世の中に、もっと多くの「はたらく人ファースト」を増やしたい。その想いが形になった新しいアワードの開催 ― PERSOL Group Awards2024受賞の裏に(7)永野 雅大 ―

パーソルグループでは年に1回、グループ内表彰「PERSOL Group Awards」を実施しています。「PERSOL Group Awards」とは、グループビジョン「はたらいて、笑おう。」を象徴するパーソル社員とその仕事の成果に贈られる、グループで最も栄誉ある賞のこと。各SBU、およびユニットに貢献し、提供価値を創出した社員を表彰しています。

本連載では、2024年度の「PERSOL Group Awards」を受賞した社員のキャリアストーリーと、受賞の舞台裏をご紹介します。
第7回目は、ミイダス株式会社の永野 雅大です。

永野は企業の「多様なはたらきがいを認め、はたらく人一人ひとりを大切にする」取り組みを表彰する『はたらく人ファーストアワード』を企画・開催しました。予想を大きく上回る応募企業数に、投下費用に対して莫大な宣伝効果を上げ、第1回は大成功のうちに終了。第2回の開催も決定しました。

目次

形となった「世の中に何かを残したい」という想い

2024年2月21日に第1回目の開催を終えた『はたらく人ファーストアワード』。初めての開催ながら、応募企業は1,009社。アワード開催に伴い発表した「はたらく人ファースト宣言(※)」は、中小企業から大企業まで多種多様な1,224社に賛同を得ました。

※はたらく人ファースト宣言
・はたらく人の多様なはたらきがいを尊重しています、または今後尊重していきます。
・はたらく人の声を聞く機会を設けています、または今後設けていきます。
・はたらく人の声をもとに改善に努めています、または今後努めていきます。

「社長の後藤さんからの強いリーダーシップや落とし込みをしていただき、営業やカスタマーサービス部隊の現場でのがんばりをはじめ、全社一丸となって取り組めたことで、目標とした応募企業数600社に対して、それを上まわる多くの企業に参加いただけました。大企業はもちろん中小企業の参加も多く、そういった企業の取り組みがグランプリに輝いたのは意義があると感じています。中小企業では総務・人事の兼業が多く、時間も予算も足りない課題を抱える企業が多くあります。そんな中小企業でも、さまざまな工夫を行い、自社に合った『はたらく人ファースト』の取り組みを実施していることが分かりました。アワードを通じて得られた各社の『はたらく人ファースト』な取り組みは、特設ページで公開しています。これから『はたらく人ファースト』を推進していく企業の参考事例として読んでいただくことで、はたらく人を大切にしたい企業の助けになりたいと考えています。今後は『はたらく人ファースト』であるかどうかが、企業の重要な指標になるべきだと思っています。そのためにも、今後もアワードを通して、当社の『はたらきがいサーベイ』や『ミイダス』のサービスをより知っていただき、多くの方に使ってもらいたいですね」

と話すアワードの企画者でもある永野。『はたらく人ファーストアワード』は14のテレビ番組に取り上げられ、1,000媒体以上のWEB記事に掲載されるなど、大きな反響がありました。この成果こそが、『はたらく人ファーストアワード』を企画し実現した永野の大きな狙いの一つでもあったのです。

「第1回の開催が成功に終わり、大きく取り上げていただいたおかげで、すぐに2024年の開催が決定しました。第2回はより『ミイダス』と『はたらきがいサーベイ』の認知度向上を実現するために奔走しています。ずっと漠然と持っていた『生まれてきたからには、世の中に何かを残したい』という想いが、このアワードで少し形を成したなと感じています」

「大切な人のために、生きていく」という覚悟

「生まれてきたからには、世の中に何かを残したい」という永野の人生の目標は、意外なエピソードから生まれました。

「とてもポジティブに生きているように受け取ってもらえる目標なのですが、きっかけは逆。実は幼稚園の時と、中学生の時に人生をあきらめようと思うような嫌な出来事があったんです。その時、私の想いに気付いた母に、当たり前ですが、かつてないほどめちゃめちゃ怒られました。母は私の言動に、泣いて悲しんでいたんです。その姿を見て『生きるしかない』と覚悟を決めました。母に、二度とこんな想いをさせてはいけないと思ったんです。そこからは生きることに腹を括ったので、その上で何をしよう。と思ってきました」

覚悟を決めた永野は「せっかく生きるなら、世の中にその証を残したい」と思うようになったと話します。

「高校時代は卒業のギリギリまでバンド活動に明け暮れていました。自分の担当はギター。バンドで一番ヘタクソでした。『オレがうまくなれば、バンドのレベルを底上げできる』という想いで、毎日4、5時間くらい練習していましたね(笑)。活動を続ける中でバンドのメンバーが読者モデルを始めたりして有名になり、学校のほかのバンドとも仲良くなって、最後にはこれまでで最大規模のライブを高校のバンド仲間で開催しました。良い想い出になりましたし、音楽という形で自分がいた証を一つ残せたかなと思います」

大学に入るとバンドを卒業。次に興味を持ったのは、建築の分野でした。

自分が努力し、生み出したもので、誰かの夢をかなえたい

永野が感じた建築の面白さは「クライアントの要望やニーズを分解・再構築し、アウトプットを創り出す」という要素。「世の中に何かを残したい」という目標について考え、さまざまな経験を積む中で、何かを残したいということについても、具体的に考えるようになりました。
そして就職を考える頃には、その興味は「新たな事業をつくる」ことへと移っていました。これまで永野がやりたいと思った仕事の要素、そして「世の中に何かを残したい」という目標、その2つの延長線上に「人のためになる世の中にないサービスをつくる」ということもあると永野は感じたのだと言います。

