パーソルグループは、グループビジョンに「はたらいて、笑おう。」を掲げ、生まれた場所や育った環境、年齢、性別などの違いを可能性と捉えて誰もが多様なキャリアを歩める、DEI(※1)を実現している組織を目指しています。
(※1)Diversity(多様性)、Equity(公平性)、Inclusion(包括性)指します。
6月は「外国人労働者問題啓発月間」。そこで、パーソルグループで活躍する2名の外国人社員に、自国と日本のはたらき方の違いや、パーソルグループでのはたらきやすさ、悩み、今後組織に期待することなどを聞いてみました。
<話を聞いたのはこの2人>
PERSOL Global Workforce株式会社
グローバル人材開発部 事業推進室
レスキャナ ジュウィタ ウォルダニ
愛称:キキ
国籍:インドネシア
入社:2022年11月
パーソルキャリア株式会社
dodaエージェント事業部 グローバルキャリア支援部
スポルテイ ゴビンド
愛称:スプーン
国籍:インド
入社:2023年1月
今回お話を聞いたお二人は、チームから親しみを込めて愛称で呼ばれているとのこと。ここでのお名前の記載も愛称でお届けします。
(各国のはたらき方についての感想は、個人的な見解です。)
日本は厳しい?かなり違う日本と自国の“はたらき方”
——現在はどんなお仕事を担当されているのですか?
キキ:PERSOL Global Workforceは、在留資格「特定技能」を中心とした外国人材の募集・育成から紹介・定着まで一気通貫の人材サービスを行っているのですが、私は、主に特定技能人材のマネジメントや、企業とのマッチング業務を担当しています。
スプーン:私は、パーソルキャリアでインドと日本の橋渡しとしてはたらいています。アジア・パシフィック地域での人材サービス・ソリューションを展開するPERSOLKELLYに、日本にある企業の求人情報を要件とともに伝えて、インドの候補者を推薦してもらうという役目を担っています。
——日本に来る前、自国ではたらいた経験はありますか?また、日本ではたらくことになったきっかけ、パーソルではたらくことになったきっかけを教えてください。
キキ:自国でもはたらいていました。私はインドネシアの大学日本語学科を卒業後、日本で日本語学校に通っていたのですが、インドネシアを出国する前に実家の仕事であった「送り出し機関(※2)」で日本語を約半年間、教えていました。
日本ではたらこうと思ったきっかけは、日本で通っていた日本語学校の先生の言葉でした。日本語学校を卒業する前の進路相談で、日本の大学院への進学か就活かを問われたので「チャンスがあれば就職したい」と答えたんです。一度日本ではたらく経験をし、帰国した際はインドネシアで学んだ日本語を活かしたいな、と考えたからです。そうしたら、「じゃあ、チャレンジしてみましょう!」と言われ、その後就活をはじめました。
まず愛知県の携帯販売会社に就職、エリアマネジャーになるまでがんばり、その後、外国人材の派遣事業、職業紹介・登録支援機関事業などを行っていた株式会社シェアグリに転職。その1年後の2022年、シェアグリがPERSOL Global Workforceに譲渡され、私もPERSOL Global Workforceの一員としてはたらくことになりました。
(※2)日本ではたらきたい、日本の技術や知識等を習得したい外国人を募集し、日本へ送客する機関のこと。
スプーン:私も自国ではたらいていました。人材紹介会社でリクルーターとして5年、それ以外でも企業の人事部ではたらいていた経験があります。
日本に来たのは、パートナーが日本駐在勤務となったのがきっかけです。家族全員日本に来たことはなかったのでチャレンジでしたが、日本での生活も面白そうだなと思い、家族で来日しました。
日本に来日後、しばらくはフリーランスでインドの会社の人事の仕事を遠隔からサポートしていましたが、LinkedIn(※3)でつながった主人の友達が、私とパーソルグループをつないでくれて、その縁でパーソルキャリアのBRS事業部(※4)ではたらくことに。その後、今、私が在籍しているdodaエージェント事業部 グローバルキャリア支援部で行っている、外国人材をサポートして日本に招聘するという業務に興味を持ち、入社1年後に異動させてもらいました。インドの知り合いにも「日本に行きたい」と言っている人がいて、そういう方をサポートできる仕事は面白そうだな、と思ったんです。
(※3)リンクトイン。世界最大のプロフェッショナルネットワークで、登録メンバーは仕事やキャリアに関する情報を取得、交換。
(※4)Bilingual Recruitment Solutionsの略
——自国と日本、はたらき方は違いますか?
