人々の挑戦を起点とした笑顔の渦をつくりたい。それがはたらく最大の理由。山下 輝/PERSOL Group Awards2025 歩み続けるそれぞれのストーリー

パーソルグループでは年に1回、グループ内表彰「PERSOL Group Awards」を実施しています。「PERSOL Group Awards」とは、グループビジョン「はたらいて、笑おう。」を象徴するパーソル社員とその仕事の成果に贈られる、グループで最も栄誉ある賞のこと。各SBU、およびユニットに貢献し、提供価値を創出した社員を表彰しています。

本連載「歩み続けるそれぞれのストーリー」は、2025年度「PERSOL Group Awards」を受賞した社員たちそれぞれが、どんな人生を歩んで成長し、受賞の栄誉を勝ち取るに至ったのか——。彼らの人生を形づくるバックボーンや、仕事への情熱、そして大切にしている想いが生まれたエピソードなど、これまでの歩みをストーリーでご紹介します。

プロフィール:
パーソルキャリア株式会社 山下 輝(2023年入社)
受賞案件サマリ:
大手メーカーにおける新たな事業創出の課題解決に向け、各業種でさまざまな経験を持つプロ人材を集め、「1dayの事業アイデア創出ワークショップ」を開催。10名のプロ人材を同時に稼働させ、これまでの深く貴重な経験や身につけた視点を活用してブレストを実施。プロ人材の本業での新規事業開発や副業で培った経験や知見に対し、メーカー社員に加えパーソル側からは山下も参加して、激しく議論を交わしさまざまなアイデアを発言・検討する中で、新規事業のシーズを約120も生み出すという圧倒的な成果を創出した。

目次

夢を見ることやその夢に挑戦することは、すべての人に等しく与えられた権利だ

「その歳で何ができるんだ」「通用する成功の経験があるのか」「夢ばかり語って」

言葉にしないまでも、態度や表情で伝わってきたり、トゲトゲとした視線を投げつけられていると感じたりすることがある。社会人になったのは2023年。「まだ25歳の若造」。
そう表現されれば、事実、その通りだ。

そんな自分には、成し遂げたい目標がある。ただ、そこにたどり着くための手段や方法は、まだおぼろげにしか見つかっていない。だからこそ夢を語り、共感してくれる人を増やし、多くの人の人生にかかわり、嘘偽りなく進んでいきたい。
たとえ成功した経験がなかろうと、言えないような挫折した経験があろうと、どんな企業の誰であっても、夢を見て挑戦できる。そんな社会を実現したい。失敗するリスクを気にせず、自己肯定をして、ありとあらゆる人が前向きに夢を抱き、挑戦できる——。そんな社会を。

そのためにパーソルキャリアを選び、はたらいている。自分に何ができるかを模索し社会から見れば小さくても、自分が誇れる成功の経験を積み重ね夢を語り続ける。それが今の自分なのだ。

「成功するまで挑戦する」ことを美徳としながら、失敗する人を切り捨てる社会への違和感

きっかけは父の挫折だった。

サッカーに幼いころから打ち込んで、プロを目指していた自分に「勝て。勝利すること。それが何より重要だ」と、げきを飛ばす厳しい父だった。そんな父が、勤めていた会社を辞めて事業を興した。子どもながら、業界に影響を与える、意義ある事業だと感じた。けれど、うまくいかなかった。父は何度もチャレンジしたが、事業は軌道に乗ることはなく、その事業をあきらめた。

自分の実現したい社会を信じて、泥臭く挑んでいたときの父は、誰よりも輝いていた。だからこそ、事業をあきらめたときの背中はあまりに小さく、つらそうだった。

「時代を間違えた」「タイミングが良くなかった」「理解されなかった」
父の失敗の理由を勝手に解釈して好きなように話す人が多かったけれど、それを聞くたびに「じゃあまた挑戦すれば、父の事業は成功するんじゃないか」と思った。時代やタイミングやアピールの方法を変え、意義を理解されるまで挑戦すればいいんだ、と。でも、父の再挑戦を拒んだのは「その歳で何ができるんだ」「通用する成功の経験があるのか」「夢ばかり語って」、そんな周りの言葉も大きかった。失敗だけでなく、周りの心ない反応も、父の未来への意と自信を削いでいき、前を向いて歩く意欲を失わせた。父は打ち勝つ気力と言葉を持てず、遂に挑戦をあきらめてしまった。

理不尽だ、と思った。日本の社会は挑戦者を持ち上げる一方、失敗に対して冷酷だ。世の中に良いインパクトを与えるような事業のアイデアを持ち、「挑戦したい」という意志を持つ人は多い。でも失敗すると、再挑戦はかなわない、認められない環境や社会ができ上がっている。一度沈んだ船を掬い上げる仕組みが今の社会には存在しないのだ。

その時抱いた強烈な違和感が、今の私の原点だ。悔しくて眠れなかった夜も、流した涙も、すべて無駄じゃない。今につながっている。そう実感できる社会であれば、父はまた笑って挑戦できたかもしれない。ないなら、自分がつくればいい。誰もが何度でも、挑戦できる社会を。

