誰もが自分の想いと力で、自分の人生を形づくれる世の中に変えていきたい ― PERSOL Group Awards2024受賞の裏に(10)伊藤 結実 ―

パーソルグループでは年に1回、グループ内表彰「PERSOL Group Awards」を実施しています。「PERSOL Group Awards」とは、グループビジョン「はたらいて、笑おう。」を象徴するパーソル社員とその仕事の成果に贈られる、グループで最も栄誉ある賞のこと。各SBU、およびユニットに貢献し、提供価値を創出した社員を表彰しています。

本連載では、2024年度の「PERSOL Group Awards」を受賞した社員のキャリアストーリーと、受賞の舞台裏をご紹介します。
第10回目は、パーソルキャリア株式会社の伊藤 結実です。

株式会社ベネッセホールディングスとパーソルキャリア株式会社によって設立された株式会社ベネッセi-キャリアは「まなぶとはたらくをつなぐ」を企業理念に掲げ、学生が幸せな人生を主体的に想い描き、自分の力でそれを実現するためのさまざまなサポートを行っています。伊藤は、そのベネッセi-キャリアが新たに立ち上げた「キャリアオーナーシッププログラム」部門にエントリーし、パーソルキャリアより出向。1年間でのべ6,049名が参加する数々のイベントを企画・運営しました。それは伊藤が追い続けてきた「手がけたい仕事」でもありました。

目次

理想の人生の実現に向かって、できるかぎり早く、力強く、走り始めたい

「北極星を見つけよう」

伊藤が将来に迷ったり悩んだりしている人にいつもかける言葉です。そしてこれは伊藤が自分自身に言い続けてきた言葉なのです。どんな暗闇でも、いつも輝いている星が一つありさえすれば、そこを見つめて迷わず走っていけるから。

伊藤が立ち上げを主導し、運用を担当した『キャリアオーナーシッププログラム』も、大学1~2年生に「北極星」を見つけてもらいたいという想いからでした。キャリアオーナーシップとは、「一人ひとりがやりがいを感じながら、自ら主体的にキャリアを形成していくはたらき方や生き方」のこと。自分の力で自身のキャリアを実現し、自分らしくはたらき、将来をつくっていくのです。パーソルキャリアで転職希望者と接してきた伊藤は、より早くキャリアについて学び、考え、行動できる環境が必要だと感じていたと言います。

「転職は、経験やスキルや収入など、さまざまな条件を比較して自分が就ける仕事を選びます。そのとき、選択肢がそれまでのキャリアによって限られてしまい、やりたい仕事やなりたい自分を選び取ることができないケースが多くあるのです。多くの人のキャリアの方向性は、最初に就職した会社の業種や職種に影響されます。それを考慮すると、就職活動を始めるより前、1~2年生の時期に自分の将来のキャリアやなりたい姿を思い描いたほうが、自分の理想のために準備できる時間が長く、より早く力強く、まっすぐ走れるのです」

大学に入学してすぐの時期にキャリア観を形成する、つまりなるべく早く「北極星を見つける」ために、伊藤が立ち上げたのが、全国の大学1~2年生を対象にした『キャリアオーナーシッププログラム』。1年間でのべ6,049名の学生が参加しました。多くの学生が自分の「北極星」を見つけ、それを目指して走り始めたのです。

「自分が大学生の時にこんなイベントがあったら良かったのにな、と思えることがプログラムの基準の一つでもありました。私がキャリアと自分の将来を考え始めたのも大学生になってすぐのころだったからです」

興味に従ってさまざまな経験を積む中で見えてきた、伊藤の北極星

伊藤がキャリアについて考え始めたのは、大学1年生の時。それが人生のターニングポイントになったと言います。

「大学時代の寮生活で、縦のつながりがたくさんできました。先輩だけでなく、寮のイベントなどを通して社会人としてはたらいている卒業生ともたくさん知り合うことができたのですが、その誰もが目的意識を持って活躍している人ばかりでした。キャリアや自分の将来の姿はもちろん、社会や地域をどう担っていくかを考えてプライベートで勉強に励んでいる人もいました。それまで勉強は学校や塾で習うもの。そして受験のため、大学に入るためのものだった私には『自分のための勉強が、世界にはあふれている』と衝撃を受けました。何より皆さんとてもキラキラしていて『私もこんな社会人になりたい!』とあこがれたのです」

