
パーソルグループの課外活動「みんなの部活(※1)」の中の一つ「キャリア教育ラボ(※2)」は、早稲田大学の「早稲田キャリア研究会(※3)」とともに、「自分に合った『はたらく』を考えるワークショップ」を12月4日に開催しました。本イベントは、就活に対して漠然とした不安を抱えていたり、具体的に何から始めていいか分からなかったりする大学2年生向けに、社会人のキャリア観や仕事観をインプットしながら、自分にとっての「はたらく」を考えてもらうことを目的とした共創企画イベントです。
(※1)2019年よりグループ横断での取り組みとして開始された、パーソルグループ社員であれば誰でも参加できるコミュニティ。
(※2)パーソルグループの社員約300名から構成され、キャリア教育を今後のライフワークにしたいと思っているメンバーや、現在のキャリア形成や教育に課題感を持っているメンバーが集まり、実践活動を行う。
(※3)2022年度に創立された早稲田大学初の就活とキャリアに特化したサークル。ともすると社会から隔絶されがちな学生に、「社会との接点を増やすことで自らのキャリアの選択肢を増やす」ことを標榜してさまざまな活動を行う。
本イベントを実施するきっかけとなったのは、「早稲田キャリア研究会」からパーソルグループへ問い合わせが入ったことでした。そのあと学生からの提案やパーソルグループからのフィードバックを重ね、担当するグループ会社や部署、イベント内容の軸の検討を経て、「キャリア教育ラボ」が学生に伴走し、「イベントを学生とともにつくり上げていく」ことに決定。「キャリア教育ラボ」の中から公募で選ばれた本イベントのプロジェクトメンバー4名が「大学生活の早いうちから将来の生き方、はたらき方、人生の選択肢を自分事として捉えることで、キャリアの選択肢を広げるきっかけを持ってほしい」という想いのもと、約5カ月間にわたり「早稲田キャリア研究会」の学生たちと対話を重ねて本イベントをつくり上げました。
本記事では、イベントの当日の模様と、学生に伴走してイベントをつくり上げたプロジェクトメンバーの4名(パーソルキャリア株式会社の西尾 ひとみと青木 萌実、パーソルホールディングス株式会社の山﨑 諭、株式会社ベネッセi-キャリアの井添 里砂)に聞いた実施後の感想や今後の目標、そして「早稲田キャリア研究会」の運営メンバー2人の声をご紹介します。
イベントの模様

イベントは早稲田大学の教室で参加学生20名を対象に実施されました。司会進行を務めたのは、「早稲田キャリア研究会」の太田 丸朗さん(早稲田大学 教育学部 2年生)と「キャリア教育ラボ」の西尾 ひとみ(パーソルキャリア)です。
司会者から当日の流れや目的、「キャリア教育ラボ」所属のイベント登壇者(以下、登壇者)5名(大木 香澄(パーソルクロステクノロジー株式会社)、澤幡 文美代(パーソルテンプスタッフ株式会社)、山﨑 諭(パーソルホールディングス株式会社)、鈴木 慎之介(パーソルビジネスプロセスデザイン株式会社)、竹内 賢太(パーソルクロステクノロジー株式会社))の紹介などを終え、プログラムがスタート!
まずは、学生に3分間で現時点での、「自分なりの『はたらく』」を考え、言語化してもらいました。そのあと、学生たちは5つのグループ(1グループ4名)に分かれ、登壇者と座談会形式で「社会人との交流を通じ、『はたらく』価値観を深める」ことを目的に対話。登壇者はそれぞれ2つのグループを周り、学生たちに自身の歩んできたキャリアの話をしたり、学生の質問に答えたりしました。学生には、さまざまなキャリアを持つ「登壇者の本音を聞き、対話を通して深める」ことを繰り返してもらい、続いて行われた3分間の「個人での振り返りタイム」で、登壇者との対話を通じて気付いたことや感想を書き出してもらいました。
休憩を挟んで行われたのは、ここでの気付きをその場だけのものとせず、日常と接続するためのワーク。登壇者の話を聞いて共感したポイントやなぜ共感したのか、それを大学生活にどう生かしていくかを考え、言語化してグループ内でシェアしました。



