【パーソルの社会課題解決ストーリー ~100万人のはたらく機会創出に向けて~|第5回】公務員のキャリアに新しい選択肢を──「doda」が挑む、未開拓領域の支援がもたらす社会価値

「doda」公務員支援チームの5名。左から山口 聡美、池畑 彩乃、野口 結、工藤 智博、戸村 直樹

パーソルグループはグループビジョンとして「はたらいて、笑おう。」を掲げ、誰もが自分の意思で「はたらく」を選び、自分なりの価値を発揮する社会の実現を目指しています。
本連載では、パーソルグループが描く2030年に向けた価値創造ストーリーの「今」の姿として、「はたらく」にまつわる社会課題の解決に挑む、リアルな取り組みの数々を紹介します。

第5回は、公務員のキャリア支援という新たな領域に取り組むパーソルキャリア株式会社の「doda」専門チームの活動を通じて、より多くの人の「はたらく」選択肢を広げ、キャリアオーナーシップを育む意義を考えます。

公務員キャリア支援の取り組みとかかわりが深い社会課題

本記事のサマリー
・固定観念に縛られ、キャリアの選択肢が制限されていた公務員を支援する専門チームを設置
・キャリアアドバイザーが求職者一人ひとりの経験やスキルをていねいにヒアリングし、民間企業とのマッチングを実現
・公務員領域のノウハウを蓄積し、支援実績を大幅に拡大するとともに、企業側の認識変化も促進

目次

「doda」ならではの強みを活かし、公務員のキャリア支援に挑む

人々の価値観やライフスタイルが多様化し、個人が自らの意思でキャリアを選ぶ動きが広がる一方、その選択肢が制限されている職種もあります。それが、国家・地方を問わず日本全国ではたらく公務員です。公務員は、社会的に「安定志向」「終身雇用」のイメージが根強く、人材紹介の業界全体が「公務員はほかの職種に比べて転職ニーズが乏しく、支援も難しい」という固定観念に縛られ、この巨大な潜在市場を見過ごしてきました。
「転職を考えている公務員は確実に存在するのに、十分な支援ができていなかったんです」──そう語るのは、dodaで公務員支援サービスの立ち上げをリードした戸村 直樹です。2022年、公務員のキャリア支援に特化した専門チームを発足し、CA(キャリアアドバイザー)によるコンサルティング活動を開始しました。
まず、スカウト型サービスと連携し、支援の実績を積み上げました。そのデータをもとに法人営業担当が企業側へ提案。さらに、社内の理解も促進するため、法人営業担当向けにCAが公務員のスキルや志向性を伝える勉強会を開催しました。戸村は「異なる専門性を持つチームが有機的に連携できるのは、dodaならではの総合力だと思います。この多角的なサービス体制があるからこそ、前例のない領域への展開を進めることができました」と振り返ります。公務員支援は、パーソルキャリアとしても初の取り組みであり、社内外からの注目も高まっています。

公務員の経験・スキルを見極め、民間企業とのマッチングを実現

公務員といっても職種は幅広く、業務内容も多岐にわたります。公務員支援チームでは、各CAが半年に40件以上のカウンセリングを実施し、一人ひとりの経験や価値観にていねいに向き合うことで、職種や業務への理解を深めました。
CAとして北信越・北関東エリアを担当する工藤 智博は、「法規に基づいて正確に業務を遂行する公務員は、コンプライアンスが重視される時代に適した人材」と語ります。首都圏エリアを担当する野口 結は、教員出身者の事例を紹介。「逆算思考や高いコミュニケーション力、部活動指導で成果を出した経験などを活かして、企業で活躍された方がいました。1年後には、その企業から『また教員の方を紹介してほしい』という声をいただいたんです。公務員のスキルが民間企業でも十分に適応することを、企業側も実感されたのだと思います」と話します。中央省庁を担当する池畑 彩乃は、「最初は各省庁にどのような部署や仕事があるのかを調べるところからのスタートでした。そこから1年かけて業務内容や組織構造に対する理解度を高め、今ではCA全体で知見を共有できるようになりました」と振り返ります。
こうした積み重ねによって公務員領域におけるノウハウが着実に蓄積され、現在では詳細なデータや事例をもとに求職者一人ひとりの経験やスキルを整理し、企業に的確な提案ができるようになりました。このように公務員領域の専門特化型の支援体制を確立したことが大きな強みとなり、支援実績はサービス開始から約3年で8倍以上に伸長しました。

公務員支援サービス伸長率

公務員支援チームによる2022年下期の実績件数を100%とした場合の伸長率

公務員支援を皮切りに、「見えづらい」スキルを評価できる仕組みを

公務員支援チームのマネジャーを務める山口 聡美は、転職市場の課題を次のように語ります。
「たとえばエンジニアであれば、資格などによって比較的スキルが定量化しやすいのですが、公務員をはじめ営業やサービスの領域はスキル評価が難しい傾向にあります。公務員支援を通じて、そうした『見えづらい』スキルの評価方法を確立し、企業にもその価値を理解してもらえるようになれば、求職者の方々もより活躍の場を見つけやすくなるはずです」。山口は、公務員のスキルの可視化および評価の仕組みづくりを強調し、今後2〜3年でその取り組みを本格化させたいと話します。
公務員領域での本格的なサービス展開は、今後の大きな可能性を秘めています。官民連携が重視される今、公務員と民間企業の間の人材流動を活性化することで、地域を含めた雇用創出という社会価値につながります。また、公務員の中には50代前半で定年を迎える職種もあり、人生100年時代において豊富な経験とスキルを持つ人材の活躍機会を広げることは、社会全体の人材不足解消にも貢献します。こうした支援を通じて、より多くの人々にはたらく選択肢を提供し、より多くの“はたらくWell-being”創造に貢献していきます。

担当チームからのメッセージ

パーソルキャリアdoda事業本部 エージェントサービス事業部の公務員支援チーム

「公務員は転職が難しい」──この固定観念を払拭するのが、私たちのチームの使命です。企業側の先入観だけでなく、公務員の方々も、ご自身の可能性に気付けずにいる方が少なくありません。中には、「自分のスキルが民間企業で評価されるのだろうか」といった不安を抱えている方もおり、実際にお会いすると多くの方が「もっと早く相談すれば良かった」と話されます。
パーソルキャリアのミッションは「人々に『はたらく』を自分のものにする力を」。言い換えれば、キャリアオーナーシップを育む社会を創造することです。公務員の方々が自分のキャリアを見つめ直し、次の一歩を踏み出す支援をすることで、一人ひとりが自分の意志でキャリアや人生を選択できるようになれば、その人の幸福度(Well-being)はきっと高まると信じています。
dodaの公務員支援はまだ十分に認知されたとは言えませんが、私たちの取り組みが少しずつ浸透し、「まずはdodaに相談を」という流れが定着しつつあることは大きな励みになっています。転職ありきではなくても、「自分のキャリアとは何か」「どんな可能性があるのか」を気軽に考えるきっかけとして、まずは私たちにご相談いただきたい。その結果、「キャリアは自分で選び、つくるもの」という考え方が広まり、公務員の方々が自信を持って次のステップを選択できる。そんな社会を目指しています。

パーソルグループは、「“はたらくWell-being”創造カンパニー」として、2030年には「人の可能性を広げることで、100万人のより良い“はたらく機会”を創出する」ことを目指しています。
さまざまな事業・サービスを通じて、はたらく人々の多様なニーズに応え、可能性を広げることで、世界中の誰もが「はたらいて、笑おう。」を実感できる社会を創造します。

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