挫折の末に見つけた自分の“居場所”。6万人の社員に「はたらいて、笑おう。」を実感してもらうために ― PERSOL Group Awards 2022受賞の裏に(14)柴田真亜美 ―

パーソルグループでは年に1回、グループ内表彰「PERSOL Group Awards」を実施しています。「PERSOL Group Awards」とは、グループビジョン「はたらいて、笑おう。」を象徴するパーソル社員とその仕事の成果に贈られる、グループでもっとも栄誉ある賞のこと。各SBU、およびユニットに貢献し、提供価値を創出した社員を表彰しています。

本連載では、2022年度の「PERSOL Group Awards」を受賞した社員のキャリアストーリーと、受賞の舞台裏をご紹介します。
第14回目は、パーソルホールディングス株式会社の柴田 真亜美です。

それまでの自分の仕事に一向に自信を持てなかった中、パーソルグループのインナーコミュニケーション担当となったことで、これが自分のやりたかった仕事だと確信できたという柴田。その天職をつかんだエネルギーがパーソルグループ全体の新たなコミュニケーション施策の構築を実現し、その成果はアワード受賞へと結実したのです。

目次

人をサポートする仕事を志望して転職を決意

美大でデザインを学び、卒業後はデザイナーを志望して広告代理店に入社しましたが、配属されたのは企画部門。さらに1年後には企画営業へと異動。柴田は、日々の仕事に追われる毎日を過ごしながらも、自分がやりたい仕事、自分に向いている仕事は何かを考えていたそう。そして入社3年目に転職を決断したのです。

「上司や同僚の仕事ぶりを見ていて、当時は『自分には企画の仕事は向いていない』と思っていました。もう一度デザイナーを目指す選択肢もあったのですが、社内のデザイン部門を見ていて、『はたして自分にできるだろうか』とそれも自信を持てなくて。何がやりたいんだろうと自問自答したとき、高校時代に水泳部のマネジャーとして人をサポートすることが、自分にとってすごくやりがいだったことを思い出したんです」

人をサポートする仕事に就くことを考えた時、柴田の中で候補に挙がったのが人材サービスビジネスでした。キャリアアドバイザーを志望して、その想いをかなえてくれたのがインテリジェンス(現パーソルキャリア)だったのです。

10年の経験を経て下した決断

2007年にインテリジェンスに入社以来、10年間にわたりキャリアアドバイザーとして活動。前職では3拠点合わせて150人程度だった会社から当時3,000人規模の会社に移ったことで、入社当初は驚くことも多かったそうです。

「当時のインテリジェンスは事業が大きく伸びている時期で新卒採用も500人規模、お台場のホテルでキックオフを行っていたので、最初はイケイケのすごい会社に来てしまったなという印象でした(笑)。」

キャリアアドバイザーの仕事は、転職を考えている求職者と1対1の関係で進められます。時には、仕事の話だけではなく、ご家族や人生の悩みを語る方もいるため、求職者と密度の濃い会話をしていくことになります。だからこそ、転職が叶ってお客さまから感謝されたときの喜びは大きなものでした。ただ、柴田の中では消化しきれない想いもありました。

「求職者とのカウンセリングは楽しいですし、『目の前にいるこの方のためにいいご支援をしたい』と思ってやってきましたが、10年も続けていたのに、キャリアアドバイザーとしての確固たる軸や信念を持てないままだったんです。そんな自分に自己嫌悪を抱いたまま数年経ち、さすがにこんな根無し草のままキャリアを積んでいくのはまずいと思いました。もともと変化が苦手なタイプなのですが、環境を変えなければ自分の意識も変わらないなと。おぼろげながら、1対1ではなく、より多くの人に影響を与えられる仕事をしてみたいと思い、キャリアチャレンジ制度を活用して、パーソルホールディングスに転籍しました」

転籍によって仕事への意識も変革した

この新たな職場で、最初の半年は社外広報としてメディア対応やプレスリリースの作成などの業務を担当。しかし、柴田は大きな壁に直面することになったそうです。

「年齢やキャリア的なことを考えると、即戦力としてある程度のパフォーマンスを発揮できなければいけないのに、びっくりするくらい全然できなくて……。メディアに自社のサービスや取り組みを売り込んでいくためには、戦略的な営業観点が必要なのですが、キャリアアドバイザーは基本的にニーズのある求職者にご提案するスタイルが多いので、こちらから相手に仕掛けていくことに適応していけなかったんですね。思うように仕事を進められない自分に、また自己嫌悪の日々でした。そんなダメダメな私を見かねてのことだと思うのですが、インナーコミュニケーションに異動することになったんです。今振り返ると、見捨てずに新しい場所を用意してくれたことは本当にありがたかったですね」

