりたい」と今後の展望を語ります。
「どんなときであれ、笑いながら頑張るぞ!という気持ちは忘れないでいたいですね。もちろん笑い続けるのが難しい時もあるのですが、そういった場面を乗り越えてこそできる経験もあるはずだと思います。具体的には今後、採用したら、配属になったら、終わりではなく、はたらく人のその後のキャリアにまで携わる経験をしたいです。最近では、キャリアコンサルタントの資格も取得。マネジメントにも興味が出てきました。関わる人を幸せにする仕事をしていきたいです」
パーソルグループは、「“はたらくWell-being”創造カンパニー」として、2030年には「人の可能性を広げることで、100万人のより良い“はたらく機会”を創出する」ことを目指しています。
さまざまな事業・サービスを通じて、はたらく人々の多様なニーズに応え、可能性を広げることで、世界中の誰もが「はたらいて、笑おう。」を実感できる社会を創造します。