そこから伊藤は「自分はどんな社会人になりたいだろう」「それを探す旅に出る気持ちで、さまざまな経験を積もう!」と少しでも興味のあるものには果敢に挑んでいきました。幼少期から始めたテニスに打ち込み、ケガでプレイヤーでいることをあきらめざるを得なくなると、コーチに転向して育成に注力しました。語学留学では海外の文化・慣習に大いに刺激を受けました。アルバイトではリーダーを任されることも多く、中でも「教える楽しさ」を感じながらはたらいていた家庭教師のバイトでは、支店の立ち上げを任され、見事その経営を軌道に乗せることができたと言います。並べると違うジャンル、異なる経験ですが、その積み重ねの中で着実に、伊藤の北極星が輝き始めていたのです。

「いろんなことをしてきましたが、今の私を決定づけたのは大学祭でのゼミの企画でした。所属が教育学系のゼミだったので、高校生を対象に『大学でどんなことを学ぶか』を体験してもらえる模擬講義を企画。私は実行委員長として、チームをまとめて企画と運営を担当しました。講義のテーマは『30年後の未来をみんなで考えよう』『幸せってなんだろう』でした。参加することで社会や自分にアンテナをたてるきっかけになるという点が『キャリアオーナーシッププログラム』にとても似ている企画です。参加した高校生は、学校では学べないことや初めて知ることに多く触れ、刺激を受けていました。その中で高校生が自分のキャリアと未来を真剣に考え始めた瞬間、表情が大きく変わったのです。その変化に、私の心も動きました」

伊藤はそれを「人が自分の人生のハンドルを自分で握り出す瞬間」と表現します。人が成長を志したり、自分の人生を生き始めたりする瞬間、表情が活き活きと変わるのだと伊藤は言います。

「意思決定の瞬間、人はとても美しい。そのことに感動しました。そしてそんな瞬間をもっと見たい。たくさんの人に関わり、その人たちが自分が選んだ人生を歩もうと意思決定できるようサポートしたい。それができる人間になりたい。そんな仕事に就きたい。心からそう思ったんです」

こうして目指すべき北極星が見つかった伊藤は、それを目指して走り始めたのです。

決して揺らがない「自分が成し遂げたいもの」があれば、困難を乗り越えられる

「学生たちに、もっと早く自分のキャリアと将来を考えられるチャンスと出会って、意思決定をしてほしい。そのサポートがしたい」。その想いから伊藤は教師を目指します。ですが調べるうちに、学校のカリキュラムが大きく変更されるには数年単位の長い時間がかかり、教育現場から声を上げてもすぐには変化につながらないことが分かってきました。

「ならば大きな企業の中から、社会や国を変える方が早い、と考えました。さまざまな業界を研究しましたが、たくさんの企業と関わりがあり、また多くの人と関わり人生の岐路でサポートできる人材業界に注目しました。その中で、国内外で人に関わる多様なビジネスを展開しているパーソルを選んだのです」

ただ、入社してからの伊藤のキャリアは「人に関わる」という点以外、想い描いていたものとは違うものでした。人に関わる仕事をする、という目標に向けてとにかく走ってきた行動派の伊藤ですが、入社から3年半はコロナ禍と言うこともあり、オンラインでのミーティングやヒアリングがメインの内勤の仕事に従事することに。

