
Diversity, Equity & Inclusion(以下、DEI)推進においては、多様な人材がそれぞれの能力を最大限発揮できる機会を提供し、組織力を高める「ダイバーシティマネジメント」が重要です。ダイバーシティという言葉が指すものは性別、年齢、人生観や価値観、能力など多岐にわたります。その中でも今回は「障害」に焦点をあて、パーソルテンプスタッフのダイバーシティマネジメント事例を紹介します。インタビューしたのは、パーソルテンプスタッフ北関東・甲信コーディネートセンターの清宮 宏章さんと、上司の島津 昌宏さんです。
障害の有無にかかわらず、誰にでもある得意なこと・不得意なこと
清宮さんがパーソルテンプスタッフに入社し、コーディネーターとしてはたらき始めたのは2015年。何も知らない業界・職種への転職であることに加え、入社前から網膜色素変性症※による視野狭窄で、真正面のわずか5%しか見えていない状態だったこともあり、はたらくことには大きな不安を抱えていました。
入社後はコーディネーターとして100~200名の派遣スタッフを担当。希望や経験を電話でヒアリングし、一人ひとりに合った仕事を紹介しています。実際にほかの社員や派遣スタッフと一緒にはたらく中で、見えにくいことでの苦労は数多くあります。ただ、目の機能を失いつつある一方で、清宮さんは声のトーンや抑揚から相手の感情や調子を読み取ることができるという強みを持っています。この「聴く力」は、相手に耳を傾けることが重要なコーディネーターとして大いに役立っています。
※網膜の一部が変性する疾患です。病気の進行には個人差がありますが、初期には夜盲と視野狭窄を自覚し、将来失明の可能性もあります。
「聴く力」を生かし、リーダーとしてはたらく
そして2023年、上司の島津さんから「リーダーをやってみないか」と打診を受けました。最初は、任された嬉しさを感じつつも、視力的に難しいのではないかと葛藤を抱えていました。
しかし、実際にリーダーをやってみると、朝礼などで「ちょっと声のトーンが暗いな」「いつもと話の仕方が違うな」と感じたらメンバーと積極的にコミュニケーションを取るなど、「聴く力」という強みを生かしたマネジメントをすることができています。そして視力の影響で清宮さんができない数字の管理などはサブリーダーやメンバーがサポートに入るなど、チームみんなの能力を生かし合いながら、上手に機能を分担し、組織運営を行っています。
多様性を生かし合う職場
今回、清宮さんをリーダーに抜擢した島津さんは、一人ひとりがその人らしくあるとともに、組織の一員であると本人・周囲が受けとめている「インクルージョン」、そして一人ひとりのおかれている状況に合わせ支援し、不平等を改善する「エクイティ」という考えを大切にしています。その考えのもと、マネジメントはこうあるべきだという固定観念にとらわれることなく、一人ひとりの個性や強みを理解し、それを生かせる機会を提供しています。その結果、今回のようなダイバーシティマネジメントの事例も生まれました。
パーソルはこれからも多様な人材がそれぞれの能力を最大限発揮できる機会を提供し、組織力を高め、DEIの推進に繋げていきます。

パーソルテンプスタッフ北関東・甲信コーディネートセンター
島津 昌宏さん

パーソルテンプスタッフ北関東・甲信コーディネートセンター
清宮 宏章さん