
パーソルグループでは年に1回、グループ内表彰「PERSOL Group Awards」を実施しています。「PERSOL Group Awards」とは、グループビジョン「はたらいて、笑おう。」を象徴するパーソル社員とその仕事の成果に贈られる、グループで最も栄誉ある賞のこと。各SBU、およびユニットに貢献し、提供価値を創出した社員を表彰しています。
本連載「歩み続けるそれぞれのストーリー」は、2025年度「PERSOL Group Awards」を受賞した社員たちそれぞれが、どんな人生を歩んで成長し、受賞の栄誉を勝ち取るに至ったのか——。彼らの人生を形づくるバックボーンや、仕事への情熱、そして大切にしている想いが生まれたエピソードなど、これまでの歩みをストーリーでご紹介します。
プロフィール:
パーソルビジネスプロセスデザイン株式会社 瀬戸 龍一(2024年入社)
受賞案件サマリ:
男子プロバスケットボールチーム向けに試合映像の分析アプリを開発し、プレー内容の可視化とデータ利活用を支援したのが、パーソルビジネスプロセスデザイン。瀬戸のチームは、競技知識ゼロからスタートし、理解を深めながら選手育成や戦術に役立つデータ基盤を構築していった。チームに試合結果の分析を提供して、初の13連勝という記録の樹立を支援。瀬戸は現在、その成果をベースとして、スポーツアナリティクスという新領域で新たなビジネスの開発に挑んでいる。
忘れ去られていく技術を歴史に刻み込み、後世に伝えたい
スポーツアナリティクスに関するプロジェクトが一つの山場を越え、少し落ち着いた。激動だった日々を振り返ったときに見つかった目標がある。私が今、新たに立てたその目標は、「本を一冊書き上げること」だ。
それは現在主流となった、いわば最新の「技術」についての本。その技術がどうやって生まれ、私がどのように使い、クライアントにどんなメリットを生み出したのかといったことを解説する予定だ。
私が手がけている生成AIやマーケティング、データに関する技術は、日進月歩で改良を遂げている。リリースされてわずか数年、いや数カ月でも、“古い技術”と言われてしまうこともあるくらいだ。
“古い技術”と見なされると、ほとんどの場合その技術がもう一度振り返られ、再評価されることはないし、リバイバルして主流に返り咲くことはない。だが、取って代わった新しい技術は、古い技術をベースにして開発されたものであることが多い。前代の技術があったからこそ、「より使える、より良い技術を開発しよう」と考える人がいる。
なのに、新たな技術が生まれて使われるようになれば、人は古い技術を忘れてしまう。今回のスポーツアナリティクスに関するプロジェクトで、私が人生ではじめてスポーツの分野に挑み、スポーツチームの勝利に貢献しようと開発・改良して生み出した最新の技術も、いずれ必ず「古い技術」になる。そして忘れ去られる。「それはとても悲しいことだ」と感じたのが、本を書こうと思った理由の一つ。自分が日々触れて、恩恵を得ている技術を、歴史に残そうと思ったのだ。
その新しい目標を立てるまでの、私の話をしたいと思う。

「そばにいる人のためにがんばる仕事」の面白さを再実感
学生時代に、「はたらく」の語源を聞いたことがあった。
それを聞いて、そばにいる人を楽にするために、自分ははたらいているのだ、と思うと心も軽くなったし、腹落ちした。
大学と大学院で打ち込んだのは、古気候学という分野。地理や化石、生き物の記録などを分析し、そのデータから数千から数万年前の地球はどんな気候だったかを推定する学問だ。データが揃えば、あとはパソコンの中でシミュレーションを行えるので、パソコンさえあればどこでも一人で研究ができる。
そのまま研究の道に進もうかと思ったけれど、企業で就業してから再び研究の道に戻ってきた先輩を見て「社会で得た経験は、研究にしっかり活かせるはずだ」と考え、就職を選んだ。研究で身につけた統計やデータ分析が活かせるITベンダーに入社したのは、やはり「パソコンさえあればどこでも一人で仕事ができる」から。会社が合わなかったら、フリーランスになるのも良いなと思っていた。