転籍当時、多くの人に影響を与えられる仕事をしたいと考えていた柴田。インナーコミュニケーションの役割は、パーソルグループ約6万人の社員に情報やメッセージを伝えていくこと。責任は大きいけれども、それゆえに大きなやりがいを感じられる仕事でした。まさに、自分がやりたいと思える仕事に出合えた瞬間でもあったのです。

「社員の皆さんが、パーソルではたらくことに喜びと誇りを感じてもらうことがミッションなので、私の顧客は社員です。顧客だけど身内とも言えます。身内、つまり自分にとっての仲間であるこの6万人の人たちに、どうやって届けられるかということを考えることに、こんなにもやりがいに感じるとは思っていませんでした。水泳部のマネジャーにやりがいを持てたのも、『自分の仲間のために』という想いが根底にあったのだということにも気付きました。おかげで、ようやく今は『仕事が楽しい』と思えるようになりました」

ビジョンを社員に届けるための新施策を立ち上げる

2021年、新社長として和田が就任。和田の想いを社員にしっかり伝えるとともに、グループ横断でグループビジョンである「はたらいて、笑おう。」を浸透させることが、柴田の大きなミッションとなります。2019年までは全社員が集まる社員総会を実施していたものの、それ以降グループ方針により社員総会は開催せず、グループ社員が一堂に会することもなく、「パーソル」を感じる機会が激減してしまっていました。そこで、パーソルの今を感じ、パーソルの未来を想像して、パーソルのビジョン体現に向けて一歩を踏み出す機会をつくることを目的としたオンラインイベント「PERSOL Work, and Smile Week」を企画することになったのです。

「なんのためにやるのか、何をやるのか、どう伝えるのか。グループ横断のイベントを一から企画するのは初めてだったので、コンセプトを考えるだけで数カ月、企画を固めるまでにまたさらに数カ月、本当に苦労しました。ただ、この企画に関わることで、目的をぶらさずに考え切るという経験ができたのは財産です」

10日間にわたって11のコンテンツが展開された「PERSOL Work, and Smile Week」は、約9,000人の社員が視聴し、平均満足度は約90%。新社長の和田の想いやメッセージも、有識者との対談を通して社員に届けることができたことも大きな成果となりました。またこの実績が評価され、2022年での開催は、全社員が視聴するイベントに昇華したのです。
そして、その成果が、今回のアワード受賞にもつながりました。

2022年度のPERSOL Work, and Smile Weekのキービジュアル

ビジョンとは北極星のごとく、社員を導くもの

今でこそ、社内でのビジョン浸透を生業にしている柴田ですが、以前はビジョンを軽んじていたと言います。

「今の仕事を通じて感じるのは、パーソルには『気持ちのいい人』が集まっているということ。それは会社のビジョンがしっかりあって、そのビジョンに基づいて採用が行われているからこそ、同じ想いを持つ人たちが集まっているのだと思うんです。以前は、『ビジョンなんて所詮は奇麗事』と思っていたのですが、そうではなく企業が一つの方向に向かうために北極星のごとく、そこにあるのがビジョンだと、パーソルでさまざまな社員と触れ合うことで確信できるようになりました。私としては人格が変わるレベルで大きな変化でした」

柴田が今後の目標としているのは、経営陣の想いを生々しく伝えていくことだと言います。

「経営陣と日常的に話すようになって、失礼ながら『この人たち、こんなに社員のこと考えているんだ』と初めて気付きました(笑)。キャリアアドバイザー時代は、経営陣は遠すぎてまったくそんなこと知りませんでしたから。だからこそ、社員に対して思っていることや伝えたいことを、私が代弁者として、経営陣の熱量や温度をそのままに伝えていきたいと思っています。それが結果的に、ビジョンと同様に経営陣の思いが北極星のような存在になり、社員の皆さんに『パーソルっていいよね』と思ってもらうことにもつながると思っています。」

柴田の言葉からは、少し時間はかかったけれども、パーソルの中に自分の“居場所”を見つけ、楽しく、やりがいを持てる仕事に出合えた喜びが感じられます。「はたらいて、笑おう。」を体現できている柴田だからこそ、社員に対して伝えられるメッセージがあるのではないでしょうか。

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