パーソルで出会った仕事が「はたらく」楽しさを教えてくれた。 阿部 麻美子/PERSOL Group Awards2025 歩み続けるそれぞれのストーリー

パーソルグループでは年に1回、グループ内表彰「PERSOL Group Awards」を実施しています。「PERSOL Group Awards」とは、グループビジョン「はたらいて、笑おう。」を象徴するパーソル社員とその仕事の成果に贈られる、グループで最も栄誉ある賞のこと。各SBU、およびユニットに貢献し、提供価値を創出した社員を表彰しています。

本連載「歩み続けるそれぞれのストーリー」は、2025年度「PERSOL Group Awards」を受賞した社員たちそれぞれが、どんな人生を歩んで成長し、受賞の栄誉を勝ち取るに至ったのか——。彼らの人生を形づくるバックボーンや、仕事への情熱、そして大切にしている想いが生まれたエピソードなど、これまでの歩みをストーリーでご紹介します。

プロフィール:
パーソルエクセルHRパートナーズ株式会社 阿部 麻美子(2018年入社)

受賞案件サマリ:
阿部の所属するパーソルエクセルHRパートナーズ 経営企画本部 グローバル事業推進部は、ベトナム人エンジニアの採用に注力している。2024年には新卒エンジニア採用もスタートし、ハノイ工科大学と協力、大学内にオリジナルの講座を開設。1年6カ月の期間内に日本での就業に必要な日本語を習得できるだけでなく、ベトナム人の先輩エンジニアと交流したり、企業説明会に参加したりもできる。さらに在留資格申請や住居準備など、就業・生活に必要な支援までをワンストップで提供し、アワード受賞を獲得した。この取り組みを担う阿部は、「エンジニアたちが日本で人生を楽しみながらはたらけるように」と親身に寄り添い続けている。

目次

はたらいていることが楽しい、って幸せなこと

週末の夕方、私たちは居酒屋で楽しくお酒を飲んでいた。20人のベトナム人の若者たちと一緒に、近くの六甲山風吹岩への登山に行ったその帰りのことだ。彼らは日本で就業している優秀なエンジニアたち。彼らの日本での生活をサポートできればと、ランチやみんなと遊びに行くときなどに積極的に参加させてもらっている。ベトナム人同士のコミュニティだけで過ごしていると、休日の過ごし方や外食も限定的になってしまうこともあるからだ。日本での生活の楽しさや良さを体感し、日々の日本ライフがもっと潤いのあるものになるといい、そんなことを想っている。

20年近く、はたらきながらも家事と子育て中心の生活だった。それが今は、仕事三昧の日々へ。この数年は毎年ベトナムにも出張している。今の仕事でなければ出会えなかった仲間たちとの楽しい時間を過ごす私を、家族は応援してくれている。これまでを振り返ると、今の仕事に出会って、仕事に向き合う姿勢が大きく変わった。
これまでも精いっぱいやってきたけれど、今は自分にしかできないことや、役割を超えてでも完遂したい想いがある。これまでの仕事はなんとなくしっくりこないこともあったけれど、大変なことが多い中でも、今が一番楽しくはたらけている。

夢やライフステージの変化があっても「はたらく」を選択

高校生までは、ピアニストになりたいと思っていた。幼稚園でピアノに出会い「楽しいな」と、なんとなくレッスンを始めると、その「楽しい」が次第に大きくなっていった。素直な気持ちで練習に励み、やがてピアニストになりたいという気持ちが芽生えた。これまで以上にがんばろうと、日々の練習も真剣に取り組み、友だちと遊びたい気持ちも我慢した。はじめて描いた夢をかなえたい、と真剣に取り組んだ。
だけどめちゃくちゃ努力してきたのに、うまくいかなかった。ピアノの先生と合わない、応援してくれている母とも口喧嘩が絶えない、結果も出ない。だんだんと真剣に取り組む意味が分からなくなり、ついにはピアノをやめてしまった。
正直、解放された気分だった。ピアニストになりたくてがんばっていたのに、進む方向が分からなくなった。何かをがんばる意味も分からない。私は立ち止まってしまった。