ITベンダーでは、データの集計・分析やマーケティング、データを活用するアプリケーションの作成といった業務を手がけた。プロジェクトチームに配属されて業務を手がけているものの、作業自体は一人でパソコンに向かって完結させるものが多かった。想像通りではあったものの、その現実に張り合いややりがいを見出しにくいな、と思っているとき、パーソルグループではたらいている友人から話を聞く機会に恵まれた。その出会いで、人生が大きく変わった。
パーソルビジネスプロセスデザインが手がけている案件の多さや内容に惹かれ、転職を決めた。はたらき始めてすぐ「ここを選んで良かった」と思えた。その理由は、人のためになっていると実感できたからだった。
手がけた業務自体は、AIやデータ分析を使う点では、これまでと変わらない。一人で完結させる業務も多い。でも、仕事のすぐ傍らや目線の先に「人」がいる。それをありありと感じられるのだ。
「先日のプロジェクトでお客さまの売り上げが上がって喜ばれたと営業担当が連絡をくれたよ」
「瀬戸の生成AIの記事、分かりやすくて、楽しく読んだよ」
そんな声を聞くことが増えた。ともにはたらく仲間を大切にする社風もあるが、何より「人」のために「何ができるか」「貢献したい」とビジネスやプロジェクトが生まれている会社だからこそ、と感じている。つまり「傍を楽にする」ために会社が動いている。
その好事例の一つが、今回アワードを獲得したプロジェクトだ。

スポーツアナリティクスという新領域に挑み、つかみ取った大きな成果
男子プロバスケットボールチームための試合映像分析アプリの開発。
下位リーグにいるバスケットボールチームから「オフィシャルパートナーになってほしい」と連絡があった。上位リーグに昇格し、いずれは日本を代表するプロバスケットボールチームになる、という熱い想いに共感し、当社はオフィシャルパートナーとなることを快諾した。
そして「パーソルビジネスプロセスデザインのマーケティングで培った分析技術を活用して、チームの目標の実現に貢献したい」と提案。それに対して「選手育成や戦術立案に役立つデータ基盤を創る手伝いをして欲しい」とチームから要望が返ってきたのだ。
スポーツアナリティクスは、パーソルビジネスプロセスデザインにとっては未踏の新領域。だからこそ、技術や手法を開発できれば新たなビジネスのシーズになると期待して、プロジェクトチームが組まれた。
「未踏の新領域」と言えば、チャレンジングでわくわく感もあるが、要は未経験。バスケットボールはおろか、スポーツの分析の経験があるメンバーはゼロ。私もバスケットボールは学生時代の体育の授業以来で、ルールさえうろ覚えだった。全員が手探り状態の中、プロジェクトを進めていくことになった。
分析を行う上で重要なのは、データ。
データが多いほど、分析は精細となる。
そんな当たり前の原点に立ち返り、大量の映像を集めて見続けた。対象となるチームの試合映像はもちろん、アメリカのプロバスケットボールの試合まで、ありとあらゆるバスケットボールの映像を見た。それをアナリストの目線で「試合を左右しているのは選手のどんな動きか」「どこに注目すればどんな情報・データが採取できるか」と隅々まで見て、分析したのだ。
映像だけでなく、実際にコートに足を運んで試合を見たり、それをさまざまな角度から録画して分析を行ったりした。選手やコーチ、知人を頼って、バスケットボールコーチの話を聞いたりもした。
そうやって膨大な量のデータを集め、分析する中で、分かったものがある。
「シュートが失敗したとき、そのボールを拾って再シュートする場合(オフェンスリバウンド)の得点率が高い」
ゴールリングに弾かれてシュートが失敗した際、こぼれたボールを拾って再シュートしているケースは少なかった。しかし、しっかりボールを拾って再シュートした場合は、得点につながっていた。
一見すると当たり前のことだ。だが、シュートを失敗すると、攻守が瞬時に逆転するのがバスケットボール。「失敗した」と認識した瞬間、選手はディフェンスに回る。とはいえ、シュート失敗後のボールを相手チームに奪われていない場合、実際は攻撃のチャンスがまだ続いている。だから、それを拾って、再度シュートすればいい。チャンスに食らいついて、貪欲に活かすのだ。
分析を続けると、その動きに適した選手とポジション取りが分かってきた。それを活かせれば、得点のチャンスを逃すことは、ぐっと減る。
この分析結果を含めたアプリを開発して納め、アドバイスを行った。チームはそれをもとに練習を繰り返してくれた。そこから快進撃が始まったのだ。初の13連勝!
