はたらく人々と企業に、より良いはたらき方を。目指すのは「フェアな処遇」が浸透している社会 ─ PERSOL Group Award 受賞の裏に(12)小森 可南子 ─

パーソルグループでは年に1回、グループ内表彰「PERSOL Group Award」を実施しています。「PERSOL Group Award」とは、グループビジョン「はたらいて、笑おう。」を象徴するパーソル社員とその仕事の成果に贈られる、グループでもっとも栄誉ある賞のこと。各SBU、およびユニットに貢献し、提供価値を創出した社員を表彰しています。

本連載では、2021年度の「PERSOL Group Award」を受賞した社員のキャリアストーリーと、受賞の舞台裏をご紹介します。第12回目は、パーソルキャリア株式会社の小森 可南子です。

ジョブごとの報酬水準データを提供する新サービス「Salaries(以下サラリーズ)」をローンチした背景には、ジョブごとの報酬水準を提供することで、はたらくすべての人々と企業が、フェアな関係性を築いていく社会を実現したいという、強い想いがありました。

目次

人のライフイベントに携わる仕事がしたい

学生時代に予備校でのアルバイトを経験したことから、「人のライフイベントに携わる面白さを知った」と語る小森。これが人材業界を目指す一つのきっかけになりました。

「受験も重要なライフイベントですが、長い人生で見れば一つの点に過ぎません。そこで、もっと長い時間に渡って継続的に人のライフイベントに関わることのできる仕事はないかと考えたところ、就職や転職のサポートができる人材業界にたどり着きました」

入社は2017年。当初は法人営業を担当していた小森ですが、企業の採用支援を行っていくうちに、やがて社内の新規事業への関心を持ち始めました。そこで出会ったのが、リリース前であったパーソルキャリアの新サービス「サラリーズ」でした。

「『サラリーズ』は『doda』が持つ170万件以上のキャリアデータをもとに、『ジョブごとの報酬水準データ』を提供するサービスです。私がジョインした2020年の時点では、まだリリースに向けた準備段階でしたが、その開発背景や、事業モデルに強く惹かれ、社内異動公募に手を挙げました。法人営業経験を通じて、スキルではなく、年齢や学歴のみで半ば判断してしまう企業が一部いることに違和感を持っていた私にとって、世の中の在り方を変える可能性がある魅力的なサービスだと感じました」

法人営業としてさまざまな採用・転職事例を見てきた経験から育まれた違和感や想いが、彼女を新天地へと導いたのです。

「サラリーズ」リリースまでの障壁とは

日本の社会では長らく、まずは人材を雇用し、キャリアアップを図る「メンバーシップ型雇用」が主流でしたが、昨今では組織内で必要な職務に基づいて、そのスキルや経験を持った人材を雇用する「ジョブ型雇用」に移行しつつあります。

ところが、その検討に必要となる報酬の水準データが、日本にはほぼ存在しませんでした。

「そこで、パーソルキャリアの持つ『doda』のデータと、実際に『サラリーズ』を利用してくださった企業のデータを活用することで、マーケットの実態に即した報酬水準データを提供しようと考えました。ただ、dodaのデータは利用規約上、活用することが可能な一方で、ご利用企業の従業員データの取得は個人情報の第三者提供にあたるため、この課題をどうやって解決するかが大きな壁となっていたんです」

社内の法務やセキュリティチームの方に知見を借りながら、議論を重ねて知恵を絞り合ったプロジェクトメンバーたち。その結果、従業員個別のデータを取得するのではなく、複数人分のデータから共通要素を抽出した、“統計情報”のみを取得し、データを蓄積していく仕組みをつくり上げました。

とはいえ、リリース当時にあった100万以上のデータ量からすれば、決して簡単な作業ではありません。エンジニアを中心に、膨大かつ、地道な作業に向き合い、尽力した結果、「サラリーズ」は2021年1月にパイロット版のリリースを実現。その後、2021年5月に正式リリースに至りました。

