
パーソルグループはグループビジョンとして「はたらいて、笑おう。」を掲げ、誰もが自分の意思で「はたらく」を選び、自分なりの価値を発揮する社会の実現を目指しています。
本連載では、パーソルグループが描く2030年に向けた価値創造ストーリーの「今」の姿として、「はたらく」にまつわる社会課題の解決に挑む、リアルな取り組みの数々をご紹介します。
第2回は、個人の「はたらく意思」を企業の「労働力不足」という課題とつなぎ、新たな雇用のかたちを生み出しているスキマバイトアプリ「シェアフル」の紹介です。
シェアフルは、スキマ時間を活かした単発・短期の就業機会を提供するだけでなく、長期雇用やキャリア形成の入口としても注目を集めています。2025年6月にはアプリ登録者数が1,000万人を突破し、さらなる進化と成長を続けています。
シェアフルの取り組みと関わりが深い社会課題

本記事のサマリー
・成長を続けるスキマバイトアプリ「シェアフル」が、2025年6月に登録者数1,000万人を突破
・単発・短期から長期雇用への移行が進み、企業の人材戦略の一部として定着。地域連携も拡大
・キャリア支援や新機能開発を通じて、誰もが「自分らしくはたらける」社会の実現を目指す
労働力不足時代に求められる“新しいはたらき方”
日本では、2035年には2023年の約1.85倍の労働力不足が生じると予測されています(パーソル総合研究所「労働市場の未来推計2035」より)。今後、現在以上に深刻な労働力不足が見込まれる中、企業の人材確保はますます困難になり、従来のフルタイム雇用や画一的な採用手法だけでは、課題を根本的に解決することが難しくなっています。
一方で、はたらく個人の意識も変化しています。「もっと自由にはたらきたい」「空いた時間を活用して収入を得たい」といったニーズが高まり、主婦・学生・シニア・副業会社員など、フルタイム以外の「はたらく意思」を持つ人々が増えています。
シェアフルはこうした社会の変化に対応し、「スキマ時間にはたらきたい個人」と「人材を確保したい企業」をつなぐプラットフォームとして、2019年にパーソルグループから誕生しました。
新たな就業体験プラットフォームとして成長
シェアフルは、スマホ一つで「すぐ応募」「すぐ決定」「すぐ就業」「即日払い」が可能なスキマバイトアプリです。履歴書・面接不要で、はたらいたその日に給与を受け取れるという高い利便性が、多くの利用者に支持されています。
「『まず一度はたらいてみる』ことを可能にするのが、シェアフルのポイントです。求職者は職場との相性や雰囲気を確かめることができ、企業側も雇用後のミスマッチを最小化することができます。そうした職場での適正や相互理解を踏まえて、長期雇用の入口として活用されるケースも増えてきました」と語るのは、シェアフル株式会社で広報を担当する川端 芳野です。
企業からも、現場のニーズに即した人材をスピーディに確保できる点はもちろん、求人掲載から労務管理までシステム上で完結できる手軽さが評価されています。登録者数も順調に増え、2025年6月には1,000万人を突破するなど「次世代の就業インフラ」として成長を続けています。

シェアフル登録者数の推移

多様な“はたらく意思”を社会につなぐという価値
シェアフルの利用者は、若年層に限らず主婦(夫)・シニア・副業会社員など多岐にわたります。それぞれのライフスタイルや価値観に合ったはたらき方を選べることで、「はたらきたいけれど、従来のはたらき方では難しい」と感じていた人々にも、社会との接点が生まれています。
シェアフル登録者の年代・属性別割合(2025年6月現在)

また、特徴的なのは、長期雇用や正社員雇用の支援です。利用者の約半数が長期雇用を希望するというデータに加え、企業担当者も57%が「スキマバイトサービス経由で長期採用をしたことがある」と回答(シェアフル利用企業担当者を対象にしたWeb調査)。単発・短期から長期雇用への移行は、すでに現実的な選択肢となっており、地域の中小企業や専門職領域でも正社員雇用などにつながる事例が増えています。
さらに、地方自治体や地域企業との連携により、都市部だけでなく地域にも「はたらく機会」を創出しています。パーソルグループの強みを活かし、全国規模の人材供給体制を構築。人材派遣事業を展開するパーソルテンプスタッフをはじめグループ5社と連携し、全国44都道府県に拠点を設け、接客や軽作業などを中心とする地域密着型のサービスを提供しています。
今後の展望について、川端はこう語ります。
「グループ内の連携を通じて、はたらく機会をより多様な職種・地域に広げることが可能になりました。今後も、パーソルグループの総合力を活かして、『はたらく意思があるすべての人』に機会を届けていきたいと考えています」
シェアフルが描く未来——すべての人に「はたらく」の選択肢を
労働力不足が深刻化する中、短時間・柔軟なはたらき方を選ぶ人々——いわゆる“ショートワーカー”の存在は、今後の労働市場においてますます重要な役割を担うようになっています。実際に、これまでは「一時的な人材補充」として捉えられていた短期就業が、今では企業の人材戦略の一部として定着しつつあります。
シェアフルは、一人ひとりの「はたらく意思」と、企業の「労働力不足」のギャップを埋める仕組みとして、社会に新しい雇用のかたちを提示しています。今後は、「ポイ活」促進やクーポンなどの新機能を通じて、より多くの個人にとって使いやすく、続けやすいサービスへの進化を目指します。また、ユーザーの就業実績やアンケート調査結果など蓄積したデータを活用し、レビュー評価の高い方への正社員登用の打診や、就業実績を履歴書に活用できる機能の実装など、多様な価値提供を推進していきます。単発マッチングにとどまらず、キャリア支援、企業の人材活用、そして労働市場全体の最適化へ——。
シェアフルが目指すのは、「はたらく」の選択肢をすべての人に届ける未来です。誰もが「自分らしくはたらける」社会の実現に向けて、これからも挑戦を続けていきます。
「担当者からのメッセージ」

ブランドコミュニケーション部 川端 芳野
私は、主にメディア対応やプレスリリース、インナーコミュニケーションなどの広報活動を担当しています。シェアフルのミッションである“誰もの「はたらく」を広げ、新しい「はたらく」をつくる”を実現するために、サービスの利便性だけでなく、労働市場における新たな選択肢としての社会的意義を、多様なステークホルダーに届けることを目指しています。
シェアフルの柔軟なマッチングの仕組みは、個人と企業の双方にとって、従来の採用方法では出会えなかった新しい可能性をもたらしていると実感しています。労働力の確保に課題を感じている企業、柔軟なはたらき方を求める個人、そして社会全体に対し、シェアフルが担う役割は今後さらに広がっていくと確信しています。ぜひご注目いただければ幸いです。
パーソルグループは、「“はたらくWell-being”創造カンパニー」として、2030年には「人の可能性を広げることで、100万人のより良い“はたらく機会”を創出する」ことを目指しています。
さまざまな事業・サービスを通じて、はたらく人々の多様なニーズに応え、可能性を広げることで、世界中の誰もが「はたらいて、笑おう。」を実感できる社会を創造します。