「就活ではどの業界に進むか悩み、最終的により多くの人につくったものを届けられる新規事業の仕事ができそうな企業に就職を決めました。新規事業は、サービスをたくさんの人に届けられれば、世の中にインパクトを残すことができる。それで自分がやりたいと思っている『世の中に生きた証を残す』こともできると考えたのです」

永野が選んだのは、有線放送を柱に、インターネット回線、動画配信、メディアや人材など、勢いよく多様な業界に進出していた企業。「ここならたくさんのチャンスがあるに違いない」と考えたと言います。ただ入社直後に配属されたのは個人向けの営業の仕事でした。

「社会人としての経験を積むために必要なステップと考え、営業の仕事に打ち込みました。やりたい仕事を勝ち取るには、その仕事で目立たなければならない。と考えたのです。最初は光回線の訪問営業。成績トップを獲るにはどういうトークにするか、家庭内の誰に話すべきかなど戦略を立てるのがとても楽しかった。その後は、経営企画室に配属となり、社長から発信する毎月の全社朝礼の資料作成や全社の予実管理、中期経営計画策定などを行いました。さらに、沖縄のコールセンターの企画・運営にも関わることになります。課題に対して解決策を考え、期間を決めて効果検証し、また新たな策を考え、と運営効率を上げる施策や、夜間も含めて24時間365日自動応答で完結できる仕組みを取り入れるなど、これまで活用できていなかった新たな方法を導入していきました。それぞれの仕事は楽しかったし、経験はすべて自分に生きている。けれど、漠然と胸に秘めていた『世の中に何かを残したい』という気持ちは満たせていませんでした」

ともにはたらく人たちに、喜ばれるものを。その実現に全力で取り組みたい

30代も半分過ぎ、「世の中に、何か残せただろうか」とふとしたときに思うようになったという永野。

「でも、これまでやってきた経験は自分の血肉となっている。それらをすべて活かすことができれば、さまざまなことができるはず。」と考えていました。

「これまでの経験を活かし、新たな挑戦を求めて転職したミイダスではたらく中で、クライアントである企業、そして社会の課題が見えてきました。中でも中小企業は、総務と人事が兼務で、時間も予算も足りず、従業員が生き生きとはたらくための施策を打てずに困っていることが分かりました」

また、調査を行うと、「コロナ禍以降、『はたらきがい』が多様化している」と思う人が8割以上になることが分かりました。加えて、日本の労働市場は生産性の向上や労働市場の効率化などの課題を抱えています。
これらの課題の解決策はないだろうか、とチームで議論を重ねた結果、「日本の企業が、多様なはたらきがいを認め、一人ひとりの労働者を大切にすることができれば、課題解決できるのではないか」という仮説にたどりつきました。そのきっかけをミイダスがつくれるのではないかと考える中で、「はたらく人ファーストアワード」のアイデアが生まれたのです。

さらに、アワード開催に伴い、自社の「はたらきがい」をより正確に算定するため、自分ひとりの立場による主観的評価と自分以外の社員の立場に立った客観的評価を区別して集計する、ミイダス独自開発のエンゲージメントサーベイである「はたらきがいサーベイ」を参加企業に無償で提供することに決定しました。

「無償提供することで、費用の捻出が難しい企業でも自社の社員の『はたらきがい』を把握し、その結果を分析することで自社にあった『はたらく人ファースト』な施策を検討・実施することができます。そのきっかけとして、アワードを活用してほしいと考えました。また、アワードを開催する中で集めた、『はたらく人ファースト』な事例を特設ページで公開することも決めました。同様の規模・業種の成功事例を知る機会を創ることができれば、課題解決のヒントになるのではないかと考えたのです。そういったアイデアや意見などを取り入れながら、アワードの全体像をつくっていったのです」

そうして開催されたアワードの成果は、前述のとおり。大きな宣伝効果を発揮し、ミイダスやはたらきがいサーベイの利用企業も増加しました。参加企業からも「社員が会社に誇りを持ってくれた」「社員の声が吸い上げられ、課題解決が進んだ」という声が寄せられています。
第2回にも3,600社以上の参加が決定しており、日本の「はたらきがい」の指標となるアワードとして着実に歩みを進めています。

「授賞式を実施することや特設サイトで事例を紹介することで、形として1つ残すことができた。『でも、まだまだできる。まだまだやりたい』。それが正直な気持ちです。ミイダスの事業を伸ばしたい。限られた時間でチームの成果を最大化するには、自分はサッカーのリベロのように、プロジェクト全体を見渡し、チームのみんながプレーをしやすいようなサポートをしたり、時には自分でボールを運ぶことでプロジェクトをスピーディに円滑に回したりすることが重要と考えています。幸い、多様なキャリアを歩む中で、ある程度のことはイメージや見通しがつけられるようになりました。どんなことにも柔軟に対応し、誰がなんの情報を持っていれば、次のアクションに困らないか、なんの情報があれば意思決定ができるか。それを常に考えて行動できるようになっていきたと思います。そんな自分が多彩なプロフェッショナルが集まるパーソルにいる。そのプロたちと協力し、新しいことをつくり出したいと考えています。そのために自分は考え続け、いつでも最高のパフォーマンスを発揮できるように準備しておかないといけない。一緒にやってくれる人のために、そして世の中の悩める中小企業のため、そこではたらく人のために。そうした人たちのために、全力で取り組み、また一つ残せるものをつくっていきたいです」

パーソルグループは、「“はたらくWell-being”創造カンパニー」として、2030年には「人の可能性を広げることで、100万人のより良い“はたらく機会”を創出する」ことを目指しています。
さまざまな事業・サービスを通じて、はたらく人々の多様なニーズに応え、可能性を広げることで、世界中の誰もが「はたらいて、笑おう。」を実感できる社会を創造します。

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