「その仕事で楽しみながらさまざまな経験を積めましたし、成果も出せました。自らが実際に就職してみたからこそ、はじめてファーストキャリアの重要性も理解できました。だからこそ常に『自分は何がしたいのか』を意識して立ち返り、上司に「キャリア教育に関わる仕事がしたい」という希望を伝えていました。そうすることで、日々の業務に追われていても、目標を決して見失わないように心がけていたのです。そういう意味でも、常に目指す『北極星』を持っていたことは心強かった。時には、やりたい仕事に手が届かず転職を考えたこともありましたが『パーソルグループなら私のやりたいことがやれる。チャンスはつかめる』と信じていました」

そうして入社4年目で巡ってきたチャンスが、ベネッセi-キャリアでの新部門開設でした。ベネッセi-キャリアの企業理念は「まなぶとはたらくをつなぐ」。まなびとはたらくことを扱い、人をより良い人生へと導くための機会を創出する会社は、まさに伊藤が手がけたかった仕事ができる舞台だったのです。

「転職と言えるほどの大きな異動ですし、イベント運営などは初めて手がける仕事です。それでも『これはもう二度とないかもしれない大きいチャンス。逃すわけにいかない!』と手を挙げました」

目標に近づいて見えてきた、向かうべき新たな目標

伊藤はキャリアオーナーシップを持てる学生を増やすためにどういったイベントを開催すれば良いかを考え抜きました。所属するパーソルキャリアでは、キャリアオーナーシップを持つことを「はたらくを自分のものにする」と表現していますが、そのためのスキルや考え方を身につけられる講座やコンテストなどのプログラムをつくっていったのです。

そうして開催された「キャリアオーナーシッププログラム」には、活躍する社会人の姿を見て自分のキャリアを描く『キャリアゲートウェイ』、さまざまな企業の10年後の未来予測を聞くことで各業界への興味関心を喚起する『CHANGE 企業変革シリーズ』、30歳以下の若手社員による講演ではたらくことのリアルを知って自分のはたらき方をイメージする『はたらく人FileU30』など、さまざまな切り口で多彩なプログラムが用意されました。そのどれもが伊藤が「学生時代にこんなイベントがあればよかったのにな。社会に出ることにわくわくできて、自分からキャリアや将来のことを楽しく考えられるのにな」と思えるものばかり。

「異動した当初は慣れないことも多く、無力感を感じることもありましたが、あきらめずがんばり続けました。プログラムを通じて実際に学生と接し、参加した学生が活き活きとしている様子を見られたとき、トライし続けて良かったと思えました」

参加した学生は、全プログラムを通してのべ6,049名。登壇した企業は55社にもなりました。大学1~2年生からのキャリア教育の必要性を感じているものの、なかなか将来のキャリアに関する施策の実施に踏み切れていない状況にある大学も、このプログラムを高く評価し、今後に期待していると言います。

「学生からは、単に企業のことが分かったという感想ではなく『小さなことでも始めることが、自分のキャリア観の形成につながる』『多くの人とつながり、世界が一気に広がった』と前向きな声をたくさんもらえました。多くの学生が、未来の道しるべになる北極星を見つけ、自分の人生のハンドルを自分で握り出したのです。そしてその美しい瞬間のいくつかに、私も関わり、立ち合うことができた。『これこそが私のやりたかったことだ』と実感しています」

伊藤はこうして自分が目指していた北極星のすぐ近くにまで走り寄ることができたのです。近づいたことで見えたのは「人が自分の人生を歩もうと意思決定するサポートをしたい」という想いの先にある「幸せに生きる人をもっと増やしたい」という新たな目標でした。「まなぶ」こと、そして「はたらく」ことで、幸せに生きる。それが伊藤が増やしたい人の理想のイメージ。それを実現するために伸びている長い道を、伊藤はこれからも走り続けるのです。

パーソルグループは、「“はたらくWell-being”創造カンパニー」として、2030年には「人の可能性を広げることで、100万人のより良い“はたらく機会”を創出する」ことを目指しています。
さまざまな事業・サービスを通じて、はたらく人々の多様なニーズに応え、可能性を広げることで、世界中の誰もが「はたらいて、笑おう。」を実感できる社会を創造します。

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