アワード受賞案件として高い評価を得たそのプロセスについて、小森は次のように振り返ります。

パイロット版のリリース時点では、まだ実装されている機能も多くはなかったのですが、76社もの企業から「サラリーズ」の利用を希望していただきました。これは、サービス機能だけでなく、サラリーズが目指す「企業とはたらく人々がフェアな関係性を築いている社会」という考え方に共感していただいたことも大きな要因だと思います。
76社という数字そのものよりも、自分たちが目指す世界に、これだけ賛同していただいたことが、何よりもうれしかったと振り返る小森。しかし、チャレンジはまだ始まったばかりです。

見据える社会の実現を目指して

パイロット版の反響を踏まえ、アップデートを加えた正式版が昨年リリースされてからも、チームの試行錯誤は続きます。

「正式リリース後、しばらくは有償で提供してきた『サラリーズ』ですが、今年2月からは大きく方針を変えて、1年間無償*でご利用いただけるようになりました。というのも、『サラリーズ』は分析にあたり、お客さま側の従業員データを入力していただく仕組みなので、お客さまに使っていただけるほど統計データが蓄積されます。つまりそれだけお客さまに提供できるサービスの価値も高まるわけで、まずはより多くの企業に使っていただくことを優先しました」

「サラリーズ」の利用ユーザーが増えれば、世の中の考え方も徐々に着実に変わっていきます。そしてその先にこそ、「フェアな処遇」が当たり前のように存在する世界があるはずです。無償化の決断は、目先の利益よりもその先の実現を求めてのことでした。

「もちろん、機能面でも仕様面でも、まだまだ改善できることはたくさんあります。このあたりはお客さまの意見を真摯に聞き取りながら、一つずつ取り組んでいきたいと思っています。今はただ、実際に『サラリーズ』を使ってくださった方から、『こんな風に役に立ちました』と喜びの声を聞けることが、すごくうれしいですね」

*2023年3月31日までに「利用申込書」を受領した企業さまが対象となります。

プロジェクトメンバー

パーソルグループの“居心地の良さ”の正体

「サラリーズ」に関心を持ち、入社3年目で自ら希望して異動を実現した小森。「人のライフイベントに携わりたい」という想いは、「はたらく人と企業により良いはたらき方を提供するきっかけづくりをしたい」という目標に昇華され、現在も慌ただしい日々を送っています。今回のアワード受賞についても、「まだサービスをリリースしただけの段階なので」と、仲間と喜びを分かち合っている余裕もない様子。

それでも、新たなサービスを出帆させたこのタイミングでこれまでのキャリアを振り返ると、さまざまな気付きがあると言います。

「あらためて思うのは、パーソルグループのメンバーは、良い意味で真面目で素直な人が多く、それが私の仕事にも大きな影響を与えているということです。たとえば、私が『こういう世の中がつくれるといいよね』と青臭い話をしても、『それは無理だよ』と否定するのではなく、『どうすれば実現できるか考えてみよう』と、一緒に地道な努力をしてくれる人ばかりなんです。私自身もわりと青臭い人間なので、だからこそこの会社が居心地良く感じられるのでしょうね(笑)」

新規事業を手掛ける部署といえば、かつてはキラキラした華やかな世界を想像していたという小森ですが、実態は道なき道を行かねばならない、地道な行動ばかりの毎日だと苦笑い。それでも「毎日が充実しまくっています!」と明言するのは、同じ志を持つ仲間に恵まれたからこそでしょう。

そうした環境、そして今回の「サラリーズ」立ち上げの経験から、小森は今後の目標を次のように語ります。

「どのようなサービスにおいても、自分が主軸となって軌道にのせていけるような人材になりたいと思っています。一方で、今回のプロジェクトを通して、今はまだそのためのスキルがまったく足りていないことも実感しました。だからこそ、『サラリーズ』のリリースに関する一連の業務から学ぶことは多く、自分にとって確実に糧となっていると感じます」

まだ道半ばであることを強調する小森ですが、それでもその視線は、数年後の夢や目標の実現をしっかりと見据えています。

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