バスケットボールチームはもちろん、私たちプロジェクトチームも大いに盛り上がった。そして、新領域であるスポーツアナリティクスに、大きな手応えを感じた。
技術の裏にある「使う人のために」と奮闘した人の存在を、後世に受け継ぎたい
個人的にも、確信を得たことがある。
「人のために動くことが、好きだ」ということだ。
幼いころ、誰かのためになりたいとボーイスカウトでがんばっていた時の気持ち。大学入学を目指していた浪人時代、はじめてアルバイトをしたコンビニで多国籍の仲間たちを助けながらともにはたらいていた時の気持ち。その気持ちを思い出した。当時は「人のためになりたい」と思うと自然と体が動いていたのだ。そもそも古気候学の専攻理由にも、古代の気象データを分析して自然現象を定式化し、現代の環境問題の解決策を探るという志があった。広く世の人のためになりたいと。
その気持ちが、コロナ禍を挟み人と触れ合えない間に、少し錆び付いていたのかもしれない。その錆が、パーソルビジネスプロセスデザインではたらき始め、すべて落ちたのだ。
「傍を楽にする」
それは作業や体、気持ちを楽にするだけではない。今回私たちがバスケットボールチームの目標達成を助けたように、誰かが夢や目標をかなえるサポートをすることでもある。そしてそれこそが、私が何より手がけたい「はたらく」だ。
「楽」は楽しいにもつながる。私は自分の仕事で周囲の人を助け、みんなが楽しく笑い合える世の中にしたい。それが私にとっての「はたらいて、笑おう。」だ。
そのために私の道具となってくれているのが、AIやデータ分析の技術。それはたとえ最新の技術であっても、いずれはさらなる最新技術に駆逐されて消え去り、忘れ去られるものだ。
でも、それらが生まれるきっかけは「この技術があれば、誰かの仕事が楽になる」「これが実現することで、誰かの夢が叶うに違いない」
という人の想い。
だから、私はそれを本に記しておきたいと思った。チームの勝利に貢献し、選手やファンを笑顔にした技術。たくさんの仕事の役に立ち、「傍を楽にしてくれた」最新の技術。いつか忘れ去られるその技術たちを、歴史にしっかりと刻み、残したい。
そして本に残すことで、「誰かを楽にしたい、夢を叶える手伝いをしたい」と思って技術を開発した人や、その技術を使って私と同じように誰かのために打ち込んだ人の存在も未来に伝わるはずだ。
そしてそれを読んだ誰かが、私たちの想いに共感してくれたなら、また「傍を楽にする」ために動く人が増えるかもしれない。
そんな想いと願い、そして感謝の気持ちを込めて、私は本を書きたい。それが今の、私の新しい目標だ。

パーソルグループは、「“はたらくWell-being”創造カンパニー」として、2030年には「人の可能性を広げることで、100万人のより良い“はたらく機会”を創出する」ことを目指しています。
さまざまな事業・サービスを通じて、はたらく人々の多様なニーズに応え、可能性を広げることで、世界中の誰もが「はたらいて、笑おう。」を実感できる社会を創造します。