こうして約2時間半のイベントは終了。参加した学生からは「自分の心に響く言葉をたくさん聞くことができた」「皆さん共通していたのは、キャリアの重要なフェーズで自分自身と向き合い、自分の正直な思いに従って人生を決断されていたのが印象的でした」「言語化の大切さに気付くことができたので、これから対話と内省を繰り返し、自分の理解をもっと深めていきたいと思います」といった声が集まりました。
それぞれが「はたらく」を考え、これからの行動につなげる有意義な時間となったようです。
学生に伴走し、イベントをつくり上げた4名に聞きました!
~感想と今後の目標~
プロジェクトメンバーは、「キャリア教育ラボ」の中で公募。約20名のエントリーの中から学生と伴走するプロジェクトメンバーとして「自己成長、課題設定、他者貢献、主体性という軸、そして本プロジェクトを推進するにあたって多様な視点からディスカッションができるように現業やバックグラウンドも加味して選ばれたのが、西尾、青木、山﨑、井添の4名でした。
——イベントを終えての感想を教えてください。
西尾:グループ内他社の多様な方々との協業は、刺激的でとても楽しい経験でした。プロジェクトメンバーは、お互いに安心して頼り合うような連携が取れていたと思います。また、個人的には、チームビルディングやプロジェクト設計の重要性を再認識する良い機会になりました。ただ、思考する時間があまりなく、もっとしっかり取り組みたかった、という想いがあります。
山﨑:このメンバーでやれたことが何よりの宝です。それぞれの強みを理解し、常に最善を考え、行動し続けたからこそ、限られた時間の中でも企画を進め、実施できたと思います。
青木:多様な経験や価値観を持つ方々と協業させていただいたことで、「人々のキャリアオーナーシップを育む」ためにどんなことができるか改めて考えるきっかけになりました。難しかったのは、「早稲田キャリア研究会」の学生たちと私たたちの「当たり前」が異なる中、短い時間で議論し、結論を出さなければならなかったこと。それでも「学生を主体とする」スタンスを崩さず、最後まで対話を大切に取り組めたと思っています。また、西尾さん同様「もっと考え抜くことで、質の高いプログラムをつくれる」と考えており、伸びしろは大きいと捉えています。
井添:今回、学生側にどうしたいかをていねいに確認をしました。アンケート結果では、はたらくについて自分の価値観を深堀りできた(84.2%)、他者の感想や価値観を知ることができた(78.9%)など、参加者にとって満足度の高いコンテンツになったのかなと感じています。また、イベント当日、参加学生の皆さんが想像以上の気付きを得ていることに驚きました。考え方や行動がほんの少しでも変わるような、そんな機会になっていたらうれしいです。
——今後の目標や予定は?
青木:今回が1回目の「早稲田キャリア研究会」と共創企画イベント。これを良い経験とし、ターゲットの状況や価値観の理解をより深め、今回見えた「プロジェクト設計」や「対話や思考を深める場づくり」に関する課題をクリアにすることで次回はもっと良い場を提供したいです。
西尾:社会とつながる学生時代は大事な時期だと改めて感じ、これからも学生や子どもたちに「はたらく」を考えるさまざま機会を提供していきたいと強く思いました。
山﨑:これまで何度も「キャリア教育ラボ」のプロジェクトに参画してきましたが、今回のようにターゲットである学生と共創して場づくりをする機会は初めてでした。私自身、対話を通して相手のまだ見えない(言語化されていない)ニーズを引き出しつつ、自分の想いとすり合わせながら一つのものを形づくっていくことにやりがいを感じたので、今後もこうした機会にさらに挑戦していきたいですね。
井添:集客面での反省点や、やりたかったのに時間の関係でできなかった、ということもあったので、「早稲田キャリア研究会」の皆さんとはぜひ第二回を実施したいと思っています。
——最後に、今回の取り組みはグループビジョン「はたらいて、笑おう。」へ、どのように寄与したと思いますか?
青木:「はたらいて、笑おう。」を実現するためには、はたらく個人が「自身の価値観や選択肢を理解し、自らの希望や考えのもと意思決定をすること」が大切だと思う一方で、いきなりその通りにやるのは難しい。社会人となる前に学生時代の経験として自己理解の機会を提供できたことは、ビジョンに寄与したといえると思います。
西尾:イベントまでのプロセスも当日も、学生が何をしたいのか、真意は何かに目を向け、それをサポートしたい社会人が集結したプロジェクトでした。「はたらいて、笑おう。」をグループビジョンに持つパーソルだからこそ実現した、「はたらく」の捉え直しができたイベントだったと思っています。
山﨑:学生が「はたらいて、笑おう。」を実践している多様な社会人に出会う機会はほとんどないと思っています。そうした中で今回、リアルな対話を通して、学生自身が自分の価値観や将来のここと向き合う時間になっただけなく、社会人にとっても自分を見つめ直す貴重な時間だったと思います。同時に、「はたらく」と「笑う」が接続することを感じ取ってもらえる良い場だったと思います。
井添:社会人の話を聞くことで、今後の選択肢や可能性が広がったり、気付きを得て自己理解や内省が深まり行動が変わったり、大事にしたい軸や価値観が少しずつでも見えてきたりすると思います。それが今後、(進学でも就職でも)何かを決める際の納得感ある意思決定につながり、グループビジョン「はたらいて、笑おう。」の実現につながっていくと思います。

前列は早稲田大学の学生の皆さん。右から、島田 奏祐さん(1年)、中井 幸哉さん(2年)、太田 丸朗さん(2年)、高野 諭さん(1年)。後列はパーソルグループのメンバー。右から、木原 ひとみ(パーソルキャリア)、澤幡 文美代(パーソルテンプスタッフ)、井添 里砂(ベネッセi-キャリア)、山﨑 諭(パーソルホールディングス)、西尾 ひとみ(パーソルキャリア)
「早稲田キャリア研究会」運営メンバーの声
太田 丸朗さん(早稲田大学教育学部2年生)
パーソルの皆さんにたくさん壁打ちの相手をしていただき、フィードバックをもらえたのはとてもありがたかったです。また、1年生にタスクを割り振ってマネジメントの難しさを知り、企業の人がプロジェクトを進める際の手順、熱量、ツールの使い方などを知ることができて、学びが本当に多かったです。
中井 幸哉さん(早稲田大学基幹理工学部2年生)
壁打ちの時間を設けていただけて、自分で動いたり考えたりできるようになったのは、とても大きな財産です。また、これまでは自分が何をやりたいかばかりでしたが、参加者が何を求め、何が必要で、何をやらなければいけないかという視点が大切であることを知れたのは、大きな気付きでした。


パーソルグループは、「“はたらくWell-being”創造カンパニー」として、2030年には「人の可能性を広げることで、100万人のより良い“はたらく機会”を創出する」ことを目指しています。
さまざまな事業・サービスを通じて、はたらく人々の多様なニーズに応え、可能性を広げることで、世界中の誰もが「はたらいて、笑おう。」を実感できる社会を創造します。