パーソルホールディングス株式会社は、立教大学で行われているグローバル社会で活躍できる人材の養成を目的とした実践型プログラム「BLP(ビジネス・リーダーシップ・プログラム)」の考え方に共感し、経営学部2年生向け春学期の授業である「BL2」と提携してきました。より実務的・発展的な学びを拡充したいという想いから学生たちに課題を出すとともに、その企画力をプレゼンして競う本選にて「クライアント賞」を選出。本選は7月2日に、立教大学タッカーホールにて行われました。
本選へ進んだのは全50チームの中、予選を勝ち抜いた5チーム。その中から、パーソルホールディングスが贈るクライアント賞に見事輝いたのは、「堀尾先生クラス1班」(中川 天さん、小牧 晴陽さん、小林 青愛さん、田中 智喜さん、徳永 朱映さん) の皆さんでした。
上の写真は、「クライアント賞」を受賞した「堀尾先生クラス1班」の皆さんと学生スタッフ、先生、パーソルキャリア桜井(後列左から3番目)
実施の目的とミッション
提携した授業「BL2」は、ビジネスの課題解決能力の向上と受講生のリーダーシップ開発が目的です。
この授業に対し、パーソルグループは「2030年の『幸せにはたらく』を考察し、パーソルグループがそれに貢献できる新たな事業を提案せよ」という課題を提供しました。2030年、それは今の大学生が社会で活躍する時期です。その時、社会はどのようになっていて、自分はどんなはたらき方をしていたいのか、『幸せにはたらく』とはどういう状態か……。自身のキャリアを考える上でも、ぜひ未来を想像してほしい、そして、それぞれにとっての「はたらいて、笑おう。」とは、“はたらくWell-being”とは何かを考えるきっかけにもしてもらいたいという想いからこの課題を設定しました。
春学期を通して、「BL2」を受講している約250名(50チーム)の学生がこの課題に取り組みました。
本記事では、本選の様子を一部ご紹介します。
本選の様子
本選出場となった5チームは、順番に各7分のプレゼンテーションと4分の質疑応答を実施しました。
全5チームの発表後、「クライアント賞」は以下の5つを評価基準として審査を行って選出。ほか、学生からの投票数が一番多かったチームに「学生賞」が、教員からの投票数が一番多かったチームに「松坂賞(※2)」が贈られました。
(※2)BLP創業期に貢献した故・松坂先生に敬意を表わした賞
■「クライアント賞」評価基準
1.課題設定の妥当性
ターゲットと課題内容を具体的に設定できているか
2.プランのオリジナリティ
すでにある類似サービスとの違いが明確になっているか
3.プランの実現可能性
実際にプラン内容が実現する可能性は見込めるか
4.ファクトベース思考
定量・定性調査に基づいて、現状分析および解決策の検証が行われているか
5.資料の見やすさ・プレゼンの質
資料は見やすいか、プレゼンテーションは分かりやすいか
クライアント賞
「クライアント賞」受賞クラス:「堀尾先生クラス1班」
受賞者名:中川 天さん、小牧 晴陽さん、小林 青愛さん、田中 智喜さん、徳永 朱映さん
事業プラン名:「My Hiroba」
●プラン内容
見事クライアント賞に輝いた「堀尾クラス1班」のプランは、「幸せにはたらく」を「評価に透明性があり成長してはたらくこと」と定義しました。そして、さまざまな調査資料から、勤め先の人事評価制度に60%以上の人が不満を抱き、中でも「評価基準が不明確」という理由が多いこと、さらには上司など評価者側が本来割くべき部下とのコミュニケーション時間を確保できていないと思っていることに着目し、「ゲーム×評価×プラットフォーム」のプランを提案。
ターゲットは、納得できる評価を得たい社員(被評価者)と、機会がないなどの理由でほかの社員にフィードバックがしづらい(コミュニケーション不足、機会がない)評価者です。なお、ここでの評価者とは上司などの人事権をもつ人だけでなく、被評価者と関わる機会のある上司、同僚、部下などさまざまな立場の人が含まれていることがポイントです。
舞台となるのは、「My Hiroba」というプラン名の通り、ゲーム内に設定された個人の広場。その広場に上司や同僚、部下などさまざまな人が遊びにきて、フィードバックをしていくというシステムです。良い面にフィードバックをもらうとコインがゲットできます。また、フィードバックに返信をすることもできるようになっていて、もし一定期間内に返信をせずにコミュニケーションをしないと自分の広場からその人がいなくなります。逆に自分がほかの社員の広場に行きフィードバックをすることも可能。ほかにも、改善点に対するフィードバックを自分で精査してリスト化できる画面があったり、誰かに良いフィードバックをすることでコインがもらえたりする機能も。さらには、コインの枚数(ポイント)によって、何かしらの報酬がもらえるようにする、という提案もありました。