進学した高校が理系だったため、その延長で大学は理学部を選択し、楽しい学生生活を送った。就職氷河期ながらも、あきらめずに就活を続け、システム系の会社へ就職。ピアノからは遠ざかったが、当時練習に打ち込んでいた根気と粘り強さが役に立った。システムエンジニアとして、業務に真摯に向き合う日々が続く。大きな不満もなく、当時はやりがいを求めるより、自分の仕事をきっちりと進めることで達成感を味わえた。性格的にも、社会人としてはたらくのは性に合っていたし、実際に結婚後も仕事をやめる選択はしなかった。はたらかないという選択肢は、なかった。
やがて娘が生まれた。私がピアノに出会えたように、娘にも小さいころから音楽を学んでほしいと思い、育児の時間をさらに優先できるよう転職をすることにした。通勤に便利で時短勤務ができる職場を探し、データ入力や書類作成の仕事に就いた。子育ては楽しいながらも大変で、当時は仕事よりも育児に集中できる環境がありがたかった。

仕事への自信が「はたらく」意識の変化へ

通勤に便利で時短ではたらける、という理由で選んだパーソルエクセルHRパートナーズで契約社員としてはたらき始めたのが2018年。
「ベトナム人エンジニアが日本で就業するためのサポート業務。書類作成やデータ入力などの営業事務」と聞かされていた仕事だったが、ベトナム人エンジニアが「日本で就業する」にあたっての書類作成や日常生活のサポートは、想像以上に幅広く、事業の立ち上げ期だったのでルール策定などもあり、難しいものも多かった。自分で調べたり上司に教えてもらったり、日々の業務からコツコツと学び、担当業務が増えていく。ナレッジが蓄積されていくことで点と点がとつながっていき、やがて線になる——。徐々に仕事で任される役割が増え、依頼される機会もさらに増えていった。名指しで頼られること、人と接することが楽しくて、上司や営業担当者との会話で、かなり煩雑そうな業務や対応について相談していれば「私、やりましょうか?」と、どんどん仕事を巻き取りにいった。できることはなんでもやりたい自分がいた。

ベトナムから来たエンジニアが職場で活躍できたという話を聞いたり、楽しく生活しているといった声を聞いたりするのが何よりうれしかった。仕事でかかわる人たちから頼られること、感謝されることが増え、その一つひとつが糧になった。そうした言葉を聞くと「もっともっとがんばりたい。人の役に立ちたい」という気持ちが湧いてくるのだ。

実績の延長線上にあるチャレンジや変化も楽しむ

「社員の登用試験にチャレンジしたい」。

自分の中で、仕事に対してさらに一歩踏み込もうと気持ちが動き始める。仕事内容が性に合っているし、仕事でもっと成果を出したい、成長したいという想いが膨らんできた。
契約社員から正社員への登用は難易度が高いと聞いていたけれど、何があってもつかみとろうと決心していた。家族の応援もあり、また上司にも恵まれ、同じ職場で正社員としてはたらくことになった。社会人生活で、パーソルエクセルHRパートナーズでの仕事は4年になっていた。

業務は変わらず、ベトナム人エンジニアのサポートだが、目の前の困りごとの解決以外にも、中長期的な課題解決や環境整備など、ぐっと領域が広がっている。現在、担当しているのは約100人。ベトナムから日本へ渡航し、生活の基盤を整え、就業先で活躍するまで寄り添ってサポートしている。空港へ迎えに行き、住まいのガスや水道の開栓に立ち合い、困ったことがあれば相談に乗る。2024年にハノイの大学内にパーソルエクセルHRパートナーズの日本語研修コースを開設したことやこれまでのキャリア採用も含め、担当するエンジニアの数は今後もどんどん増える予定だ。

大きな花火のような活躍ではなく、これまでの7年間、日々のサポートや改善を繰り返し、少しずつ前進してきたその結果が今回の受賞につながった。延長線にある仕事は決してゴールではなく、これからも続いていく——。

私は今、人生で一番がんばっている、と言える。仕事に楽しさを求めていなかった。その分、やりがいや達成感も得られていなかったことが、今だから分かる。
今は楽しく「はたらく」ことができているし、将来の自分に期待もしている。もちろん楽しいだけではない、大変なことや責任もある。それも含めて仕事をがんばり、続けることを楽しめている。

ベトナム人エンジニアにも「この仕事を選んで良かった」と思ってほしいし、充実した毎日を送ってほしい。

だからこそ、「日本のお母さん」のように、たくさんの子どもの面倒を見ているような感覚で、日本で就業することに不安を感じたり心配ごとを抱えたりすることなく、力を存分に発揮して職場で活躍していけるように、これからも支え続けたい。

パーソルグループは、「“はたらくWell-being”創造カンパニー」として、2030年には「人の可能性を広げることで、100万人のより良い“はたらく機会”を創出する」ことを目指しています。
さまざまな事業・サービスを通じて、はたらく人々の多様なニーズに応え、可能性を広げることで、世界中の誰もが「はたらいて、笑おう。」を実感できる社会を創造します。

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