人の価値は、その人が何を経験してきたかと同義。成功も失敗も関係がない

「社会に対するあなたの違和感を絶対に忘れないように、大切にして欲しい」

そう言ってくれたのが、大学時代のビジネスイベントで知り合ったパーソルの役員だった。その違和感から生まれる事業のアイデアがある。そうして生まれた事業は世の中をより良く変える、社会を変革するきっかけになるはずだ、と言ってくれた。それがパーソルキャリアに入社する決め手になった。新規事業企画を手がける部門があることにも魅力を感じ、そこを目指して入社した。その希望はかない、入社後すぐに新規事業研修を受けることに。パーソルではたらく中でより強くなったのが「人の価値は、その人が何を経験し、どう生きてきたかと同義だ」という自分の信念だった。

成功も失敗も関係ない。すべての経験が、その人の「深み」になる。そのことをまさに体現する経験になったのが、「HiPro」と今回のAward受賞プロジェクトだった。「HiPro」は、副業に特化したマッチングプラットフォームサービス。会社員やフリーランスとして本業で活躍している人材に、その専門性や意欲を発揮できる副業を紹介している。紹介する副業には、企業の課題を解決するためにコンサルティングを行う業務や、単発プロジェクトにアサインされて推進するといった業務が多いのが特長だ。

アワードのプロジェクトでは、その「HiPro」のプロ人材たちの価値が発揮された。
老舗の大手メーカーが、新規事業の開発に挑戦した。しかし、本業に特化された人材が多く、隣接する業界はもちろん、異業界への進出にかかわった社員はいなかった。そのため、社内で議論しても、画期的なアイデアが生まれるどころか、どう話し合っていいかも分からない状態。挑戦のきっかけは、本業の先行きが不透明であること。なのに、その課題を解決する糸口すらつかめないまま、時間だけが過ぎていた。
その相談を受け、「HiPro」からプロ人材10名を選定して行うワークショップを提案。
業界に捉われず網羅的な知見を持ったプロ人材を集めてチーム化し、新規事業を検討するディスカッションの場「1dayの事業アイデア創出ワークショップ」を行うというのが、その具体的な中身だ。

「HiPro」では通常、同一プロジェクトに1名のプロ人材を紹介する。それをあえて、10名とした。多種多様な経験を持った人材が集まり、その経験がかけ合わされることで、これまでなかったアイデアが生まれるのでは、と期待したからだ。紹介するプロ人材を10名選定するために、合計100名と面談を実施した。一人ひとりのキャリアはもちろん、考え方や性格まで知り、ワークショップに最適かどうかを探っていった。

そうして実現したワークショップでは、想像以上に議論が白熱。プロ人材が持つ貴重かつオリジナリティあふれる経験から生み出される言葉が刺激となり、メーカーの社員たちもさまざまなアイデアを生み出していった。結果、わずか1日の限られた時間でのワークショップだったが、出された事業アイデアは120を超えた。その中から15件が事業として成り立つ可能性を秘めていると評価され、現在3件がプロジェクトとして進行している。

何よりうれしかったのが、ワークショップを終えて参加したプロ人材たちが笑顔で話した「成功例はもちろん、失敗したことも糧にして話ができた。メーカーの方にも喜んでもらい、自分の経験に価値があると実感できた。また仕事に前向きに挑戦しようと思えましたよ」という言葉だった。すべての人には価値がある。その価値はその人の経験から生まれる。それがどれほど大きな価値なのか、目の当たりにした1日だった。

人生を豊かにしてくれるのは経験。より多くの経験を重ねるために、回り道を楽しみたい

誰もが何度でも挑戦できる社会。そして挑戦の中で経験を積める社会。
その実現のために、どんな事業あるいは会社をつくるのか、手段や方法はまだ見つかっていない。でも、はっきりと言えるのは、実現すれば、誰もがいくつになっても挑戦し続け、貴重な経験を重ね続けられる、ということ。そしてその経験が、人の価値を高め続けるということ。そこには成功も失敗も関係ないのだということ。

高校時代、サッカーの恩師が教えてくれたことがある。回り道をすることは失敗じゃない。目標まで一本道をまっすぐ進むだけだと、その道の側にある少しの景色しか見えないからだ。回り道をすることで気付ける風景がある。ぐねぐねと蛇行する道だからこそ、出会える人がいる。拾える感情がある。人生の表面積は、そうやって増えていく。だから焦らず、この回り道を楽しみたいと思う。予想もしなかった出会いに喜び、壁にぶつかったときの痛みや悩みさえも、全力で受け止め、抱きしめて。
そうやって積み重ねた日々の先にこそ、「はたらいて、笑おう。」と心から言える未来が待っている。そう信じている。

パーソルグループは、「“はたらくWell-being”創造カンパニー」として、2030年には「人の可能性を広げることで、100万人のより良い“はたらく機会”を創出する」ことを目指しています。
さまざまな事業・サービスを通じて、はたらく人々の多様なニーズに応え、可能性を広げることで、世界中の誰もが「はたらいて、笑おう。」を実感できる社会を創造します。

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