広場の閲覧ができるのは、その広場の主(本人)と公式な人事評価権を持つ上司のみで、上司は、誰と誰がどのようなコミュニケーションをとっているか、リアルな情報を得ることができます。
こうして「ゲームを通した多くの人からのフィードバックとコミュニケーションのリアルな情報を人事評価の一部にしよう!」というのが「堀尾先生クラス1班」が考えたプラン、「My Hiroba」でした。
●受賞者コメント
「正直、クライアント賞を取れるとは思っていなかったので大変うれしく思っております。大学の授業での活動経験を経て評価とコミュニケーションは自身の成長と深く関わるものだと感じるようになりました。私たちが将来はたらく時にMy Hirobaのようなものがあったら良いなという期待も込めて今回のプランを考えさせていただきました。今回の貴重な体験を活かし、社会に何が求められているかを問い続け、新しい視点を発信できるような存在になれるよう、これからも邁進していこうと思います。これまで授業を支えてくださったパーソルさま、先生方ありがとうございました。」(「堀尾先生クラス1班一同」)
●クライアント賞、選出のポイント
受賞式の後、パーソルキャリア株式会社の桜井 貴史(エグゼクティブマネジャー/doda編集長)が、本選の感想と、「クライアント賞」選出のポイントを語り、最後にこれから社会人となる学生の皆さんにエールを贈って挨拶を締めくくりました。
(一部を抜粋、編集)
「本日はすばらしいご提案をたくさんいただき、ありがとうございました。どの提案も実現したいと思うほどレベルが高く、受賞案件の選出に非常に迷いました。
近年、テレワークの導入が進むなどで社会のはたらき方はめまぐるしく変わっています。そうした中で今、本当に社会で起こっている人材の評価やコミュニケーションの問題に着眼して、それらを可視化しようという発想はとてもすばらしく、また、その可視化方法にゲームを取り入れた点にとてもワクワクさせられ、本当に面白いと思いました。プレゼンテーションも分かりやすく、素晴らしかったです。
ほかの4つの班のご提案も、着眼点が社会視点で、実際にビジネスで取り組んでみたいと思わされるアイデアでした。
この先、学生の皆さんは、アイデアを出すだけではなく、実際にサービスをつくって世の中に出し、お客さまに喜ばれるという体験ができるようになります。「『幸せにはたらく』とはどういうことか」を考えた今回の授業で学んだことを活かし、楽しみながらさまざまなことにチャレンジをし続けていってほしいと思います。」
■「学生賞」と「松坂賞」
●「学生賞」受賞クラス:「辻先生クラス2班」
受賞者名:榎本 皓王さん、齋藤 晃貴さん、原科 裕作さん、黒丸 朝日さん、石川 綾乃さん
事業プラン名:「いくヘル 〜育成就労生に明るい未来を!!」
プラン内容:2030年の日本は労働人口減少により、職場には多くの外国人就労者がいると考察。育成就労生(※1)をターゲットに、職場で起こりうるさまざまな状況をアプリ上で再現し、普段習うことがない業界用語などを練習できるようにした実践練習アプリ。言語の違いによるコミュニケーションの悩みを解決し、外国人材の労働効率を高め、生産性向上へと導くプラン。
(※1)2027年に技能実習制度から育成就労制度に改定される
●「松坂賞」受賞クラス:「川崎先生クラス2班」
受賞者名:橋本 凛花さん、藤井 美有さん、横山 萌さん、宮坂 千里さん、中山 陽寧さん
事業プラン名:「しゃかしょく!」
プラン内容:ターゲットは、社会復帰をしようとはたらく意欲を持つ前科のある人。現状、そうした方々のはたらける業種が限られていることに注目し、好きな職種を選べるよう、必要なスキルの取得支援や就職先の提供を行い、世界中の誰もが「はたらいて、笑おう。」を実感できる未来へと導くプラン。
多様な価値観や背景を持つ人々が協働するグローバル社会で求められるのは、チーム全員の強みを引き出し、組み合わせ、目標を達成する「次世代のリーダーシップ」です。
パーソルグループは、「はたらいて、笑おう。」といえる社会の実現に向け、人材・組織開発をはじめとした「はたらく」に関する社会課題の解決を目指します。
パーソルグループは、「“はたらくWell-being”創造カンパニー」として、2030年には「人の可能性を広げることで、100万人のより良い“はたらく機会”を創出する」ことを目指しています。
さまざまな事業・サービスを通じて、はたらく人々の多様なニーズに応え、可能性を広げることで、世界中の誰もが「はたらいて、笑おう。」を実感できる社会を創造します。