キキ:日本ではたらいてみて、インドネシアのはたらき方はゆるいんだな、と思いましたね。日本では、時間を守ることや効率良くはたらくことは当たり前ですし、数年後どうなっていたいかなど、長期のキャリアプランを立てますが、インドネシアでは休憩をいつとるかも自由で、仕事中でもカフェに行ったりしますし、数年後の話より、目の前の仕事をやることが最も大切で、それが重要視されます。それと、日本は仕事を進めるスピード感が早いですね。
スプーン:インドは日本と比べて長時間ワークが常習化していると感じますね。インフラが整っていないので、通勤にも時間がかかるし、ワークライフバランスがとりにくい印象です。一方、日本では、高いスキルが求められ、一度会社に入れば、ルールを守り、効率的にはたらくことを求められますが、ワークライフバランスはとりやすいと思います。
また、大きく違うと思うのは、転職に関してです。インドでは転職活動がとても盛んで、当たり前。日本に比べて、インドでは一つの会社に長く在籍したからといって評価されることもないし、キャリアアップ=転職という感覚なので、転職回数がネガティブにとられることもありません。だから、いい条件の会社が見つかればすぐに転職します。逆に企業が従業員を解雇することも珍しくありません。
キキ:インドネシアも同じです!転職するのも普通ですし、企業が従業員を解雇するケースも多い。インドネシアではたらく私と同じ20代の知人で、5回転職している人もいますよ。
研修、業務ツールなどは、日本語と英語のパラレルに!
——インドやインドネシアと日本では、かなりはたらき方が違うようですが、パーソルグループは、お二人にとってはたらきやすい環境ですか?また、今後のキャリアで考えていることはありますか?
スプーン:今の環境にとても満足しています!ワークライフバランスも取れていて、心身ともに健全にはたらくことができているし、家族みんな日本で長く生活していくことを考えているので、私もパーソルグループで長くはたらいていきたいと思っています。そして、今の仕事を通して、たくさんのインド人に日本に来てもらい、より良いはたらき方ができるようにしていきたいですね。
キキ:パーソルグループは仕事のスピード感も早いですし、厳しい部分もありますが、お休みも取りやすいですし、私にとってはすごくいい環境です。私はイスラム教なんですが、宗教を大切にしていることを理解してくれていて、イスラム教のお祭りなどの日にはお休みをいただいています。
キャリア面で考えているのは……。今、インドネシアの農業省が抱える課題の一つに「農業技術の向上」があるので、たくさんのインドネシアの若者に特定技能人材として日本の農家で経験を積んでもらい、その技術をインドネシアの農業に活かしてもらえるよう、支援していきたいと思っています。
——お二人ともパーソルグループの環境に満足されているとのことですが、とはいえ、苦労されていることもあるのでは……?
キキ:大変なことは、やっぱり言葉と価値観を合わせることですね。日本語は難しいですし、日本人はあいまいな話し方をすることが多いと感じていて……。たとえば、AとBの2つの案があるとき、インドネシアでは「こうで、こうだから、Aにしてください」と言うところを、日本人は「こうで、こうだから、Aにしたほうがいいんじゃないの?」などと言います。こうしたとき、「AにしたほうがいいということはBでもいいのかと思って、Bでやろう」と思うと、そこでずれが発生します。今でも迷ったときは、「つまり、私はどうしたらいいですか?」とか「私は、こうすればいいですよね」などと確認するようにしています。
スプーン:挙げるとしたら、社内アンケートや研修、それに伴う説明書き、使用ツールなどが日本語であることでしょうか?今はほかのメンバーがサポートしてくれるのでなんとかなっていますが、メンバーの時間を使ってしまっているし、業務を効率良く進めるためにも英語版があるといいと思っています。
——ほか、お二人をはじめ外国人社員の方々にもっと活躍してもらうために、改善したほうがいいと思うことや、要望などはありますか?
キキ:私は、英語で皆さんともっと会話ができたらいいな、と思っていています。勝手な要望なんですが、皆さんの英語を勉強するモチベーションを高めるためにも、たとえば英語レベルによって会社から手当が出るなど、何かがんばったご褒美があるといいかも、と(笑)。
また、外国人交流会をしたいです。今日もスプーンさんとお会いできて、いろいろお話を聞けて、本当に良かったなと思っています。ですので、そうした場や機会をつくっていただけたらうれしいです。
スプーン:グローバルキャリア支援部には外国籍の方はほかにもいますが、みんな日本語が上手。上手に話せないのは私だけだったので異動していきたときはとても不安でした。でも、周囲の人が英語でフレンドリーに話しかけてくれたり、困ったら助けてくれたり。本当にうれしかったし、助かりました。皆さんにとても感謝しています。ですから、ほかのチームでも外国籍のメンバーが入ってきたら、英語がうまいとかへたとか関係なく、ぜひ話しかけてあげてほしいです。会話することでお互いの文化を知ることができるし、それが混ざり合えば、さらにグローバルで外国人社員のはたらきやすいより良い組織になっていくんじゃないかと思います。
パーソルグループは、「“はたらくWell-being”創造カンパニー」として、2030年には「人の可能性を広げることで、100万人のより良い“はたらく機会”を創出する」ことを目指しています。
さまざまな事業・サービスを通じて、はたらく人々の多様なニーズに応え、可能性を広げることで、世界中の誰もが「はたらいて、笑おう。」を実感できる社会を創造します。